アイルランドで毎年8月に開催される、世界最高峰のアイリッシュ音楽の国際コンクール(コンペティション)、「Fleadh Cheoil na hÉireann」通称「フラー」に出場するためにアイルランドに行ってきました。
昨年(2022年)も同じ大会に参加しました。
昨年の模様はこちらでご覧いただけます。
今年のフラーは8月6日から14日に亘り、昨年と同じく、ウェストミーズ県(Co.Westmeath)のマリンガー(Mullingar)という町で開催されました。
私は11日に日本を発ち、11日に現地着、12日、13日とコンクールに出場し、14日に現地を発ち15日に帰国という、3泊5日の弾丸日程で行ってきました。
11日に羽田から出発。お盆休みの初日とあってすごく混雑していました。
早くもダブリン空港に到着。
これからレンタカーを借ります。
アイルランドに行く時はほぼ毎回空港でレンタカーを借りるのですが、今年は「セアト(SEAT)」というメーカーの「イビザ(IBIZA)」という車を借りました。
セアト(SEAT)はスペインの自動車メーカーだそうです。
ダブリン空港からフラーの会場となるマリンガーの町へ向けて出発です。
空港からマリンガーまでは85kmほど。高速道路に乗れば1時間そこそこで着けます。
ちなみにアイルランドのガソリン価格は、1リットルで1.70ユーロくらいが相場のようです。1.70ユーロは日本円で270円くらいです。日本もガソリン代が高くなってきていますが、アイルランドのガソリン価格は日本よりもかなり高いです。
フラーの会場となるマリンガーの町に到着しました。
今年のフラーのプログラムです。
私が最初に出場する部門は「Píosaí Cheoil Nua Chumtha - Newly Composed Tunes」という自分で作曲した曲で競い合う部門です。私は前々回大会(2019)では2位に入賞しています。
2019年大会の模様はこちらのページでご覧いただけます。
ちなみに2019年の同部門で3位に入賞したAilish Moran(No.17)も出場していました。
「Píosaí Cheoil Nua Chumtha - Newly Composed Tunes」部門のコンクールは「Holy Family Primary School」という小学校が会場でした。
コンクールは小学校の教室を使って行われました。
今年は以上のような結果となりました。
去年はわりと複雑系?な曲を作曲した人たちが上位入賞を占めたのですが、今年はストレートで明るめの曲が上位に入った印象があります。
私の曲もそんな曲だったのですが、今年は入賞できませんでした・・・
個人的に出来栄えは悪くなかったと思いますし、実際に他の参加者たちから譜面を私が作曲した曲の譜面を写させてほしいと頼まれたりしたので、こういったコンクールの場で自分の作品を披露できて良かったと思います。
作曲部門の次に出場したのが、「Rogha Ghléas - Miscellaneous」の部門です。
この部門は「様々な楽器」で競い合う部門となっています。
出場者の弾く楽器は色々で、私はヴィオラで出場しました。
Rogha Ghléas - Miscellaneousの会場となった「Town Band Hall」です。
「Town Band Hall」は地元のマーチングバンドの練習施設らしいです。学校の体育館のような感じの施設です。
今年は以上のような結果となりました。
ファイフという楽器で出場した人が1位になりました。
ファイフはフルートよりも小さく、感じとしてはピッコロに近いのかな?
木管の横笛です。
アイルランドの音楽だと北アイルランドでよく弾かれているイメージがあります。
実際に優勝した人は北アイルランドのダウン県の人でした。
2位に入ったのはクラリネットの奏者さんでした。アイリッシュ音楽の世界では珍し系な楽器です。
3位に入賞したのはギターの奏者さん。ギターはアイリッシュ音楽の世界では伴奏楽器としてはポピュラーなのですが、フラーのコンクールでは単体で「ギターの部門」というは設けられていないのです。もしギターのソロ演奏でフラーに出場するとなると、このMiscellaneous部門にしか出場ができないのです。
私はヴィオラで出場したのですが、正直自分自身でもまだ楽器の特性がよく分かってなく、しばらく右往左往しそうな感じです・・・
Miscellaneous部門の次に出場したのがFidil - Fiddleの部門です。
Fiddle(フィドル)とはいわゆるヴァイオリンのことです。
アイリッシュ音楽ではいわゆる"ヴァイオリン"のことをフィドルと呼んでいます。
Fiddleが英語の綴り、Fidilはアイルランド語の綴りです。
アイリッシュ音楽の花形楽器であるフィドルは、たいてい「立派な場所」がコンクールの会場となります。
今年は「Mullingar Arts Centre」という町で一番立派なアートホールが会場となりました。
今年は以上のような結果となりました。
出場者リストの上から3番目までの奏者が、上位3位に入るというあまり類を見ない結果となりました。
ちなみに優勝したAdemar O'Connorと3位のJohn Paul ReynoldsはMiscellaneous部門にも出場していて、John Paul ReynoldsはMiscellaneous部門でも3位に入っています。
フィドル部門で2位になったJason McGuinnessはNewly Composed Tunes部門にも出場していて、Newly Composed Tunes部門でも2位に入賞しています。
私自身は今年も何もなかったのですが、個人的には今年はホーンパイプの呪縛からようやっと解き放たれたかな?と感じがして、少しは成長できたのではないかと思っています。
フラー期間中は世界中から多くの人が訪れるので、通りはものすごい人込みです。
例年10万人くらいの人が訪れるのだそうです。
フラー期間中は町中が音楽一色になります。
通りの至るところで楽器を弾いている光景を目にします。
アイルランドの全国紙「The Irish Times」の一面にもフラーについての記事が載っていました。
帰国便の中から撮ったアイルランド上空からの眺めです。
来年も参加できるどうか分かりませんが、もしまた出場できることになったら今年以上の結果が出せるように頑張ろうと思います。