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Touring All Counties of Ireland
アイルランドの色々な所を旅行して回りたいけど、時間が無くて全ての県(州)を回るのは無理という方にぴったりな、いつでもどこでも出来るアイルランド全県制覇の旅があります。はまりだすと病みつきなること間違いなし!?
本当にどこにいても出来ます。ほんのちょっとだけ意識をアイルランド中どこにいっても見ることのできる、とある部分に注ぐだけです。
意識を注ぐ部分とは・・
例えばこれとか。
これとか、
これとか
いかがでしょうか。ここまでにアイルランド共和国の3つの県が出てきたのですが、お気付きになったでしょうか?
意識を注いでいただきたい部分とは、この矢印の部分です。
そう、車のナンバープレートです。
ではこの車のナンバープレートはアイルランドのどの県のナンバープレートでしょうか?
日本の自動車のナンバープレートも、見ればその車がどこで登録されたか分かるようなっています。
アイルランドの車もナンバープレートを見ればその車がどこの県で登録されたか分かるようになっています。
下はアイルランドのナンバーのシステムを解説したものです。
上のナンバープレートの場合、1999年にダブリンで123456番目に登記された車ということになります。
上を踏まえた上で、下の車についているナンバープレートはどこの県のナンバーでしょうか?
この車は2005年にMで始まってNで終わる県で2222番目に登録された車です。一番上の文字列はこの県のアイルランド語綴りです。
さてMで始まってNで終わる県は何県でしょうか?意外とマイナーな県かもしれません。
答えはモナハン州です。モナハンは「Monaghan」と綴るので、Mで始まってNで終わります。アイルランド共和国にMで始まってNで終わる県はモナハン以外にありません。
では次のナンバーはどうでしょうか?
これは2002年にLで始まってMで終わる県で857番目に登録された車のナンバープレートです。Lで始まってMで終わる県は何県でしょうか?
答えはリートリム州です。リートリムは「Leitrim」なので、Lで始まってMで終わります。
と、まあこんな具合にナンバーを見てはあの車はどこの県のナンバーかな?って見るだけでも結構楽しめます。(少なくも私にとっては・)
日本でもそういうことがあると思うのですが、たとえばショッピングセンターに車で行って駐車場に車を停めると、たいてい地元のナンバーの車しか停まっていないものです。たまにすごい遠い県のナンバープレートの車が停まっていたりすると、「うわ~、よく来たな~」と驚いたりすることがあると思うのですが、私の場合たまたまアイルランドでよく買い物に行くショッピングセンターで、それまでに見たことのない場所のナンバープレートを見て、あのナンバーはどこの県のナンバーなんだろうと気に掛けるようになり、それ以来初めて見るナンバープレートを写真に収めては、それがどこのナンバーか調べるようになりました。
アイルランドのナンバープレートで書かれているアルファベットは基本的に県の最初の文字と終わりの文字です。一文字だけのナンバープレートは県のナンバーではなく「市」のナンバーです。場所によっては「県」のナンバーと「市」のナンバーの2種類のナンバーが存在する県もあります。
例えば下のナンバーはどうでしょう。
2002年にWで始まりDで終わる県で1299番目に登録された車です。Wで始まりDで終わる県はどこでしょうか?
答えはウォーターフォード州です。ウォーターフォードは「Waterford」と綴ります。
それでは次のナンバーはいかがでしょうか?
これはW一文字だけです。一番上の「PORT LAIRGE」はこの県のアイルランド語綴りです。一つ前のウォータフォードも「PORT LAIRGE」と綴られていましたので、これもウォーターフォードのナンバーです。ですが、W一文字は同じウォータフォードでも「ウォーターフォード市」のナンバープレートになります。
アイルランドには「市」を置いている県が5つあります。ダブリンとゴールウェイ、コークとリムリック、そしてウォーターフォードです。
これらの県には県庁と市庁がそれぞれ設置されています。ダブリンならダブリン・カウンティ・カウンシル(県庁)とダブリン・シティ・カウンシルが(市庁)あり、ゴールウェイにもゴールウェイ・カウンティ・カウンシル(県庁)と、ゴールウェイ・シティ・カウンシル(市庁)があります。
ダブリン、ゴールウェイ、コークの3県は市庁(シティ・カウンシル)が車の登録を担当しているので、これら3県のナンバープレートは一文字しかないのです。ウォーターフォードとリムリックはシティ・カウンシルと、カウンティ・カウンシルがそれぞれ車の登録を担当しているので、市で登録された車は一文字、県で登録された車は2文字のナンバープレートになります。
以上を踏まえた上で、次のナンバープレートはどこの県のナンバープレートでしょうか?
2011年にLで始まってKで終わる県で2106番目に登録された車です。
どこの県かもうお分かりでしょう。
そう、Lで始まりKで終わる県は「Limerick」、リムリックです。
LKナンバーはリムリック県庁で登録された車です。リムリックにはリムリック市庁で登録された車に付けられるナンバープレートもあります。
こちらがリムリック市のナンバープレートです。リムリック・シティ・カウンシルで登録された車には「L」一文字しかありません。
ちなみにウォーターフォードの県のナンバーは「Waterford」でWで始まりDで終わるので「WD」ナンバーなのですが、実はアイルランドには他にもWで始まりDで終わる県があります。
さて、ウォータフォード以外のWで始まり、Dで終わる県はどこでしょうか?
答えはウェックスフォード州です。ウェックスフォード州は「Wexford」と綴ります。しかし「WD」ナンバーはウォーターフォードが使っているのでウェックスフォード州は例外的に以下のナンバーを使います。
「WX」です。何となくこっちの方が「ウェックスフォード」を連想できそうな気がしますよね。
それでは次のナンバーはどうでしょうか。
1998年にKで始めりYで終わる県で4094番目に登録された車です。一番上のアイルランド語の綴りから推測できると思いますが、これはケリー州のナンバーです。ケリーは「Kerry」と綴るのでKで始まりYで終わります。
先ほどWで始まりYで始まる県は2つあると説明しましたが、実はKで始まりYで終わる県も2つあるのです。もう一つのKYな県は、
この県です。ナンバープレートは「KK」ですが、県のスペルはKで始まってYで終わります。そんなKYな県はどこかというと、、「Kilkenny」、そうキルケニー州です。キルケニーはKで始まってYで終わるのですが、ケリー州がKYナンバーを使っているので、キルケニー州は例外的にKKナンバーを使っています。
先ほどウォーターフォードとリムリックには「県」のナンバーと「市」のナンバーの2種類があるという話をしたのですが、アイルランドにはもう1県ひとつの県で2種類のナンバープレートがある県があります。
下がその県のナンバープレートです。
これは2010年にTで始まりNで終わる県で273番目に・・・・
ってアイルランドにTで始まりNで終わる県はありません。といってもTで始まる県は一つしかないので、簡単ですよね。そう、ティペラリー州です。ティペラリー州はTipperaryと綴るので本来ならTYとなるところなのですが、このナンバープレートではTNとなっています。
では下のナンバープレートとはどうでしょうか。
こちらはTSとなっています。一番上のアイルランド語の文字列がどちらも「TIOBRAID ARANN」なのでティペラリーであることは明らかです。TNとTSの違いは北(North)と南(South)の違いです。NはTipperary North、SはTippeary Southの略です。
アイルランドの県はそれぞれの県に、日本の県庁所在地に相当する町が定められています。県庁所在地に相当する町のことをカウンティタウンと呼びます。私の住んでいるクレア州であれば、エニスという町がカウンティタウンになります。ゴールウェイ州であればゴールウェイ市がゴールウェイの県庁所在地になります。
ティペラリー州は南北に長いせいか、アイルランドで唯一カウンティタウンが2か所ある県なのです。北側のカウンティタウンはニーナ(Nenagh)に南側のカウンティタウンはクロンメル(Clonmel)に置かれています。
というわけで、ニーナで登録された車はTN、クロンメルで登録された車にはTSのナンバープレートが付けられます。
それでは残りの県をABC順に追っていきましょう。
Cで始まってWで終わる県は「Carlow」、カーロウ州のナンバーです。
Cで始まってNで終わる県は「Cavan」、キャバン州のナンバーです。
Cで始まってEで終わる県は「Clare」、クレア州のナンバープレートです。
C一文字はCork、コーク州のナンバープレートです。
Dで始まりLで終わる県は「Donegal」、ド二ゴール州のナンバーです。
D一文字はDublin、ダブリンのナンバープレートです。ダブリンをアイルランド語で綴ると「BAILE ATHA CLIATH」になります。Dublinからは想像も付かないですよね?
G一文字はGalway、ゴールウェイ州のナンバープレートです。
Kで始まりEで終わる県は「Kildare」、キルデア州のナンバーです。
Lで始まり、Sで終わる県は「Laois」、リーシュ州のナンバーです。
Lで始まりDで終わる県は「Longford」、ロングフォードのナンバーです。
Lで始まりHで終わる県は「Louth」、ラウス州のナンバープレートです。
Mで始まりOで終わる県は「Mayo」、メイヨー州のナンバープレートです。
Mで始まりHで終わる県は「Meath」、ミーズ州のナンバープレートです。
Oで始まりYで終わる県は「Offaly」、オファリー州のナンバーです。
Rで始まりNで終わる県は「Roscommon」、ロスコモンのナンバーです。
Sで始まりOで終わる県は「Sligo」、スライゴ州のナンバープレートです。
Wで始まりHで終わる県は「Westmeath」、ウエストミーズ州です。
Wで始まりWで終わる県は「Wicklow」、ウィックロー州です。
というわけで、アイルランド共和国には26の県がありますが、ウォーターフォードとリムリックとティペラリーは1つの県に2種類のナンバープレートがあるので、29のナンバープレートがあります。
ABC順に並べると以下のようになります。
いかがでしたでしょうか?誰にでも簡単に出来るアイルランド一周の旅は?くだらないといえばくだらないのですが、どこに居てもできるので買い物に出た際などに駐車場に停まっている車をちらっと見てみてはいかがでしょうか。アイルランド一周できると、それなりの達成感があるのではと思います。
ちなみに北アイルランドのナンバープレートも地域別に分かれているのですが、アイルランド共和国と比べるとシステムが複雑で、普段住んでいないのもあって、パッと見ただけではなかなか見分けがつきません。
北アイルランドのナンバーは以下のように分類されるそうです。
以上を踏まえた上で北アイルランドで見かけた以下の車を見てみると、
右の車についているナンバーが、北アイルランドのナンバープレートです。左の車はアイルランド共和国の車です。(ダブリンナンバー)
「HIG 3017」なので上のシステムに照らし合わせるとファーマナの「IG」と一致します。先頭の「H」は車の製造年を表すらしいのですが、詳しいことは不明です。ということでこの車はファーマナで登録された車ということになります。
この写真に写っている車だと、左のバンの「NG」は上のリストには載っていないので、北アイルランドで登録された車ではない可能性が高いです。その右の黒い車は「BEZ」なので、上のリストに照らし合わせるとベルファストの「EZ」と一致するのでベルファストで登録された車ということになります。先頭のBは車の製造年を表すのですが、詳しく何年かは分かりません。ちなみに「A」だと2004年製だそうです。
追記
上に書いてあることは私がアイルランドに住んでいた2010~2011当時のナンバープレートのシステムです。
その後いくつか変更があったらしく、まず2011年の時点で用いられていたリムリックとウォーターフォードの県のナンバーは現在は廃止されて、L1文字、W1文字のナンバーに統一されたそうです。
またティペラリーも南北統一してT1文字のナンバープレートになったそうです。
また製造/登録年も3桁の表示になったそうです。例えば2018年の1月から6月までに登録された車は18の後に1を付けて「181」に、2018年の7月から12月までに登録された車は18の後に2を付けて「182」となるそうです。
「LK、WD、TN、TS」は2013年に廃止されたそうです。
2013年以前に登録された車は、そのままのナンバーで走っているとのこと。なので今現在でも「LK、WD、TN、TS」ナンバーを見ることはできると思います。
2013年より「年」の次に「1」または「2」が付けられるようになったそうです。