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ベンブルベン*(Benbulbin)はスライゴの町の北側に位置する高さ526メートルの山です。*ベンバルベンとも
独特の山容が印象的なスライゴを象徴する山です。
ちなみにスライゴの最高峰は「トラスクモア(Truskmore)」という山です。
トラスクモアの登山についてはこちらをご覧になってください。
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ベンブルベンに登ってみたい人は多いと思うのですが、問題は登り方です。
ベンブルベンの90度にそそり立つ岩壁。(南陵)
ベンブルベンの北稜側をほぼ真下から望む。
ロッククライミングの技術があればどこからでも登れるのでしょうが、ロッククライミングの装備や知識がなくても登れないかなと地図を見ていると、何か所か特別な装備無しに登れるところを見つけました。
地図には等高線が引かれています。
線と線の間隔が狭まれば狭まるほど傾斜が増します。
線がぎっしりと引かれ真っ黒に見えるところは、90度の壁ということになります。こういところは普通には登れません。
等高線の間隔が開いているところなら傾斜が緩いので物理的には普通に歩いて登れることになります。
傾斜が緩くても地面の状態によっては歩けない場合もあるので、本当に登れるかどうかは現地に行って見てみないと分かりません。
地図上で表示されているベンブルベンの南側の"切れ込み"のようなところ。
ここからなら登れそうです。
登山開始地点の近くにあった家。
こんな山の中に住んでいた人がいたと思うと驚き。
今でもこの辺は羊や牛の放牧が行われていて、地元の農家の人が通るための道が付いていました。
南側の切れ込みにはこんな風にちゃんとした道が付いています。
90度の崖を横目に登っていきます。
一部ガレ場もありますが、危険な箇所はありません。
斜面の中腹から眺めたグレンカー湖
山の中腹から眺めたスライゴ湾
遠くからみると登れなさそうに見えるところでも、ちゃんと道が付いているんです。地元の農家さんに感謝!
ベンブルベンは所謂テーブルマウンテンですから、斜面を登りきると上は平らになっています。
登り切ったところに羊が居ました。
地元の農家さんは日常的にベンブルベンに登っているようです。
稜線上からベンブルベンの北稜の斜面を眺める。
北側からも登れるところは非常に限られるようです。
ベンブルベンの稜線上の地面は泥炭質の柔らかい部分が多く歩きにくいです。
この辺は地元の農家さんも来ない(というかそもそもこうい所には羊だって来ない)ようで、道もなくなってしまいます。
ヒースの生い茂ったぼこぼこの地面を歩いて頂上を目指します。
ここがベンブルベンの頂上です。山頂には三角点が置かれています。
頂上からはスライゴ湾が一望できます。
対岸のドネゴールのスリーヴリーグも見えました。
スリーヴリーグは海に面した崖としてはヨーロッパ一の高さ誇る断崖です。
ちなみにこの日は普段山を歩くときに持ち歩いている、GPSを車の中に忘れてしまって、歩行記録を取っていません。
画面に表示されている青の矢印のところが歩行開始地点です。
矢印のところに車を停めて歩き始めました。
歩いた距離は、往復で12~14㎞、時間は4時間くらいだと思います。
ベンブルベンを登り終えた後はグレンカー湖に行ってみました。
グレンカー湖はベンブルベンの南側の麓に広がる湖です。
グレンカー滝はグレンカー湖の東の端の方に位置する滝で、ベンブルベンの垂直な崖から水が落ちてくる雄大な滝です。
こちらはグレンカー湖の手前にある滝。とくに名前はないみたいです。
普段はちょろちょろっとしか水が流れていないのですが、この日はグレンカー滝より豪快に水が落ちています。
こちらもグレンカー湖手前の無名滝。本家のグレンカー滝よりも雄大に見えます。
こちらが本家のグレンカー滝。
下はこの日撮ったグレンカー滝と手前の無名の滝の動画です。
ちなみに下は別の日に撮ったグレンカー滝です。
晴れ続きで水量が少ない時はこんな感じに見えます。
個人的にはこのくらいの水量の方が好きです。
グレンカー湖畔から望むベンブルベン山。
グレンカー湖とグレンカーの滝を見た後はドラムクリフにあるW.B.イェーツの墓のある教会へと向かいます。
ベンブルベン山の麓の西側のドラムクリフ(Drumcliff)にはノーベル文学賞を受賞したアイルランド人詩人「W.B. イェーツ」の墓があります。
イェーツの墓があるドラムクリフの教会
これがW.B.イェーツの墓です。
ドラムクリフの教会の敷地から眺めたベンブルベン。
ここから見たベンブルベンが一番と美しいと言われているそうです。
ドラムクリフの教会にはハイクロスとラウンドタワーもあります。
ハイクロスは11世紀のものと言われています。
ラウンドタワーは写真がないのですが、ここのラウンドタワーは根本の方で折れてしまっていて下の部分しか残っていません。
スライゴの町の西側にノックナレア (Knocknarea)という小高い丘があります。
ベンブルベン同様に独特なフォルムが印象的なスライゴを代表するランドマークの一つとなっています。
ノックナレア遠景
ノックナレアの頂上には人の背丈よりも高いケルン(積み石)があります。
ここはケルト神話に登場する女王「メイヴ」の墓と言われています。
立った姿勢で埋葬されていると言われていますが、ちゃんとした発掘調査は一度も行われたことがないそうです。
ちなみにこのケルンの上に登るのは厳禁だそうです。
ノックナレア山頂で記念撮影。
女王メイヴの墓と言われている塚とは別の場所にもケルンがあります。
こっちは登っても大丈夫なようです。
ここまでの道のり
麓から頂上までの距離は1.48㎞、所要時間は25分でした。
ふと見るとパラグライダーで飛んでいる人を発見。
アイルランドの山は木がほとんどなく、いい風を受けられるのでパラグライダーで飛んでいる人をよく見ます。
空の上からの景色も綺麗なんでしょうね。
ノックナレアの麓にはキャロウモア(Carrowmore)という遺跡群が広がっています。
夕方の遅い時間だったのでじっくり見て回れなかったのですが、付近には多数のドルメンやスタンディングストーン(立石)などが点在するようです。
スライゴでは他にも以下のような山に登っています。よかったらご覧になってください。
・トラスクモア (Truskmore) スライゴ州最高峰
・ベンウィスキン(Benwiskin) 山容はベンブルベン以上にインパクト有
・ベンブルベン・マイン ベンブルベンの上にあった鉱山跡を探検します。
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