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アイルランドのクリスマスは、他のヨーロッパの国々も同じようなのでは思うのですが、日本よりもずっと「おとなしめ?」だと思います。
クリスマスイヴの夕方になると大概のお店は閉じてしまいます。
田舎だと25、26日とお休みしてしまうお店が多いので、クリスマスイヴの昼のうちに食料の買い出しに行っておかないと、25、26と食べるものがなくてひもじい思いをします。
特に25日のクリスマスは大型のスーパーやデパート、ガソリンスタンド、ホテル、公共交通機関至るまで全てお休みになってしまいます。
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地元のスーパーのクリスマスの時期の営業時間の案内。
23日は朝8時から夜10時までやっていますが、24日のクリスマスイヴの日は夕方5時で営業終了、翌25日のクリスマスの日と26日はお休みになってしまいます。
アイルランドではクリスマスというと家族と過ごすのが一般的で、日本のようなお祭りムードな行事ではありません。
ただクリスマス前の一か月間くらいの間は、この時期ならではの楽しいイベントが色々と催されます。
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Christmas Market in Belfast
世間がクリスマス前のショッピングシーズンの頃賑わっている頃、私は山登りに北アイルランドのダウン州に来ていました。
登った山はスリーヴ・ドナードという北アイルランドで一番高い山でした。
山登りの話はこちらでご覧いただけます。
山登りの後クリスマス前のショッピングで賑わう北アイルランドの首都のベルファストへと足を伸ばしてみました。
ベルファスト市庁舎のクリスマス・マーケット。
クリスマスの時期のベルファストの名物になっています。
普段なかなか口にすることのない動物のお肉を売っているお店。
クリスマスの飾りつけ用品を売っているお店、
などなど色々なお店がありました。
デリーに着く前に立ち寄ったアントリム州のバリントイハーバー(Ballintoy Harbour)で、カーラジオのチューナーをいじっていたら偶然「XMAS FM」なら局があるのを発見。
名前の通りクリスマスの曲ばっかり掛けている局です。
2008年にダブリンで開局した放送局で毎年11月26日から12月26日までの期間限定で放送しているそうです。
デリー市内の大型ショッピングセンター「フォイルサイド・ショッピングセンター(Folyeside Shopping Centre)」でクリスマス・キャロルを歌う子供たち。この時期によく見る光景です。
ちなみ「デリー」は「ロンドンデリー」と表記されることもあります。
北アイルランドには「プロテスタント系の住人」と「カトリック系の住人」が居ます。
基本的にプロテスタント系の住人は北アイルランドはイギリスの一部だと主張する「ユニオニスト」であることが多く、カトリックは北アイルランドはアイルランドの一部であると主張する「ナショナリスト」であることが多いです。
通常ユニオニストはデリーのことを「ロンドンデリー」と呼び、ナショナリストは「デリー」と呼びます。
「ロンドンデリー」の方が公式の町の名前らしいですが、実際のところは「デリー」も「ロンドンデリー」もどちらも正式な町の名前として認識されているようです。
それを証明するかのごとくデリーの郵便局に下の写真のようなクリスマスカードが置いてありました。
同じデザインで"デリー・バージョン"と"ロンドンデリー・バージョン"!
こちらは「Greetings from Derry (デリーよりクリスマスのご挨拶)」と書かれていますが、
全く同じデザインのカードなのに、こっちは「Greetings from Londonderry(ロンドンデリーよりクリスマスのご挨拶)」と書いてあります。
きっとデリー・バージョンしかなかったらプロテスタント系住人から苦情が来るだろうし、ロンドンデリー・バージョンしかなかったらカトリック系住人から苦情が来るので、どっちも作ってあるんでしょうね。
なんて面倒くさい所なんでしょう・・
私はアイルランド人でも北アイルランドの住人でもないのですが、アイルランド共和国に住んでいるだけに、心情的には「デリー」と呼びたい派ですが、個人的にクリスマスカードはデリーでもロンドンデリーでもなく、下のようなカードの方が好きかな?
ファーマナ州のケッシュという町の郵便局にあったクリスマスカード。
ファーマナのケッシュがあの「ケッシュ・ジグ*」と関係があるのかどうかは分かりませんが、アイルランド音楽好きに送ったら喜びそうかなと思って何枚か買ってみました。
*アイルランド音楽でよく弾かれている曲。
クリスマスカードといえば、アイルランドで売られているクリスマスカードにはよくロビンという鳥が描かれています。
クリスマスカードに限らず、クリスマスの飾りつけにもロビンが付き物です。
ロビンとクリスマスにどういう関係があるのか分かりませんが、ロビンは冬のアイルランドでよく見る鳥です。
冬のアイルランドでよく見かけるロビン。
ロビンはとてもバラエティーに富んだ鳴き声の持ち主です。
上はフィークルの家の近くで録ったロビンの鳴き声です。
クリスマスカードの話の続きで、これはアイルランド語で書かれたクリスマスカードです。多分メリークリスマスとかハッピークリスマスとかそんなことが書いてあるんだと思いますが、読み方は不明です・・
日本でも蒸気機関車が走っている地域がありますが、アイルランドにも今でも蒸気機関車を走らせている鉄道路線があります。
アイルランドで蒸気機関車を走らせている所には、観光客向けの専用路線と通常の鉄道路線があります。
通常の鉄道路線とはダブリンとベルファストを結ぶ路線とか、ダブリンとコークを結ぶ路線といった路線のことです。
観光客向けの専用路線は、廃線跡などを利用してごく短い区間を走らせる観光船用路線です。
アイルランドでは年に数回、通常の鉄道路線の上を蒸気機関車が走ることがあります。
たいていイースト時期と、夏休みの時期と、ハロウィーンの時期とクリスマスの時期のことが多いです。
「アイルランド鉄道保存協会(Railway Preservation Society of Ireland)」という協会が通常の鉄道路線の上で蒸気機関車を運行を担当しています。
たまたまテレビのニュース番組でアイルランドでも蒸気機関車が運行されていることを知り、次回の運行予定を調べてみたら12月半ばにダブリンとキルデアのメイヌース(Maynooth)の間でクリスマススペシャルの蒸気機関車が運行されるということだったので、見に行ってみることにしました。
もちろん蒸気機関車に乗ることも可能ですが、9月くらいの段階で12月の蒸気機関車の乗車チケットが全部売り切れていました・・・
蒸気機関車が停車するキルデアのメイヌース駅。
前に見えているのは線路でもなければ道路でもありません。
凍り付いたロイヤル運河です。
この年のアイルランドでは数十年に一回あるかないかの大寒波が来て、大雪が降ったりと大変な年でした。
私もメイヌースに来る前にアイルランド最大の湖ネイ湖のほとりでハプニングがありまして、大変な思いをしながらここにたどり着いたのでした。
そのハプニングの模様はこちらにてご覧いただけます。
凍てつく寒さの中蒸気機関車が来るのを待ちます。
前々日に大雪が降ったので、本当に運行されるのか心配でしたが、駅員さんに聞いたら「今ダブリンを出発」したというので、ひとまずホッとしたのですが・・
待つこと数時間、ふと耳を澄ませると遠くから汽笛の音が聞こえてきます。
紛れもなく蒸気機関車の汽笛の音です。
音からしてC型だ!
私は地元が埼玉の秩父鉄道*の路線の近くなので、蒸気機関の音はよく知っているのです。
だんだん興奮状態が高まり、カメラを握る手も自然と汗をかいていました。
しかしその直後に目にしたのは・・・
*埼玉のど田舎を走るローカル線秩父鉄道では通年で蒸気機関車を運行しています。
アレ!? 蒸気機関車の前についているアレはいったいなんだ!?
!!!
これを見た瞬間、寒気を覚えました・・
サンタが、しかもゆるーーい顔したのがSLの前面を覆っています。
かっこいいSLの顔が台無しだよ~。
クリスマススペシャル号ってこういうことだったんですか。。。
うーん、子供はこういう方が喜ぶのかもしれませんが、私的には非常にがっかりしました・・
気を取り直して、駅に停車している蒸気機関車を見学します。
蒸気機関車はしばらくメイヌース駅で停車した後、ダブリンへ戻ります。
アイルランド蒸気機関車「クリスマススペシャル号」の車輪
蒸気を吐き出すクリスマススペシャル号
蒸気に包まれるクリスマススペシャル号
コイツ(サンタ)さえなければ完璧だったのに・・
引っ剥がしてやりたくって腕がムズムズしてしまいました・・
ダブリンに戻る時は反転するので、今度はサンタは見えません。
その代わりSL自体もお尻を前に向けているので、壮観さに欠けます。
ちらつく雪の中を走る蒸気機関車が撮れたので、絵的にはちょっと満足しました。
「汽車に乗って」という古い歌があります。
歌詞に「日が照りながら雨の降るアイルランド」という部分があるのですが、こちらは「日が照りながら雪の降る」アイルランドの田舎の光景です。
クリスマススペシャル号の動画です。
蒸気機関車を見学して後、フィークルへの帰り道が心配でした。
すでに大雪が降ってから2日経っていて、大概のメジャーな道路には塩が撒かれたそうで、とりあえず走行可能とのこと。
私の住むフィークル周辺はメジャーじゃない道が多いので、無事に通れるかどうか心配でした。
キルデアからリムリック*に向かい、リムリックからフィークルに戻る途中にある「ドゥーン・ロック(Doon Lough)」という湖を見てみたら、湖一面が凍り付いていました。
*アイルランド第3の都市。私の住むクレア州のお隣のリムリック州の州都。
筋(?)みたいなのは何なんでしょう?誰か車で走った?
せっかく(?)なので湖の上を歩いてみました。アイルランドで凍った湖の上を歩くなんて一生に一度あるかないかの貴重な体験です。
リムリックからフィークルの家に戻る時に通る「ボグ・ロード(bog road)」。案の定この道は塩が撒かれていませんでした。
ほとんど起伏のない直線的な道なので、ゆっくり走ってなんとか家に戻りました。
日本でも家の外にもクリスマスの飾りつけをしているお家を見かけるようになりましたが、アイルランドの田舎のお家のクリスマスの飾りつけはすごいです。
家の屋根や壁、庭のいたるところに飾りつけがしてあって夜になると煌々としたイルミネーションが灯され、普段の田舎の夜とは別世界の光景を見ることができます。
こんな飾りつけをした家を多くみます。
飾りつけるのも後片付けも大変そうです。
アイルランドの田舎のお家のクリスマス・イルミネーション動画編です。
普段あまり町に出ないので、アイルランドの町のイルミネーションはほとんど見たことがありません。
唯一見たことがあるのがクレアのお隣のリムリックのイルミネーションです。
リムリック市内のパトリック通りのイルミネーションです。
前を走り去っていく車のライトの"軌跡"が写ってしまいました。
ビルの建設現場もクリスマスの飾りつけがしてあります。
リムリックといえばクリスマスの時期にオープンする特設スケートリンクがあります。
市内のど真ん中のアーサーズ・キー公園(Arthur Quay Park)に設けられた特設テントにリンクが作られます。
期間は12月15日から1月9日までと、クリスマスの時期だけの期間限定のスケートリンクです。
スケートリンクの中の様子。
ここは行ってお金を払えばいつでも滑れるという訳ではなく、一回に入場できる人数を制限しているので、事前に予約しておかないと入れないのです。
1回に滑れる時間は1時間だけです。
一回は行ってみようと思いつつ、ついぞ行くことがありませんでした。。
アイルランドにもクレーンゲームがあります。アイルランドのクレーンゲームはショッピングセンターとかファーストフード店の一角に置いてあることが多いです。
日本のゲームセンターに相当する娯楽施設にも置いてあります。
エニスのショッピングショッピングセンターに置いてあるクレーンゲーム。
もともとは違う縫いぐるみが入っていたような気がしますが、クリスマスシーズンに入ってからサンタとトナカイに変わりました。
アイルランドのクレーンゲームはこの縫い包みを取ることが目的ではないのです。
アイルランドのクレーンゲームは縫い包み+現金がゲットできるのです。
クレーンゲーム以外のゲーム機でも現金をゲットできるものがあります。
アイルランドのクリスマス当日(12月25日)は何もやっていません。
お店もガソリンスタンドも公共交通機関も全てお休みしてしまいます。
大抵のアイルランド人のご家庭は家族や親戚が集まって過ごすようです。
日本のお正月のような感じでしょうか。
私がアイルランドのフィークルに住んでいた時のクリスマスは、住んでいた家の大家さんは奥さんの実家のあるキャバンに行ってしまって誰もいなくなってしまいました。
クリスマス中私がどこにも行かないということ知ってか、大家さんから留守中の犬の世話を頼まれたので、クリスマス期間中は犬と一緒に過ごしました・・
餌の時間になると飛んでやってくる大家さんの飼い犬のバーニーBarney(左)とロージー(Rosie)。
餌は大家さんの家(左奥にちらっと見えているお家)にあるので、大家さんの家に餌を取りにいきます。
誰も居ないと大家さんの家の中をちょこっと見学させてもらいます。(留守番を頼まれているのだし、鍵も渡されていたのでちょこっとくらいならOKでしょう。)
クリスマスカードがずらーっとぶら下がっています。
もらったクリスマスカードってこうやって飾るのかと、ちょっとした発見でした。
大家さんの子供たちが書いた、サンタへの手紙が入った靴下(にしてはでかすぎ)も掛かっていました。
日本でも「メリークリスマス!」と言いながらクラッカーを鳴らすことがあると思いますが、アイルランドでもクリスマスの時期になるとお店にクリスマスクラッカーが並ぶようになります。
テスコ*で買ってきたテスコオリジナルのクラッカーです。
*イギリスのスーパーマーケット。アイルランドにも多くの支店を出しています。
こちらで売られているクラッカーは、日本でよく見るクラッカーとは使い方が少しことなります。
クラッカーを引っ張るところが両端に付いているのです。
クラッカーを引っ張るときは、自分と向かい合って座って人と一緒に引っ張ります。
私がここに住む以前にアイルランドに住んでいた時はアイルランド人の家族と一緒にクリスマスを過ごしたのですが、その時はクリスマスのディナーの時に家族一同がテーブルに座って、向かい合った人と互いにクラッカーを端を持って、皆一斉に「ハッピー・クリスマス!」と言いながらクラッカーを鳴らしました。
引っ張るとパーンと鳴って、どちらかの手元の方にクラッカーの筒が残るようになっています。
そして、このクラッカーは鳴らしておしまいではないのです。
鳴らしたクラッカーの筒の中には、色々なものが入っています。
クラッカーの中身はクラッカーを引っ張った際に筒が手元に残った人が貰うということになっています。
クラッカーの中から出てきたものたちです。トランプだとかヨーヨーなんてものも入っていました。
クラッカーの中にはクイズとか格言みたいなものもよく入っています。
「格言みたいのもの」とは」日本のおみくじみたいな感じでしょうか。
上の画像はクラッカーの中から出てきたクイズです。
「もしワニ革から靴を作るとしたら、バナナの皮からは何が作れますか?」と聞いていますが、分かりますか?
答えはスリッパでした。
これはかなりくだらない。
「ミニマムの言葉の意味は何ですか?」と聞いています
答えは「とても小さなお母さん」だそうです。(minimum = ミニマム = mini mum = 小さいお母さん)
あんまりひねりが利いていないですが、小さい子供が居たりするとこのくらいのレベルの方がいいのかもしれません。
味の好みは人それぞれだと思いますが、個人的にアイルランドの一般の家庭で食べているクリスマスディナーを心底美味しいと思える日本人はそんなに多くないんじゃないかな~なんて、以前にアイルランド人のお宅のクリスマスディナーに呼んでもらって時にそう思ったものです。
クリスマスといえばターキー(七面鳥)ですが、けっこうパサパサした食感で、正直なところどこか美味しい?とかって思ってしまったりします。
味付けが塩と胡椒だけとかシンプルなので、日本人などには何を食べても同じように味に感じてしまうのも、アイルランドの料理の特徴でしょうか。
何を食べても同じ味に感じるといえば、
アイルランドのクリスマスケーキです。
アイルランドのケーキは何を食べても同じ味に感じます。
基本ただ甘いだけ。
稀に美味しいケーキもあるんですけどね。
ダブリンとか大きな町に行くと色々なケーキ屋さんがあるのかもしれませんが、田舎では選択肢が少ないので、どれを食べても同じ味がします。
クリスマスの定番「ミンスパイ」です。
超甘ったるーい味のするお菓子です。
mince(ミンス)って日本語ではミンチっていうのですが、中に入っているのはお肉ではなくミンチ状になったドライフルーツが入っています。
ミンスパイの中に詰めるミンスミートです。こんな風に瓶詰めになって売られています。お肉でないのにミート(meat)というのは、昔はお肉を詰めていたそうで、その名残りだそうです。
正直なところこれもただ甘いだけで、どこが美味しいのかなと思ってしまうのですが、ただすっごーい甘いのと、けっこう腹持ちがいいので、登山の時の補給食としてなら使えます。
ものすごい疲れている時にすっごい甘いものを食べたくなった時とかは、下手にチョコレートバーみたいのを食べるよりかは、こっちの方が腹持ちもいいです。
これもクリスマスの定番のクリスマスプディングです。
プディング(pudding)は日本でいうところの「プリン」のことなのですが、日本で知られている「プリン」とは味も食感も全然違います。
要はケーキの一種なのですが、超濃厚な味が特徴です。
先ほどのミンスミートも入っていることが多いです。
これはテスコで売っていた市販品で、スタウトビールとウィスキーが混ざっています。ものによっては牛の血だったか何だったか、動物の血が混ざっているクリスマスプディングもあるそうです。
味はとにかくただ甘いだけです。
個人的には温めるとけっこうイケると思いました。
高カロリーになりますが、温めたプディングの上に冷たいバニラアイスを載せると絶妙な味になります。
テスコで売ってたクリスマスのシーズンスペシャル?の超巨大なハム。
けっこうな値段がしますが、値段よりも重さの方がすごい。8.2kgもあります。
普通のスライスしてあるハムと比べるとこんなに大きさが違います。
どんな人が買うんだろう?
個人的にクリスマスディナーはこれだけあれば十分です。
私のお気に入りのテイトーのチーズ&オニオン味です。
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