Oxegenに行ってみた
アイルランド最大の音楽フェスティバル「Oxegen」に行ってきました。
「Oxegen」は日本のフジロックやサマソニに相当する野外音楽フェスティバルです。アイリッシュ音楽の演奏家は出演しません。
アイルランドでは「フラー・ヒョール・ナ・へーレン (Fleadh Cheoil na hÉireann)」というアイリッシュ音楽のフェスティバルも開催されています。
アイルランド伝統音楽のフェス「フラー(Fleadh)」はこちらのページをご覧ください。
「Oxegen」は毎年7月の第2週の週末にキルデア州で開催されるアイルランド最大の音楽フェスティバルです。
会場となる場所はキルデア州のPunchestown競馬場という所で、会場内にはキャンプ場が設けられ3日間キャンプしながらライブを楽しむ若者も多くいます。
チケット代はキャンプ場の利用料金込みの3日間の通し券が約2万5千円、キャンプ場の利用無しで1日だけの入場で約1万円でした。
アイルランドを代表する新聞「アイリッシュ・インデペンデント」の折り込み誌「Day&Night」に掲載されていたOxegenの特集記事。
Oxegenの特集記事に掲載されていた会場マップ。
別の新聞の折り込み誌に付いていた「オキシジェン・サバイバル・ガイド」なるフェスのガイド小冊子。中には3日間キャンプして過ごす人達も居るだけに、色々と「サバイバル」の知恵が載っています。
Oxegenはキルデア州の「Punchestown競馬場」という広大な競馬場が会場となっていますので、アクセスの仕方がやや複雑です。
私はクレアから自分の車で行ったのですが、会場特設の駐車場からステージまでは遠く、駐車場からバスでの移動となります。
ステージに近い駐車場もあるらしいのですが、駐車料金が高いので私はステージから遠い無料駐車場に停めました。
バスは無料で、ステージがあるメイン会場近くと駐車場をピストン輸送しています。
Oxegenの無料駐車場。ここからさらにバスに乗って会場入りします。沢山の車が停まっているので、車を場所をよく覚えておかないと帰るときに悲惨なことに・・・
駐車場から会場まで無料送迎バスが出ています。これはバス待ちの行列です。
会場となるPunchestown競馬場についた後も入場門までしばらく歩かされます。
Oxegenの会場への入場門
事前に予約しておいたチケットを受け取ります。
Oxegenの会場への入場に際してはけっこうるさいルールがあって、
缶入り飲料、瓶入り飲料は持ち込み禁止、
ペットボトル飲料のキャップ(蓋)は取らないといけません。500ml以上は持ち込み禁止です。
レーザーペン、花火、発煙筒などは持ち込み禁止だそうです。
会場内では基本的にペットボトル飲料はNGで、会場内ではジュースやアルコール飲料は紙コップでしか売られていませんでした。
ペットボトルだと興奮してステージに投げ込んだりするヤツがいるから、禁止にしているそうです。
今年のOxegenは7月8日から始まったのですが、初日はとくに見たいステージがなかったので、フェス2日目の7月9日から見に行きました。もちろん日帰りで。
2日目はトリの「フーファイターズ」が一番の呼び物ですが、個人的にはよくラジオで耳にする「ブルーノ・マーズ」、アイルランドの女性ブルーズ歌手の「イメルダ・メイ(Imelda May)」、「イライザ・ドゥーリトル(Eliza Doolittle)」、それとオアシス(弟)が結成した「ビディーアイ(Beady Eye)」が見たいな思っていました。
会場の入り口付近では、アイルランドのソウルフード(?)ともいえる「テイトー」が運営する「テイトーパーク」の宣伝をしきりにやっていました。
「テイトー」はアイルランドでその名を知らぬ者はいないといっても過言ではない、アイルランドを代表するポテトチップスのブランドです。「テイトー」とは「ポテイトー(ポテトの英語発音)」から来ています。
「テイトーパーク」はテイトーの工場に隣接したテーマパークです。
会場に入るといきなり巨大な観覧車が見えてきました。観覧車といってもこのフェスのためだけに設置した特設「観覧車」なので、土台とか大丈夫なのかちょっと心配になってしまいますが・・・
ペニーズのOxegen特設店舗。ペニーズはアイルランドのあちこちにある日本の「しまむら」に相当するなんでも安く買える衣料品店です。ロックの野外フェスになぜペニーズが?と思ったのですが、3日間キャンプで過ごす輩も居ますから、肌着とかここで買っていくのかもしれません。
Oxegenの会場は競馬場とあって、草地が多くアイルランドの天候も影響して「ぐしょぐしょ」した箇所が多いので、長靴を履いている人が多くいます。フェスのオフィシャルガイドでも長靴の着用を勧めています。
Oxegenの会場内には色々なお店が出店していて、飲食店も色々なのがありました。
定番のフィッシュ&チップスや、ハンバーガーなどのファーストフードに加え、東洋テイストなお店もちらりほらりとありました。
中でも個人的に目を引いたのが・・・
下の画像に写っている「Japanese Noodle Bar」というお店です。
Oxegenの会場内の飲食店コーナーの一角にあった「Japanese Noodle Bar」
この店「やきそば屋」を自称しているのですが・・
こちらがメニュー。真ん中の7.5ユーロの「フェスティバル・スペシャル」なるメニューは「バーベキュー・ヌードルと天ぷらとカレー味の野菜炒めが一緒になっているそうです。
メニューに描かれている力士の横には「ベリーナイス(Belly Nice)」と書かれてあります。「very」と「belly(お腹の意)」をかけてアイルランド版の駄洒落みたいなものでしょうか。
割りばしも置いてあって、一見本格的(?)なのですが・・
鉄板でやきそばを炒めているところ。
ここまで見る限り、普通のやきそばっぽいのですが・・・
味付けに使われているソースがこんなのだったりして・・
これが天ぷらだそうです。何の天ぷらなのか不明です・・
こんな人達が調理していました。日本人とおぼしき人は一人も居ないようです・・
これが「やきそば」です。麺はいわゆる「エッグヌードル」で、日本の焼きそばとはだいぶ食感が異なります。味もこちらで"東洋の味"の代名詞になっている「スイート&サワー」なお味で日本の「ソース焼きそば」とは全然違います。
でももの凄くまずいかというと、そんなことはなく、普通に食べられる味でした。
こちらは「Japanese Noodle Bar」とは別のお店。「ユミ(Yumi)」という名前のお店です。店名は英語でおいしいという意味の「Yummy(ヤミー)」とかけていると思われます。
テリヤキ、カレー、ヌードル、すしを売っているそうです。
ユミのメニューです。
チキン・カツ・バーガーとか、ベジタリアン・マレーシア・カレーなんていうのも売っています。
「ユミ相撲ミール」なんていうのもあります。「全部ついてくる(a bit of everything)」というのは、メニューに載っている全部が付いてくるということなんでしょうか。それで12.5ユーロなら安いかもしれません。
Oxegenの会場には他にも色々なお店がありました。
こちらは「へんな」という名前の変なお店。
フェイスペインティングや入れ墨風のペインティングを施してくれるお店のようです。
こんなフェイスペインティングを施してくれるそうです。
こちらもタトゥーを入れてくれるお店です。「10 days」というのは「10日間で消える」という意味なのでしょうか。
こんな「入れ墨」を入れられるそうです。2~5分で入れられるそうです。2~3日持つと書いてあるので、本当のタトゥーではなく入れ墨風のボディペインティングのようです。
フェスティバルなので、色々な所から色々な人が来ているわけですが、アイルランドのこの手の会場に必ずといっていいほどいるのが、ご当地ジャージを来た人たちです。
ジャージというのはスポーツのユニフォームのことで、スポーツは大抵アイルランドの国技と呼ばれるハーリングか、ゲーリックフットボールというアイルランド独自のサッカーのユニフォームになります。
アイルランドではこれらのスポーツは県別の対抗戦という形で試合が行われていて、多くの人が自分の出身県のユニフォームを持っていて、何故か外出時に着るというのが定番となっているのです。
それらのスポーツをやる、やらない、見に行く、見に行かないに関わらず着るのがミソで、アイルランド伝統音楽のフェスティバルやサマースクールにも行っても「そういう出で立ち」の人が必ず居ます。
ミーズ州のジャージ(ユニフォーム)を来た人
キルケニー州のジャージを着た人
ウェックスフォード州のジャージを着た人。
アイルランドの夏のフェスティバルにつきものなのが、移動遊園地です。
夏(だいたい6月から8月の間)になるとアイルランド各地で色々なフェスティバルが催されるのですが、会場内に移動式遊園地が設置されるフェスティバルってけっこう多いなと思います。
フェスティバルは音楽のフェスティバルとは限りません。
これまでにリムリック州のニューキャッスルウェストやケリー州のキラーニーで開催された音楽とは関係のないフェスティバルでも移動式遊園地を見たことがあります。
Oxegen会場でひときわ目立っている観覧車。
観覧車のゴンドラのアップです。かなり簡素なつくりで大丈夫なんかなって思ってしまうのですが、けっこう乗っている人が居たと思います。後から考えれば、上空から見た画像の撮影のために乗っておけばよかった思っています。
移動遊園地には絶叫系マシンもあったりします。恒久的な施設ではないので、土台とかどうなんだろうと思ってしまうのですが、皆普通に乗っているので安全性はちゃんとしているんでしょうね。結局どれも乗らなかったけど・・
これなんか、けっこう高い所を回っているので、見ているだけでも冷や冷やしてきてしまいました。
さて、いよいよここから肝心の音楽の話題へと進んでいこうと思います。(笑)
実際のところ「音楽フェスティバル」といいつつ、色々なアトラクションがあって「音楽」がなくても楽しめる「音楽フェスティバル」ですが・・
Oxegenには屋外ステージが3つに屋内ステージ2つがあって、ほぼ同時進行でそれぞれのステージで演奏が行われています。
なので、どのステージに行こうか迷ってしまうのですが、どのステージも出入りは自由なので、色々なアーティストの演奏を楽しむことができます。
私はアイルランドの伝統音楽も含めてものすごく音楽のことをよく知っているわけではないので、(と言うと驚かれるのですが、本当の話で、そもそもアイルランドに音楽をやりに来たわけではなかったし、アイルランドに来るまで音楽には全然関心がなかったので、音楽全般に関して超疎いのです)こういう所に来ると色々なアーティストのことを知れて有難いです。
ブルーノ・マーズは去年(2010年)からよくラジオで流れていたので、けっこう気に入っていて、特に「Just the way You are*」は良い曲だなと思っていたので、今回のステージを楽しみにしていました。
*7年後の2018年に「EXILE ATSUSHI」がカバーしてヒットしたようです。
下の動画が最後に歌った「Just the way You Are」です。
ブルーノ・マーズの後に「ヴォーダフォン・ステージ」に立ったのが、アイルランド人の女性ブルーズシンガー「イメルダ・メイ」でした。
ここ最近テレビやラジオで見たり聞いたりしてけっこう気に入っているアーティストで、ぜひ生で見てみたいと思っていました。
去年(2010年)の7月にデビューアルバムを出したイライザ・ドゥーリトルはロンドン出身のシンガーソングライターです。
個人的にけっこう気に入っていて、よく車の中で聞いています。
私は何でも聞くのですが、個人的に好きなが「のほほんとした音楽」ってけっこう好きで、彼女のアルバムは全体を通してそんな感じの曲が多くて気に入ってきいています。
Oxegenでは2日目の「2FM Hotpress Academy」の屋内ステージに登場しました。
正面の青いマーキー(marquee)が「2FM Hotpress Academy」。ちなみに「2FM」はダブリンにあるFM局、Hotpress(ホットプレス)」はアイルランドの音楽雑誌です。
遠くて歌っている本人がほとんど見えないですが、イライザ・ドゥーリトルのステージはこんな感じでした。
イライザ・ドゥーリトルのステージが終わったあたりから、ビッグネームが登場してくるようになります。
メインステージのトリの2つ前に登場したのが、「ビディー・アイ(Beady Eye)」というバンドです。
「ビディー・アイ」元オアシスのリアム・ギャラガー(ギャラハー)が結成した新しいバンドで、多分このOxegenのステージがアイルランドでの初めての演奏となるはずです。
Oxegen2日目のメインステージのトリは「フーファイターズ」でした。
一つ前が「アークティック・モンキーズ」で、彼らのステージも相当盛り上がったのですが、ここでフーファイターズが登場したらどうなるんだろうと思ったら・・・
この人出です!
多分では何千人どころではなく、ン万人規模で人が集まっていたと思います。
メインステージのトリの時は他のステージでは一切演奏をやっていないので、会場にいる全ての人がメインステージ前に集結したようです。
Oxegen2日目のトリを務めたフーファイターズのステージです。
フーファイターズのステージはそれはそれは格好よく、ものすごく盛り上がったのですが、なにせン万人の観客が一気に引き上げるのですから、帰りの混乱が凄かったです。。。
帰りの行列の模様です。こんだけの人数が一気に出口を目指すのですから、混乱するのも当たり前です。
Oxegen最終日のハイライトは何と言ってもコールドプレイでしょう。
コールドプレイの前にはビヨンセが登場します。
私的にはこの日はマニックストリートプリーチャーズと、プライマル・スクリームを楽しみにしていました。
マニック・ストリート・プリーチャーズの演奏は夕方のまだ明るい時間にありました。
Oxegenフェス3日目。マニック・ストリート・プリーチャーズのステージ。
なんとビヨンセとプライマル・スクリームの時間が重なってしまい、ビヨンセの方だけ見ることに。
スクリーン上にどアップになったビヨンセ。
人気度でいったらトリにきてもおかしくないほどの人気ぶりでした。
どこまで続いているんだか分かりませんが、ここに写っている人達皆さんビヨンセのステージを見に来た人たちです。
ビヨンセのステージのラストで歌った「ヘイロー」。
お馴染みのステージから降りて観客にマイク向けて歌わせるパフォーマンス(動画の2分43秒付近。マイクを向けられて歌いだす男性が写ります・・)もありました。
ビヨンセのステージは、これでフェスが終わってもいいんじゃないのくらいに、大盛り上がりしたステージでした。
フェスの翌日の新聞の一面に紹介されていたのもビヨンセでした。
でもこれで終わりではく、ラストボスがまだ次に控えているのでした。
アイルランド最大の音楽フェスティバル「Oxegen」の最終日の最後のステージに立ったのは「コールドプレイ」でした。
コールドプレイのステージ。実は生で見るのはこれが初めて。
スクリーンに映し出されたクリス・マーティンのアップ
色々な曲を歌ってくれて大満足。動画で歌っているのは「美しき生命」です。
ステージが終盤に差し掛かった頃にボーカルのクリス・マーティンが、「ここでスペシャルゲストに登場していただきたいと思います。ゲストはここキルデア出身の」と言いかけたところで、怒涛のような大歓声が
地鳴りか?ってくらいの物凄い大歓声でした。
皆「キルデア出身」だけで誰だか分かるようです。
そうスペシャルゲストとは、
この画像では分かりにくいかもしれませんが、
「クリスティ・ムーア (Christy Moore)」です。
クリスティ・ムーアはOxegenの会場のあるキルデア州の「ニューブリッジ」という町出身のアイルランドの国民的歌手です。
「プランクシティ (Planxty)」というアイルランド伝統音楽のグループのメンバーでもあったので、伝統音楽ファンの間でもよく知られています。
クリスティ・ムーアとコールドプレイの共演の模様です。
Oxegen翌日の新聞に載っていたフェスの特集記事です。
2面にわたって紹介されていて、それだけアイルランド国内で大きな注目を集めている行事ということなんでしょう。
伝統音楽の行事もいいのですが、たまにこういうイベントに行くとなんとなく等身大のアイルランドを知れたような気になります。
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