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Trostan Co. Antrim 551m
[キャリック・ア・リード、ジャイアンツコーズウェイ、ブッシュミルズetc]
山頂からスコットランドが見えるアントリム県の最高峰
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クーシェンドール(Cushendall)という町がトロスタン山の最寄りの町になります。
トロスタン山の最寄りの町「クーシェンドール(Cushendall)」のメインストリート。
クーシェンドールのメインストリートの花屋さん。店名がナイス。
同じくクーシェンドールのメインストリートにあった「コーナーショップ」という名前のお店。名前の通り角に面しています。ガチャガチャが懐かしい・・
これもクーシェンドールのメインストリートにあった味のある建物。
メイス*にしておくのはもったいないような・・
*アイルランドのコンビニチェーン店。南北問わずどこにでもあります。
トロスタン山の登山ルートは色々とあると思いますが、私はグレナリフ森林公園(Glenariff Forest Park)という公園から登ってみました。
グレナリフ森林公園は植林樹林の一部を公園として開放している公共施設です。
歩き始めてしばらくは森林公園の中の森の中を歩きます。
ちゃんとした道があるので歩きやすいです*。
*アイルランドには道らしい道がない山も多い
この森が終わるまで進むと一転してに周りが開け木が一本もなくなります。
ここの森は植林された樹林帯なので、木が生えている区域とそうでない区域が面白いくらいにはっきりと分かれています。
航空写真で見ると下の画像のような感じです。
森を抜けるとだだっ広い草地に出ます。
森とフィールドは鉄条網で区切られていて、鉄条網はトロスタン頂上の方まで伸びていますので、鉄条網に沿って登っていきます。
鉄条網に沿って登ってきて森の方を振り返るとこんな感じに見えます。
鉄条網の反対側は植林帯が続きます。植林帯の端に来るまでは鉄条網に沿って登ります。植林帯の端まで来たら東に折れ真っ直ぐに進みます。
ほどなく進むとトロスタン山の山頂に着きます。
山頂はだだっ広く視界を遮るものは何もありません。
頂上には三角点が置かれています。
頂上は石の多いところで、とにかくだだっ広いところです。
トロスタン山頂と山頂の三角点。
ここまでの道のり。面白いくらいに直線的に歩いています。
ここまでの距離4.07㎞、所要時間は1時間丁度でした。
山頂で記念撮影。
山頂からは360度のパノラマを楽しむことができます。
アイルランドの山は大抵どこの山も360度のパノラマが広がっていて、美しい景色を楽しむことができます。
トロスタン山頂からの眺め。遠くに見える島はスコットランドです。
トロスタン山頂からの眺め。前に見えるのはラスリン島(Rathlin Island)です。
トロスタン山頂からの眺め。麓のクーシェンドール(Cushendall)がよく見えます。遠くにはうっすらとスコットランドも見えます。
トロスタン山頂からの眺め。海側と反対側の眺め。スタート地点の森林公園とその先に風力発電用の風車(windfarm)が見えます。
往復の全行程はこんな感じです。まっすぐ進んで左に曲がって右に曲がるだけなので、分かりやすい道順だと思います。
総距離は8.76㎞、所要時間は2時間6分でした。
これが「オシアンの墓」と呼ばれる遺跡です。
オシアンは伝説の英雄詩人らしいのですが、私自身はあまり詳しいことは分かりません。「オシーン(Oisin)」というアイルランド人の名前はこのオシアンから来ているというのを聞いたことがあります。
オシアンの墓からの眺め
グレンダンの鉄道橋はオシアンの墓の近くにある、昔の鉄道橋です。
かつてはアイルランドにも縦横無尽に鉄道路線が通っていたのですが、モータライゼーション(モータリゼーション)が進むに従い、多くの鉄道路線が廃線となってしまい、現在では都市間を結ぶインターシティー路線が主となっています。
場所によっては廃線となったかつての線路や線路跡、鉄道橋などが遊歩道などとして利用されているところもあります。
グレンダンの鉄道橋は趣のあるシルエットで付近のランドマークになっています。
グレンダンの鉄道橋。ここを走る列車からはきっと雄大な景色が見れたんでしょうね。
グレンダンの鉄道橋。別角度から。
クーシェンドールの人口は1300人ほど。
北アイルランドの町ですが、住人の97%はカトリックだそうです。
町中にあったミューラル(mural=壁画)を見るとカトリックの町なんだということに気付かされます。
この町のミューラルはアイルランドの国技とも言われるハーリングが描かれています。「Ruairí Óg CLG」のクーシェンドールのハーリングチームの名前のようです。トロフィーが描かれているので、それなりの強豪チームなのではないでしょうか。
上の壁画にも描かれていますが、こちらはクーシェンドールの町の入り口に建てられている「カーフュータワー(Curfew Tower)」と呼ばれている建物で、クーシェンドールのランドマークになっています。
1817年に建てられたそうで、建てられた当初はその当時存在した夜間禁止条例を破って夜間で歩いた者を収監するための施設だったそうです。(curfew=門限)
その後も罪人や悪人を収監するために代々使われてきたそうですが、現在はアーティストのビル・ドラモンドが所有しているそうです。
アントリム州はアイルランドのド定番の観光地の宝庫です。
アイルランドの政府観光庁あたり出しているアイルランドの紹介本なんかにも絶対にアントリムの観光地がイメージ写真として使われていると思います。
まずはド定番その1
ステレオタイプなアイルランドの観光イメージ写真に絶対に使われるド定番中のド定番です。
アントリム州北東のバリントイ(Ballintoy)にある、キャリック・ア・リード(Carrick-a-Rede)の吊り橋です。
アイルランド唯一の吊り橋らしいです。
橋の長さは約20メートル。海面からの高さは約30メートルだそうです。
お向かいの島はキャリックアリード島といって、サケ漁の時期に漁師が泊まり込むための番屋が建っています。
もともとサケ漁の時期に漁師が島に渡るために期間限定で架けていたそうです。
少し離れたところから見たキャリックアリード島
吊り橋なので揺れるといえば揺れます。高所恐怖症の人にとってはちょっと怖いかも。
下に見えるのがサケ漁の時期に漁師が泊まり込んだ番屋です。
キャリック・ア・リードの吊り橋のすぐ近くにあるバリントイの港。
港といってもすごくひなびた感じのする所です。
この日は宿を早く出たのでキャリック・ア・リードがオープンする1時間も前に着いてしまい、ここの駐車場で時間を潰しました。
暇つぶしにラジオのチューナーをいじっていたら「XMAS FM」なる局があることを発見!当たり前なんですがクリスマスの曲ばっかりが掛かっていました。
アイルランドのFM局だそうです。まさか一年中クリスマスの曲流しているのかな??
アントリムの海岸線。晴れていたらもっと綺麗に見えたのでしょうが、この日はちょっとどんよりとした天気で残念。。
ド定番その2
キャリック・ア・リードの吊り橋の西側の車で約10分ほどのところにあるのが、アイルランドのド定番の観光地の代表格、「ジャイアンツ・コーズウェイ」です。
世界遺産にも登録されています。
アイルランドのド定番中のド定番観光地「ジャイアンツ・コーズウェイ」
ド定番その3
ジャイアンツ・コーズウェイのすぐ近くのブッシュミルズの町にあるのが、ブッシュミルズのウイスキー蒸留所です。
ブッシュミルズの蒸留所は世界最古のウイスキー蒸留所と言われています。
ウイスキーという言葉の語源はアイルランド語が元になっているそうです。
いきなり現れたこれはアイルランドの水道管の蓋です。
この下に水道管があるのですが、それが分かるように「UISCE」と書いてあります。
「uisce」とはアイルランド語の水という意味です。
アイルランド語の発音だと「イシュケ」みたいな発音になのですが、これをローマ字読みすると、
う・い・す・け・ そうこれがウイスキーの語源なのです。
つまりウイスキーとはアイルランド語で「水」という意味だったのでした。
アイルランドに世界最古のウイスキー蒸留所があっても不思議はないのです。
アイルランドでウイスキーといったらただの水なんですから。
というのは冗談で、ウイスキーの語源はラテン語の「aqua vitae」(アクア・ヴェテ=命の水)に由来するそうです。
この言葉がアイルランドに伝わった時に「Uisce beatha」(イシュケ・ベーハー = uisce = 水、beatha = 命)とアイルランド語に訳され、その後「uisce」だけに短縮され、それが訛っていって今の「whiskey」になったそうです。
ブッシュミルズの蒸留所は1608年の創業です。日本だと江戸時代が始まった頃です。
蒸留所併設のカフェ兼レストランに置かれているポットスティル。
上のカフェ兼レストラン(兼バー)では色々のウイスキーを試飲することができます。(有料で)
有料の工場見学に参加すると最後にこのバーで一杯まで試飲することができます。
バーの隣にはショップも併設されています。
ド定番その4
ブッシュミルズとポートラッシュのほぼ中間にあるのがダンルース城です。
ここもアントリム観光のド定番です。
ポートラッシュはアントリムの北部では大きめの町で、鉄道の駅もあるのでここを拠点にキャリック・ア・リードの吊り橋、ジャイアンツ・コーズウェイ、ブッシュミルズの蒸留所、ダンスース城とセットで回るのが定番のコースになっています。
ダンルース城
ド定番その5
アントリムのバリマネー(Ballymoney)にある「ダークヘッジ(Dark Hedges)」も超有名な観光地なのですが、残念ながら私はまだ行ったことがないのです。。
グーグルのイメージ検索で検索をかけるとこんなところです。
ド定番じゃないけどアントリムにある隠れスポット
誰もが行くド定番の観光地ではありませんが、好きな人ならぜひ行きたいアントリムの隠れスポットです。
上で紹介したダークヘッジと同じバリマネーにあります。
私はこっちに行ったおかげで、ダークヘッジを見過ごしてしまったのです。(逆に多くの人はダークヘッジだけ見て、こっちは素通りしてしまうのですが・・)
ジョイ・ダンロップとはバリマネー出身のオートバイのレーサーで、ヨーロッパで最も有名なライダーの一人と言われています。2005年には「歴史上最も偉大なライダーランキング」の5位に選ばれています。
ダンロップの偉大な功績といえば何と言ってもイギリスのマン島で行われている国際的なオートバイ競技「マン島TT」での通算26勝という前代未聞の記録です。
その他地元北アイルランド開催されているアルスターグランプリでも24勝、世界選手権でも5回優勝しています。
そんな数々の偉業を成し遂げたダンロップですが、2000年に出場したエストニアの公道レースにて、雨で濡れた路面で突如バイクのコントロールを失い、路傍の木に激突し悲運の最期を遂げたのでした。
北アイルランドのテレビは葬儀の模様を生中継で伝え、葬儀の参列者は5万人にのぼったそうです。
2001年にダンロップ偉業を称えての故郷のバリマネーに作られたのが、ジョイ・ダンロップ記念庭園です。
ジョイ・ダンロップ庭園にあるダンロップの像
数々の偉業が刻まれています。
北アイルランドはバイクのレースが盛んなところです。
毎年アルスターグランプリという国際的なレースも行われていますが、ローカルなレースも数多く行われています。
それこそ夏の間は毎週のようにどこかでバイクのレースが行われているような気がします。
北アイルランドのバイクのレースは基本的に公道で開催されます。
というか公道でやっているのしか見たことがないような・・
テレビ中継の本数も多く北アイルランドのテレビ局UTV(アルスターテレビ)でよくレースの模様を中継しています。
私は自分自身バイクに乗るのですが、レースにはあまり興味がありません。
以前アイルランドで家をシェアした人が、北アイルランド出身ででバイク好きの人だったのです。
私が日本人*でバイク乗りということもあって、よくバイクの話で盛り上がったものでした。
その彼はレースの中継がある時は、よくテレビの前に釘付けになっていました。
後から分かったことなんですが、アイルランドやイギリスにはスポーツから明日の天気まで、どんなことでも賭け事にしてしまう「ブックメーカー」という「賭け事屋さん」があって、私のシェアメイトはただバイクのレースが見たいだけはなく、賭ける方にも熱中していたようです。
*日本のバイクはアイルランドでも有名です。ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ、 アイルランドでもバイク乗りならみんな知っています。
北アイルランドで発行されているオートバイレースの雑誌。
エメラルド・ロードレーシングとかアイリッシュレーサーといった名前の雑誌ですが、扱っている内容は北アイルランドのレースに限られます。(共和国側ではそれほど盛んではない?)
私のシェアメイトが入り浸っていたブックメーカーというのは、こんな感じのお店のことを言います。(このお店に入り浸っていたのではありません。)
ブックメーカーと言っても本屋さんとか出版社ではないですからね。
賭け事を取り仕切っているお店です。
アイルランドでは基本的どんなことでも賭け事の対象にしてしまいます。
ローカルなハーリングの大会から国際的なスポーツの大会までなんでも賭けられます。
ネイ湖は南北アイルランド通じて最大の湖であると同時に、北アイルランドを含めたイギリス全体で最も大きな湖です。
大きな湖なので、アントリム州以外の州とも接していますが、北部と東部の大部分はアントリム州と接しています。
「アイルランド最大」という言葉に反応して、ぜひ一度ネイ湖のほとりに立ってみようと思い、行ってみたのですが・・
ここはシベリアか、北海道か!?ってほど雪で降っていて・・
ほとんど視界がありません。
アイルランドで雪が降ることは稀です。
降ったとしても基本積もることはありません。
とりあえずネイ湖ほとりに立つという目的は果たしたので、さあ引き上げようとしたら・・
車のタイヤがスリップして動かせません・・
トルクかけようと2速、3速、4速とギアを上げてスタートしても駄目・・
そうこうしている間にもどんどん雪が積もってきます。
助けを呼ぼうにも辺りに家はないし、
警察、消防に電話したとして、人里はるか離れた場所なので自分の居場所を上手く伝えられるかどうか・・
ちなみに下の画像が、後日ストリートビューで見たスタック(stuck)した現場です。微妙に坂になっていて脱出には困難を極めました。
とにかく雪を掻かないことには脱出できないので、なんとか雪を掻く方法はないものかと考えていたら、車の中に登山用品や旅の道具を入れたプラスチック製の収納ボックスがあったのを思い出しました。
収納ボックスの蓋をスコップの代わりにして、ちょうど上の画像で標識が立っているところまでひたすら雪を掻きました。
なんとか道が平坦になるところまで雪を掻いて、再び車を動かしたら今度は無事に動いてくれて・・
なんとか脱出することができたのです。
脱出した後も国道に出るまではハラハラしながら運転しました。
上の画像はスタックした駐車場から続いている田舎道です。
国道に出てもこの有様で、センターラインが見えなくなってしまって走りづらかったです。
アイルランドは滅多に雪が降らない国なので、雪に対しては無防備です。
スタッドレスタイヤなんて売ってないし、タイヤチェーンを持っている人もまず居ません。
雪を掻く習慣がないから雪かき用のスコップなんてないし、そもそも積もった雪をどかそうって概念もないので、雪が降ったら降るに任せるだけです。
翌日以降アイルランド全体がパニックに見舞われるのでした。
下の画像は大雪が降った翌日とその次の日の新聞です。
その後雪が溶けた後に再びネイ湖に行ってみました。
ネイ湖の周りには高台になっているところがほとんどなく眺望に乏しいので、大きさを実感しにくいです。
ネイ湖のほとりで記念撮影。ちなみネイ湖はウナギ漁が盛んなところらしいです。