現在こちらで乗っているのはイギリスの老舗自転車メーカー「ラレー(Raleigh)」の「ロイヤル(Royal)」というツーリング向けの車種です。
ラレーというと日本でもリムで有名なアラヤが取り扱っていますが、アラヤで取り扱うラレーと、本国イギリスのラレーは全く別物のようです。
私自身は特にラレー好きとかではないのですが、こちらで乗る自転車として、
・泥除けと荷台が付いていて
・最低24段以上(ギアの数が)
・ドロップハンドル
・ボトルケージ用の台座付き
・ホイールは前後クイックリリース仕様
・日本円で10万円以下、できれば5万円くらい
という条件で探したところ、唯一該当するのがラレー・ロイヤルだったのです。一番安かった下の画像のサイト(イギリスの自転車屋さん)より£394.99(約55,000円*)で購入しました。*2010年の購入時のレートで
注文してから約1週間で到着。送料は25ポンド(約3,500円)でした。
郵便局(An Post)のお姉さんがシトロエンのバンで届けてくれました。
フィークルの郵便局で使っているシトロエンのバン。これで届けてくれました。
こんな具合に梱包されています。
組み立てるのに必要な工具も付いていましたが、しょぼい工具だったので自分の工具を使いました。(工具は日本から持ってきました)
ラレーのヘッドバッジが付いています。
これが組み立てた「ラレー・ロイヤル」です。
フレームサイズは50cmです。私には丁度良いサイズです。
使われているパーツは値段相応のものです。
クランク&チェーンホイールは「トルバティブ(truvativ)」製。
見るからに安そうな造りをしています。歯数は48-38-28T。クランク長は170mmです。BBは一度も外すことがなかったので未確認ですが多分カートリッジ式だと思います。
後メカは廉価チャリの定番「シマノ・アルタス」。
スプロケは「CS-HG30-8」。歯数は11-13-15-17-20-23-26-30T。
Fメカはシマノ製。シンプルに「トリプル」とだけ書いてあるものが使われています。
リムは「accedo」というメーカーのものが使われています。
聞いたことも見たこともないメーカーです。
ハブはQUANDOというメーカーのもの。一応クイックリリース仕様です。シーリングキャップの造りがとっても安そうに見えます。
ブレーキはテクトロの「Oryx」というカンチブレーキが付いてきました。
ブレーキ&シフトレバーはシマノの無印のもの。
ペダルはウェルゴ製。クリップ&ストラップ装着可能です。
ハンドル&ステムはメーカー不明。ハンドル幅は割と広めな感じで、多分420~440mmくらいだと思います。ちなみにアヘッド式です。
サドルは「Avenir」というメーカーのものが付いています。シートポストは廉価チャリの定番「KALIN」製。
シートステイのところに微妙な曲げ加工?が施されています。
「HAND BUILT TOURING FRAME (手作りのツーリングフレーム)」と「手造り」を謳ったデカールが貼ってあります。
ちなみにタイヤはKENDAの700x38cのものが付いていました。バルブは米式です。
フレームはクロモリパイプを使っています。4130は何の番号か分かりませんが、「TOURING SPECIFIC(ツーリング用)」とのことです。
Fフォークにはサイドバッグを付ける時のキャリア(バッグサポーター)を取り付けるための台座があります。
自転車に詳しい方でしたらお分かりいただけると思いますが、そんなにいい自転車ではありません。「そんなに」というよりもかなり「しょぼい」部類に入ってしまうような自転車です。
といっても値段が値段なのであまり贅沢は言えません。色々とパーツを交換して、、なんてことも考えたのですが、期間限定の滞在だし、帰国するときは置いていくつもりなので、あまりお金を掛けてもしょうがないので、この状態で乗っていこうと思っています。
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唯一手を加えたところといえば、ペダルにクリップ&ストラップを取り付けたのと、ブレーキ本体を取り換えたくらいでしょうか。
後から付けたクリップ&ストラップ。
ブレーキは最初に付いてきたテクトロのブレーキの鳴きがひどいのと、効きがいまいちだったので、「TRP」というメーカーの「EUROX」というブレーキに交換しました。EUROXはシクロクロスでよく使われるものらしいです。結構いい値段しましたが、調整がしやすくて、効きもばっちりでした。帰国する際に再度オリジナルのテクトロと交換して、こちらは日本に持って帰りました。
買ったときに付いてきたKENDAのタイヤはごつごつした感じの乗り心地だったので、ビットリアのランドナープロというタイヤに交換しました。
普段乗る時はこんな感じでバッグを取り付けて走っています。バッグは全てトピーク製です。ついでにポンプもトピーク製です。ガーミンのGPSをナビ替わりに付けています。暗い時間に走ることは滅多になにのですが、一応バッテリーライトも取り付けてあります。
この自転車はダウンチューブの裏にもボトルケージを取り付ける台座が付いています。長距離を走る時はダブルボトル+ダウンチューブ裏にポンプを取り付けています。
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ラレー・メトロは家にあるもう一台の自転車です。
持ち主はアイルロッジの同居人さんです。
私とほぼ同時期に購入。ラレー・ロイヤルと同じようにフィークルの郵便局のお姉さんがシトロエンのベルランゴ(Berlingo)で持って来てくれました。
8割方組みあがった状態で梱包されていました。
完成するとこうなります。ママチャリのような感じの自転車です。
ラレーのバッジ
アルミフレームです。
SRサンツアーのクランクセットが付いてきました。もちろん昔の前田工業時代のサンツアーとは全然異なるものです。
購入価格は日本円で35,000円くらいとあって、大したパーツは使われていませんが、日常的に使う分には十分な自転車です。
帰国する際に私のラレー・ロイヤルは知人のイタリア人に売っていったのですが、ラレー・メトロの方は日本に帰っても使うとのことで日本に送ることになりました。
車内に微妙に収まりきらなかったので、こんな風に車の屋根に載せて郵便局へ持っていきました。
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ラレー・メトロを組み立てた後、フィークルの村まで走ってみました。
下はその時に撮った動画です。
アイルランドの郵便局で使っている配達用の自転車です。
大きな前かごが特徴です。
ハブはスターメーアーチャー*製です。内装ギア付きです。
*イギリスの自転車部品メーカー。特に内装ギア付きのハブに定評がある。
イギリスの国民車?とも言えるラレーのロードスターにはスターメーアーチャーのハブが使われているのがお決まりだったそうです。
シングルギアですがテンショナー付きです。
なぜかシフトレバーはシマノ製
クラシックなラレーです。ブレーキはロッドブレーキで、後ブレーキはチェーンステー下に付いています。日本の同タイプの自転車だと後はドラムブレーキのことが多いですが、こちらで見かけるものは後もキャリパーブレーキのことが多いです。クランクはコッタード式です。
こちらもクラシカルなラレーですが、Fフォークが残念なことに・・。ブレーキはロッド式ではなく普通のワイヤーで引くタイプです。前後ともキャリパーブレーキです。
ラレーのロゴのアップ。ポンプはゼファール製です。割と最近のものみたいです。
これはリムリックの町中の自転車屋さんです。「Siopa Rothar teo」はアイルランド語で「自転車」という意味です。
ショーウインドウにクラシカルなラレーが飾られていました。
ラレーではありませんが、クラシカルなロードスター型の自転車です。「HAMILTON」というメーカーのようです。
リムリック市内の公園で開催された自転車イベントで見かけたお爺ちゃんが乗っていた古ーい自転車。前ライトはオイルランプだそうです。
クラシカルなロードスター型自転車を並べたウェストミーズ州のパブ。
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アイルランドで電動アシスト自転車を見かけることは滅多にありません。所謂「電動自転車」の類の自転車を見かけることもありますが、ナンバープレートを付けていないので、アイルランドでは免許無しでも乗れてしまうのかもしれません。
ディングルで見かけた電動バイクです。
SAKURAというメーカー名ですが、日本のメーカーではないようです。
ウインカー付きです。日本では電動バイク扱いになるのでしょうが、アイルランドではどうなんでしょう?
これは明らかに電動バイクですが、ナンバープレートは付いていませんでした。(取り付けられるようにはなっています。)
これは電動ではなく、リアルなエンジン付きのモペッドです。エンジンが前タイヤの上にあって、前輪駆動で進むようです。
ダブリンの自転車屋さんの軒先に置かれていた「電アシ」です。これは日本で見るのとほぼ同じような構造の電動アシスト車です。
上と同じ自転車屋さんに置いてあったイギリスのパシュレイのクラシカルテイストな自転車。
私のラレー・ロイヤルの倍の値段でした・・アイルランドでこの手の自転車はけっこう高いです。
こちらはリムリックの自転車屋さんに置いてあったイギリスの「DAWES」というメーカーの日本のママチャリ風の自転車。外装7段変速で、ブレーキが前後ともVブレーキというのが特徴です。パシュレイほど高くはなかったですが、日本のママチャリと比べるとはるかに高かったです。
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プジョーのミキスト車です。フロントシングル、リヤや5段か6段くらいでしょうか?クランクがコッタード式なので、超年季入っているものと思われます。
LeJeuneというフランスのメーカーのミキスト車。こちらもかなり年期が入っているようです。こちらではミキスト車でもドロップハンドル仕様というのが多いです。
フランスのモトベカンの自転車。バイクのメーカーとしても有名です。
こちらもバイクのメーカーとして有名なイギリスのトライアンフの自転車。造りからして超年季が入っているはずなんですが、すごく綺麗な状態が保たれています。アイルランドでは超年季の入った自転車が普通に走っているのをよく見かけます。
アイルランドにもメッセンジャーが居ます。以前メッセンジャーの世界大会がアイルランドで開催されたことがあったそうです。
マラソン大会で自転車に乗って伴走するアイルランドの女性警察官。アイルランドでは警察のことを「GARDA(ガーダ or ガルダ)」と呼びます。アイルランドの警察ではマウンテンバイクを使っています。なかなか車両だけを撮れる機会がありません・・
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残念ながらアイルランドに競輪場はありません。。でも自転車競技場ならダブリンにあります。
これがアイルランドで唯一の自転車競技場、「サンドライブ自転車競技場(Sundrive Velodrome)」です。周長は欧州の自転車競技場にしては珍しく500メートルもあります*。(*普通は250m) 周長500mの自転車競技場といったら日本の競輪場くらいしかないのではと思っていたら、遠くアイルランドにもあってちょっとびっくり。普通の自転車競技場といえばカーブのところに傾斜がついていて、すり鉢状になっているのがほとんどですが、この競技場はバンク角がほとんどありません。
アイルランドらしく(?)随所にPotholeがあるのが特徴です。ってこれでは公認のレースはできないのではと思うのですが、アイルランドの選手は普段の練習や大会はどうしているのでしょうか・・
普段この競技場で練習しているかどうかは分かりませんが、アイルランドにも自転車競技のトラック競技の世界選手権で優勝した選手がいます。
北アイルランドのダウン州*出身のマーティン・アーバイン選手は2013年の自転車競技世界選手権のトラック競技種目「スクラッチ」でアイルランドに初めての金メダルをもたらしました。同選手は同大会の個人追い抜きでも銀メダルを獲得しています。*北アイルランドの選手は本人の希望によりイギリスの選手になることもアイルランドの選手になることもできます。
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世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」がアイルランドの首都ダブリンからスタートしたことがあります。
上は1998年のツール・ド・フランスの公式ガイドブックです。
この年のツール・ド・フランスはアイルランドのダブリンからスタートしました。
この年のツール・ド・フランスは最初の3日間のステージをアイルランドで行い4日目から舞台をフランスに移すプロローグ+21ステージの全行程3,877 kmで行われました。
何を隠そう私がアイルランドに初めて来たきっかけが実はこのレースだったのです。その当時は音楽には全然興味がなく、まさかその後アイルランドの音楽を弾くようになるとは夢にも思っていませんでした。
アイルランドで行われたツール・ド・フランスがどんなレースだったのか、よかったらこちらのページもご覧になってみてください。
・アイルランドでツール・ド・フランス - Tour de France in Ireland
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