私がアイルランドで住んでいる村「フィークル」を紹介したいと思います。
フィークルはアイルランドの西部のクレア州(クレア県)の属する村で、クレア州の東側に位置しています。
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村の名前はアイルランド語で"歯"を意味する"an Fhiacail"に由来します。
人口は120人ほどです。
フィークル村の入り口です。上の地図だと通りの一番西側(左側)の「茅葺屋根のコテージ群」と書いてある辺りになります。
1軒目のお店とパブはモロニーズ(Moloney's)です。左側が食料品店、右側がパブです。パブの一角がインターネットカフェになっています。フィークルで唯一のインターネットカフェです。
モロニーズの向かいには「ショーツバー(Shortt's Bar)」と呼ばれているパブがあります。毎週木曜日には伝統音楽のセッションがあります。
ショーツバーのことを「リーナズ(Lena's)」と呼ぶ人も居ます。
もともとこのパブは長年「リーナ」さんという女性の方が経営していて、パブの名前も「リーナズ」だったのです。
リーナさんが年をとってパブの経営が出来なくなったため、ショートさんが引継いでもらったのです。
昔からこのパブを知る人の中にはいまだに「リーナズ」と呼ぶ人も居ます。
ショーツバーになってからもリーナズ時代の看板も掲げられています。
ショーツバーの少し先にあるのが、フィークル唯一のホステル「ロクナーンズ(Loughnane's」です。ホステルの経営者のお父さんは「ビル・ロクナーン (Bill Loughnane)」という有名なフィドルの奏者です。
ロクナーンズの先代ビル・ロクナーン(右)と東クレアの伝説的なフィドル奏者パディ・カニー(Paddy Canny)(マーティン・ヘイズの叔父にあたる)。
ロクナーンズのお隣のお隣にあるのがボーハンズというパブです。ここでは普段はセッションはやっていませんが*、フェスティバルの時にはセッションがあります。(*2011年現在)
広場には19世紀に活躍したフィークル出身の歌手/作曲家「ジョニー・パターソン」の碑が建てられています。
広場の一角には「イースト・クレア・ウェイ」という東クレアをぐるっと一周回るウォーキングコースの地図とコースガイドが建っています。
全長180kmとそこそこの距離があるのですが、普通の観光旅行では絶対に見ることのできない、アイルランドの田舎の景色や地形を楽しむことができます。
私はこの「イースト・クレア・ウェイ」の180kmの全行程を自転車で走ってみました。その時の模様をこちらのページでご覧になれますので、よかったら見てみてください。
スミスのはす向かいには更地になったエリアがあります。
その昔この場所にはホテルがあったのですが、火事で全焼してしまったのです。
その後ホテルが建て直されることはなくずっと更地になったままとなっています。
ホテルの名前は「スミス・ビレッジ・ホテル(The Smyth Village Hotel)」と言いました。「スミス」のお店と関係があるかどうかは不明です。
これは先ほど触れたイースト・クレア・ウェイのガイドブックに出ていたスミス・ビレッジ・ホテルの広告です。
1974年にIRA暫定派とシン・フェイン党の指導者たちが、プロテスタント・キリスト教徒宗派の指導者と共に、北アイルランド危機の解決方法をさぐるための会談がこのホテルで行われたそうです。
スミスのお店のお隣には東クレアのコミュニティバスの本部があります。
フィークル唯一の公共交通機関です。
日本各地で運行されている循環バスに近いでしょうか。
コミュニティバスのサービスの名称が「クレア・アクセシブル・トランスポート(Clare Accessible Transport)」というので、頭文字をとって「CAT」と呼ばれています。
「CAT」だけに「Cat Bus (ネコバス)」と呼ばれこともあります。
再びメインストリートに戻って、先ほどの広場のはす向かいにあるフィークルの教会です。
教会の隣にあるのがコミュニティセンターです。フェスティバル中はここで伝統音楽のコンサートが行われます。
フィークルの町の一番外れには有名なペパーズがあります。
ペパーズは創業200年以上の歴史のあるパブです。
毎週水曜日にアイルランド伝統音楽のセッションがあります。
ペパーズはレストランとしても営業しているので、食事もできます。(日本のアイリッシュパブだとたいていどこも食事を提供していますが、アイルランドのパブだとお酒しか出さないところも多いです。)
ペパーズのセッションで弾くマーティン・ヘイズとマーク・ドネラン。
2人が座っているところでは、もともと彼らの父親のP.Joeヘイズとフランシー・ドネランが弾いていました。
ペパーズのセッションで弾くマーティン・ヘイズの父親のP.Joeヘイズ(右)とマーク・ドネランの父親のフランシー・ドネラン(左)
P.Joeの定位置だった席には「P.Joe's Place」と書いたプレートが貼ってあります。セッションにマーティン・ヘイズが来る時はマーティンは大概ここに座ります。
NHKで放送されたアイルランド音楽の番組でも、この「P.Joe Place」が出てきていました。
ペパーズのホームページがあるのですが、ペパーズのホームページの「Links」のページに写っているのは実は私です。顔は写っていませんが・・
ペパーズの壁にはフィークルの名を冠した曲「メイズ・オブ・フィークル(The Maids of Feakle)」の楽譜が貼られています。
フィークル村への入り口(ペパーズ側)に建っている「ようこそフィークルへ」の石板。
フィークルでは毎年8月に「フィークル・フェスティバル」というアイルランド伝統音楽のフェスティバルが開催されています。
普段のフィークルはすごい静かなのですが、フェスティバルの時は一変します。
フェスティバルの開催中は、
こんなに大勢の人手で賑わいます。
フェスティバル中はコンサートやワークショップ(音楽のレッスン)などのイベントが目白押しです。
フィークルの小学校ではマーティン・ヘイズなどアイルランドを代表するフィドル奏者が教えてくれるワークショップがあり、毎年日本人も多く参加しています。
個人的には音楽のワークショップよりも、学校の中の施設や教材などの方に興味が行ってしまいます。
地元の子供たちが通っている学校の中に入る機会がなかなかないので。。。
教室に貼ってあった授業中のお約束事。
目を開いて、耳を傾けて、足を動かさず、手を静かに
だそうです。日本の小学校でも同じようなが貼ってあったりしましたよね?
「悪口はよくない!」その通りですね。(name calling = 悪口、中傷)
学校の掲示板に貼ってあったフィークルの古い地図。
どこからどこまでが「フィークル」なのかがよく分かります。
私の住むアイル(Ayle)はフィークルの南西の端にあります。
省エネについての標語みたいなものでしょうか。
それぞれの文の先頭の文字(緑色の文字)を繋げると「Energy」となるようになっています。
日本でいうところの「あいうえお作文」ですよね。
こちらもアイルランド版「あいうえお作文」。
フィークルのゴミ回収業者のチラシです。
文の先頭の文字を繋げると「BINMASTER(会社の名前)になります。」
こちらはバンジョーのワークショップの模様。
バンジョーのワークショップはコミュニティセンターでありました。
コミュニティセンターの隣の教会ではコンサートがありました。
この年のフィークルフェスのコンサートでは、スコットランドの歌手「エディ・リーダー」が登場。とても盛り上がりました。
エディ・リーダーといえば特に日本で人気のあったフェアーグラウンド・アトラクションのヴォーカリストです。
名曲「パーフェクト」も歌ってくれました。
バックミュージシャンにアイリッシュのピアノ・アコーディオン奏者アラン・ケリーも居て、普段のツアーとは違った演奏を聞かせてくれました。
ちなみに「パーフェクト」にはゲール語バージョンが存在します。
コンサートのトリはもちろんマーティン・ヘイズです。
ペパーズの横ではクロスロード・ケーリー*で盛り上がっていました。
*ケーリー(Ceili)=アイルランドのダンスの一種類であるセットダンスを踊る集まりのこと
セットダンスとはこんなダンスです。
フィークルはアイルランド伝統音楽の盛んな土地なので、色々な国のメディアが訪れるところです。バイオリンの葉加瀬太郎さんも、テレビ番組の収録でフィークル村を訪れたこともありました。
後日放映された番組には私もちらっと写っています。フィークルはアイルランド伝統音楽の盛んな土地柄で、アイルランド音楽を学びにやってくる日本人が多くいます。番組内では私以外にも日本人が写っています。
こちらのページに葉加瀬太郎さんがフィークルに訪問してフィドルに挑戦する番組を紹介していますので、よかったらご覧になってみてください。
フィークルのメインストリートを西に進んだ村外れに、茅葺屋根のコテージが立ち並ぶエリアがあります。Googleの地図でも「サッチト・コテージズ(Thatched Cottages)」と表示されているので、住所としても機能するほどよく知られているエリアなのだと思います。
個人的にこのエリアはフィークルの中でお気に入りの場所の一つになっています。
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