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Cycling along the East Clare Way: Section 5B - Whitegate to Mountshannon
イースト・クレア・ウェイの5番目のセクションはフラッグマウントからマウントシャノンへと至る約43kmのルートです。
このページでは後半ホワイトゲートからマウントシャノンまでの道のりを紹介します。
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ホワイトゲートを離れマウントシャノンへと向かいます。マウントシャノンに向かうにはいったん元来た道を引き返し、マウントシャノンとホワイトゲートの分かれ道まで戻ります。
マウントシャノンとホワイトゲートの分かれ道の近くにあった、入り口に白い門のあるお家。まさにホワイトゲートのホワイトゲートです。
白い門の奥には石造りのバラック(?)のような、簡素な建物が建っています。人が住むための建物なのか、農地の中の一時しのぎ用の小屋なのか分かりませんが、アイルランドにも色々な建物があるんだなぁとちょっとした発見でした。
上のバラック(?)の近くに放置されていた年期の入ったミルク缶とリヤカー
ここからしばし森の中を進みます。自転車は担ぎ必至です。
森を抜けるといきなり馬が現れました!野良馬!?
周りに何もないでこぼこの砂利道沿いに一軒の家がありました。
アイルランドでは珍しい木造のお家です。この辺りは電気が通っていないので、電気は自家発電で賄っているっぽいです。アイルランドの田舎では電気を引かずに自力でまかなっているお家は珍しくはありません。
馬に遭遇ししたかと思えば今度は山羊に遭遇。この山羊が飼い山羊か野良山羊かは分かりませんが、かアイルランドには野良山羊がけっこう居ます。feral goatsといってウィックローの山の中やコネマラの山には多く生息しているそうです。
第5セクションのゴール、マウントシャノンに到着しました。
マウントシャノンは日本人の間でお馴染み(!?)の「可愛い村コンテスト」なるコンテストで優勝したことのある村です。「可愛い村コンテスト」というのは"地球の歩き方"のアイルランド編で紹介されているコンテストなのですが、実はアイルランドに「可愛い村コンテスト」なるコンテストは存在しません。その代わり「可愛い村(tiny village)」ではなく「小奇麗な町(tidy town)」コンテストならあります。地球の歩き方で紹介されているリムリックのアデアは1976年の「小奇麗な町」コンテストで優勝しています。このマウントシャノンは1981年の同コンテストで優勝しているので、地球の歩き方でもぜひ紹介するべきだと思うのですが・・(小奇麗な町コンテストは毎年やっているので、これまで色々な町が優勝しているのですが、地球の歩き方にはアデア以外の町の名前は出てきません。)
マウントシャノンのメインストリート。マウントシャノンはアイルランドで2番目に大きな湖「ダーグ湖」に面した町で、東クレアにある町や村の中ではとりわけお洒落でリゾート地的な町です。
ダーグ湖畔に停泊しているボート。マウントシャノンの住人はお金持ちが多いらしく、船を所有している住人も多いそうです。
マウントシャノンのランドマーク「マーケットハウス」。以前はここで市が開かれていたようですが、現在はどうなんでしょう??
マーケットハウスの近くに居たシラコバト。所謂普通の鳩(ドバト)と、フィークルのような森の多いところに生息している「モリバト(wood pigeon)」がよく見るのですが、シラコバトは意外と見る機会が少ないです。ちなみにシラコバトは日本では埼玉にしか生息していない珍しい鳩で、埼玉県の県鳥に指定されています。
マウントシャノンのメインストリートにあるレストラン「An Cupan*」。すごい美味しいと評判のレストランで数多くの賞を受賞しています。
*現在は営業していません。
アイルランドではミシュランのレストランのガイドブックに相当するものが日本のタイヤメーカー「ブリヂストン」から発行されています。レストランの格付けもブリヂストンが行っていて、美味しいと評判のレストランには大抵「ブリヂストン賞(The Bridgestone Award)」のプレートが付いています。このマウントシャノンの「An Cupan」はブリヂストン・アワードの常連のようです。
陶器の小物やアクセサリーを作っている「Callura Pottery」。レトロな給油機が素敵です。
このまま絵葉書になりそうな、典型的なアイルランドの田舎の石造りの家と、レトロな自転車。
上のレトロな自転車が置いてあるお家の隣で飼われていたニワトリ。卵用?肉用?
ニワトリ小屋の隣では豚を飼っていました。こっちは肉用、ですよね??
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Cycling along the East Clare Way: Section 6A - Mountshannon to Scariff
イースト・クレア・ウェイの6番目のセクションはマウントシャノンからスタート地点のキラルーへと至る約47kmのルートです。
かなり長い距離なので、地図を一枚に収められなかったので、マウントシャノン→スカリフ(約17km)とスカリフ→キラルー(約30km)と分けたいと思います。
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マウントシャノンからスカリフに至るルートの前半は担ぎの区間が多く、ほとんど自転車に乗れません。山の中を自転車を担いでえっちらおっちら歩きます。
ようやっと自転車に乗れる道に出ました。まるで人に家の敷地に入っていくような感じがしますが、一応イースト・クレア・ウェイのウォーキングルートの一部です。もともと私道だったのが公道になったのかもしれません。
広い通りに出ました。未舗装ですが太目のタイヤを自転車なら問題なく走行可です。
上の通り沿いの牧場に仔馬がいました。まだ生まれて間もないよちよち歩きの仔馬です。
お母さんにべったりです。
仔馬が居たかと思いきやすぐ近くには子ロバも居ました。
イースト・クレア・ウェイのルート沿いにあった農家のお宅。典型的なアイルランドの田舎の農家のお家に見えますが、実はこの家ただの普通の家とはちょっと違うところがあるのです。
上に「Cappabane National School 1875」と書いたプレートが埋め込まれています。そう、この建物、昔は学校として使われていた建物だったのです。前のページにも廃墟となってしまった元学校の建物が出てきましたが、アイルランドには元学校だった建物が今多く残っています。中には完全な廃墟となってしまっている建物もありますが、このように普通の住宅として使われている建物も多くあります。
上のお家と同じ通りにあったトレーラーハウス。元学校だった建物に住んでいる人がいるかと思えば、このようなトレーラーハウスに住んでいる人も居ます。
高台を通るイースト・クレア・ウェイの通り沿いから見下ろしたスカリフの町。スカリフはマウントシャノンのお隣の町です。
ここがスカリフの町中です。スカリフはマウントシャノンの隣町ですが、フィークルの隣町でもあります。フィークルから一番近いATM付きの銀行はスカリフにあります。(フィークルには銀行がありません。)
細長い形が特徴的なスカリフ城(Scariff Castle)。
スカリフの町中にある工場。何を作っている工場か分かりませんが、この工場から出る煙は20km以上離れたクレア州の最高峰モイルッサ山(Moylussa)の頂上からも見ることができます。
スカリフのメインストリート沿いにある味のある映画館。私が東クレアに住むようになってから一度も開いているところを見たことがありませんが、知り合いによると5年ほど前(2005~2006の頃)までは営業していたそうです。
スカリフのすぐお隣の村「トムグレイニー(Tuamgraney)」側から見たスカリフのメインストリート。スカリフのメインストリートは坂になっているのが特徴です。結構傾斜があって自転車で登るとけっこう疲れます。
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Cycling along the East Clare Way: Section 6B - Scariff to Killaloe
スカリフを出てスタート地点のキラルーへと向かいます。キラルーまでは約30kmほどです。
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トムグレイニーはアイルランド最後の上王(high king)ブライアン・ボルーと関わりのある歴史のある村です。
スカリフのすぐお隣のトムグレイニーにある公園の中に立っている木です。
村の御神木のような存在なのか、木の前にはキリストの像が建てられていて、大事にされている様子をうかがうことができます。
トムグレイニーの御神木とキリストの象。
トムグレイニーの村にある聖クロナンズ教会(St. Cronan's Church)。アイルランドで最も古い教会と言われています。
聖クロナンズ教会は現在は東クレア・文化遺産センターとして利用されています。
教会のすぐ横にはオグレイディー城(O'Grady Castle)があります。そして教会と城に挟まれるようにしてトムグレイニーが誇るハンドボールの競技場/練習場が建っています。
トムグレイニーのハンドボールクラブは誕生して100年を迎えた歴史のあるクラブです。アイルランドのスポーツというとアイルランド体育協会(Gaelic Athletic Association通称GAA)が主催するゲーリック・フットボールやハーリングが有名ですが、実はハンドボールもゲーリック・ゲームの一つとしてGAAの管轄下で試合が行われています。
ハンドボールといってもGAAの管轄下に置かれているハンドボールはオリンピック種目にもなっている所謂一般的に知られているハンドボールではなく、アイルランド独自の「ゲーリック・ハンドボール」です。
競技方法やルールは普通のハンドボールとは大きく異なります。
アイルランド版のハンドボールを解説した動画です。
GAAのオフィシャルガイドブックで紹介されています。
トムグレイニーの村外れには「ラヒーンの森(Raheen Woods)」という森があります。この森にはブライアン・ボルーのオーク(Brian Boru's Oak)という立派なオークの木があることで知られています。ブライアン・ボルーはアイルランド最後の上王(high king)で、東クレアの出身です。
ラヒーンの森(Raheen Woods)はフィークル周辺で森林浴を楽しむところとして最適な場所です。
イースト・クレア・ウェイはトムグレイニーを出た後はいったん丘の上に上がります。
丘の上からダーグ湖を左手に見ながら進んでいきます。
眼下に広がるダーグ湖。対岸に見える山(丘)はArra Mountainsです。Arra Mountainsはアイルランドの伝統曲の名前にもなっているこのエリアを代表する山の一つです。
途中に馬を何頭も飼っている牧場がありました。馬の調教施設か何かでしょうか。アイルランドは乗馬の盛んな所で、東クレアだけでも多くの乗馬クラブがあります。
イースト・クレア・ウェイ沿い変わった家がありました。屋根の上が草ぼうぼうになっています。家の他のところは綺麗なので、わざと生やしているような感じもしますが、何のために屋根の上に草を生やすのでしょう??
ダーグ湖を見下ろす見晴らしのいい丘の上に立つ「パイパーズ・イン(Piper's Inn)」という名前のパブ。現在(2011年)は営業していません。場所にもよりますが、アイルランドのパブはけっこう頻繁にオーナーが変わったりするので、タイミングによってしばらく営業休止になることがあります。特に東クレアのど田舎だとパブの営業は大変です。
窓ガラスが割れていたので中を覗いてみると、中は荒れるに任せるままの状態になっていました。
イースト・クレア・ウェイ沿いにあった農家の納屋。
この納屋からのダーグ湖の眺めは最高に綺麗です。
一旦丘を下りダーグ湖畔に向かいます。
イースト・クレア・ウェイはダーグ湖畔沿いのBallycuggeranというエリアを通ります。
湖ではありますが、このエリアは湖水浴場として整備されていて、夏の間は多くの湖水浴客で賑わいます。ウインドサーフィンやトライアスロンの会場としても使われることがあるようです。
アイルランド語と英語で「ようこそBallycuggeranビーチへ」と書いてある立て看板。
Ballycuggeranのビーチに建つイースト・クレア・ウェイの案内図。
クレア最高峰のスリーヴ・バーナ山地の中腹からダーグ湖を眺めます。
森の中のダート道を進んでいきます。
クレア県最高峰のモイルッサ山(Moylussa)。
この道しるべの所まで来ると、もうすぐゴールのキラルーに到着です。
ちなみにここの近くには「Sarsfield's Ride」と呼ばれるウィリアマイト戦争の際に戦場となった場所があります。
キラルーの町に戻ってきました。これはキラルーの町の中心部にあるSt. Molua's Churchというカトリックの教会です。キラルーにはプロテスタントの教会もあります。
St. Molua's Churchの敷地内にあるSt. Lua'sの礼拝堂。国の文化遺産(National monuments of Ireland)に指定されている古い礼拝堂です。この礼拝堂がキラルー(Killaloe)という町の名前の元になったそうです。
アイルランドの地名によく登場する「Kill」は「教会」という意味で、Lua教会が治める土地「Cill Lua」が転じて「Killaloe」になったそうです。
キラルーのメインストリート沿いにあるレストラン「クロッティーズ(Crotty's)」。
ここのレストランの壁には沢山レトロな看板が貼ってあります。
こちらはキラルーの町の中心部からはやや外れたシャノン川のほとりに建つキラルー大聖堂です。こちらはプロテスタント(アイルランド国教会)の教会です。
フィークルからここまでの走行距離は94.35kmでした。
前半のキラルーからフィークルまでが88.88kmだったので、足すと183.23kmなので、だいたいイースト・クレア・ウェイ総距離180kmと同じくらいですね。
ルートが全部舗装されていれば一日で走れる距離ですが、途中担ぎや押しが必至の場所などもあるので、イースト・クレア・ウェイを一日で走破するのはかなりキツそうです。
何はともあれ無事に東クレア一周できたし、色々知らなかった景色や風景が見れたので、走ってみてよかったと思います。
東クレアにサイクリングに来た際にはぜひイースト・クレア・ウェイを走ってみることをお勧めします。
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