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Sawel Mountain Co.Derry/Tyrone 678m
[オマーの町、ロンドンデリーの町、ボグサイド地区 etc]
サウェル山(Sawel Mountain)は北アイルランドのデリー州*とティロン州*に跨る山で、両州の最高峰となっています。
*ロンドンデリーとも。
*現地の人の発音だと"タイローン"に近い感じに聞こえます。
高さは678メートルで、北アイルランド最高峰のスリーヴ・ドナードを有するモーン山脈外の山としては最高峰になります。
この山の最寄の町はデリー州の「Strabane(ストラベーン)」というところになります。他にはティロン州のOmagh(オマー)やティロン州のCookstown(クックスタウン)からもアクセスできます。
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登り方は色々とあると思いますが、下の地図の青いい線のルートが山頂への最短ルートだと思います。
上の地図のスタート地点の所に車を置くスペースがあります。
路肩に停めるだけなのですが、ほとんど車の通らない田舎道なので山に登っている間くらいなら停めっ放しにしても大丈夫だと思います。
山の中に道らしい道はありませんが、ティロン州とデリー州の県境線上に鉄条網が張られているので、鉄条網に沿って歩きます。
中腹付近からの眺め。
登っている途中に沢山の綿花が生えている所がありました。
山頂に到着。山頂には三角点が置かれています。
ここまでの道のり
ここまでの距離は2.5㎞、所要時間は51分でした。
サウェル山のすぐ隣にはダート山(Dart Mountain)という山があります。
すぐ隣なのでついでに寄ってみました。
ダート山の山頂。こちらの山頂にはケルンが置かれています。
ダート山の山頂にはなぜかフランシス・ヒューズ(Francis Hughes)の写真がありました。
どうやら私がここに登るちょっと前に何かのイベントがあったようです。
フランシス・ヒューズは1981年に起こった北アイルランドのリパブリカンの囚人によるハンガーストライキの参加者の一人で、ハンガーストライキで亡くなった10人のうちの一人です。
この山に登った2011年はハンガーストライキから30周年ということで色々な関連行事が行われていました。
ダート山山頂から眺めたサウェル山
こちらはサウェル山の山頂からの眺め。
同じくサウェル山の山頂から眺め。
サウェル山への登山開始地点から東側へ少し行ったところにあるカウンティーロック(County Rock)と呼ばれている大きな石。
地図にも載っているのでどんな岩かな?と見に行ってみたのですが、特別変わったところのない普通の大きな石でした。
奥に見えるのがサウェル山です。
サウェル山の最寄り町のひとつ「オマー(Omagh)」はティロン州の州都です。
この町では1998年にリアルIRAによる爆破事件があり多くの犠牲者が出ました。
その頃から比べると随分と活気を取り戻したようです。
オマーのメインストリートにあるスーパーマーケット「スーパーバリュー」。
スーパーバリューはアイルランド共和国に本部(コーク州で創業)を置くスーパーマーケットです。北アイルランドも含めアイルランド中に出店しています。
オマーの町中にあったニュースエージェント「ゲーリックライフ」。
他人事ながらこういうお店の名前を見ると色々なことを考えてしまうのですが・・
毎週木曜日と日曜日にセッションをやっている「マッキャンズ」というパブを発見。
残念ながら予定が合わずセッションには行けませんでした・・
デリー州の州都は「デリー」の町です。
「デリー」は「ロンドンデリー」と呼れることもあります。
デリーの町の中心部への入り口。デリーの町の中心部は城壁に囲まれています。
ここは「血の日曜日事件」の舞台となったボグサイド地区への入り口
ボグサイド地区には北アイルランド紛争で犠牲になった人々や、平和をテーマにした絵が住宅の壁に描かれています。
上の絵はイギリスの兵隊によって射殺された14歳の女の子の絵。
デリーは北アイルランド(イギリス)の町なのですが、この地区は「アイルランド」であることを主張しています。
電柱がアイルランド共和国の国旗のカラーに塗られています。(厳密にはここはイギリス)
血の日曜日事件で犠牲になった人々が描かれた壁画
平和のために尽力を注いだ人物が描かれた壁画。
右上からキング牧師、ネルソン・マンデラ、マザー・テレサ、そしてジョン・ヒューム。
ジョン・ヒューム(John Hume)はデリー出身の北アイルランドの政治家で、北アイルランド和平のために多大な貢献を果たした人物として有名です。1998年にはのノーベル平和賞を受賞しています。
ボグサイド地区にあるフリーデリーミュージアムでは北アイルランド紛争や当地で起こった血の日曜日事件、平和に向けてのプロセスについて色々と知ることができます。
火炎瓶を持った少年。対立が激しかった時代は子供も戦いに巻き込まれていたのでした。
血の日曜日事件の翌日の新聞の1面記事
UVF*関係者から血の日曜日事件の犠牲者の家族へ届いた手紙。
IRAのことを「Irish Rats Association (アイルランドねずみ連合)」と呼んでみたり、言いたい放題言いまくってます。
*UVFとはUlster Volunteer Forceの略で、日本ではアルスター義勇軍と呼ばれています。IRAが北アイルランドはアイルランドであるということを主張しているのに対し、UVFは北アイルランドはイギリスであるということを主張しているプロテスタント側の義勇軍。つまりIRAのライバルです。
デリーの城壁の上から眺めたボグサイド地区
こちらはデリーのプロテスタントの居住区
当然こちらの主張はこうなるわけです。
ハンバーガーも自己主張しています。(デリーのレストランのメニューに載っていた写真です。)
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デリーの郵便局で売られていたクリスマスカードです。
こちらは「Greetings from Derry」と書かれているの対し、
全く同じデザインでこちらは「Greetings from Londonderry*」と書いてあります。
こういうところに事の根深さを感じます。
*プロテスタント、ユニオネストなど「北アイルランドはイギリス」と主張する人は「ロンドンデリー」と呼び、カトリック、ナショナリストなど「北アイルランドはアイルランド」と主張する人は「デリー」と呼ぶ傾向にあるようです。
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デリーの町中にあるモニュメント「
とデリーのチャイニーズテイクアウト店も応援しているはず!?
デリー郊外にあった中国料理のテイクアウト店。
ナイスな店名。
デリーのランドマークの一つクレイガボン橋(Craigavon Bridge)。
ヨーロッパでも数少ない「ダブルデッカー(double-decker)」式の橋です。
こちらもデリーのランドマークの一つ「フォイル橋(Foyle Bridge)」。
全長866メートルで南北通じてアイルランドで一番長い橋です。
デリーに向かう途中で見かけた「クーリーズ」というレストラン。
アイルランド音楽好きには嬉しい店名ですが、現在は潰れてしまって営業していません。