アイルロッジ(Ayle Lodge)とは私がアイルランド西部のクレア県フィークル村で住んでいる家です。
アイル(Ayle)とはフィークル村の地区*の名前です。
*正確には教区と言います。
日本の住所に例えると、"アイル"は東京都新宿区西新宿の"西新宿"に相当します。
"フィークル"は新宿区に相当し、"クレア"は東京都に相当します。
住所を日本的に言うと「クレア県フィークル村アイル」となります。
ロッジは小屋という意味で、アイルにある小屋なので「アイルロッジ」と呼ばれています。
ちなみにアイルランドの田舎には郵便番号や番地はありません*。(*2011年現在)
郵便物を送るときは
〇〇(人名) + Ayle Lodge, Feakle, Clare, Ireland
で届きます。
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玄関の前から見たアイルロッジです。
赤いドアが素敵ですよね。
私がここに住む2年ほど前までは黄色だったそうです。
私の前に住んでいた人(アイルランド人)が風水で占ったら、赤の方が運気が上がると言って、赤に塗り替えたんだそうです。
元住人の人はアイルロッジに住み始めた時は独身だったのですが、ドアの色を赤に塗り替えた途端に良い出会いあって、今は結婚してカナダに住んでいるそうです。
黄色時代のアイルロッジ。個人的に赤の方がよく合っていると思います
ちなみに"風水で占った"元住人は、エニス*で上の写真のお店を経営していたそうです。風水とかが好きな人が行きそうなお店です。
ホームページを見ると、どんなお店か分かると思います。
*フィークルから約30km離れたクレア州の州都。
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赤いドアを開けるとこうなります。
実際はこのドアから出入りすることはほとんどありません。
裏側にもう一つ扉があって、普段はここから出入りします。
アイルロッジは門の脇に建てられた"ゲートハウス"です。
門の奥には大きなお屋敷があって、もともとは屋敷に出入りする人を管理する門番が住んでいました。
アイルランドは同じようなゲートハウスが色々な所にあります。
門の先の道は大家さんの家へと繋がっています。
門の入り口に敷かれている線路のレールのようなものはカトル・グリッド(cattle grid)というもので、家畜が外に逃げないようにするためのものです。
離れは左右に分かれていて、右側は物置として使っています。
洗濯機と乾燥機は離れに置いてあります。(母屋に洗濯機はありません。)アイルランドでは洗濯機を離れに置いている家はめずらしくありません。
自転車は2台あります。サイクリングに行ったり、買い物に行く時につかっています。こちらの記事にアイルランドで乗っている自転車について書いています。
左側には薪を入れています。
薪ストーブを使うときは、ここから薪を持っていきます。
細い薪であればそのまま燃やせるのですが、太い薪は割らないといけないので、薪割の作業は一苦労です。
ゴミ箱です。分別して捨てるために3つあります。
アイルランドの田舎には、ゴミの収集の日というのはありません。
ゴミがたまったら自分でリサイクルセンター(日本の環境センターに相当)に持っていきます。
我が家では燃えるものは薪ストーブで燃やして、ビンや缶などの資源ゴミはリサイクル用のゴミ捨て場(日本にスーパーにあるペットボトルとかトレーを捨てるところに似てます)に捨てて、ビニール袋やプラスチックなどの燃えないゴミはリサイクルセンターに持ち込んで捨てています。
玄関のから見たアイルロッジの中です。キッチンとリビング兼用です。
キッチン部分の流しとコンロです。コンロは電気コンロです。
キッチン部分の全体像。電子レンジ、トースター、ケトルなどいった家電製品は入居時から揃っていました。
アイルランドのアパートや貸家では食器や冷蔵庫、ベッドなど最初から揃っている所が普通です。
換気扇の上の棚に置いてあるアンティーク小物。黄色の缶は「キャンベルズ・パーフェクト・ティー」紅茶の缶で、今でも変わらないデザインで売られています。
薪ストーブとソファー。冬はここで薪ストーブにあたりながら、うとうとするのが至福のひと時。
窓からの眺め。
赤いドアの裏側です。
開けると外はこんな風に見えます。
廊下です。右側は浴室、奥に2部屋、手前に1部屋、屋根裏に1部屋の計4部屋あります。
寝室その一。表の通りに面している部屋です。日がよく入ってくるので、洗濯物を干す部屋として使っていました。
寝室その2。ほとんど使うことのなかった部屋です。
寝室その3。庭に面した部屋で、この部屋で寝起きしています。
この部屋のみオンスイート(en-suite)になっています。
オンスイート部屋のバスルームです。
屋根裏に続く階段です。違い棚みたいになった変わった階段です。
屋根裏部屋です。屋根裏と言っても天井は大人の背丈よりも高いので、普通に部屋として使えます。
屋根裏部屋の隣にスペースがあって、前の住人が置いていった不用品の置き場所として使っていました。
屋根裏にはもう一部屋小さな部屋があります。緑のカバーが掛かっているのは「シリンダー」といって、沸かしたお湯を貯めておくのに使われるものです。
この家では、シャワーとか台所で使うお湯を電気で沸かすのですが、沸かしたお湯はシリンダーにたまり一定時間保温しておいてくれます。シリンダーは熱を持つので必然的にこの部屋はお湯を沸かしている間はすごく熱くなります。アイルランドの人はシリンダーのある部屋を洗濯物を干すために使ったりします。
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アイルロッジの奥には通称「アイルハウス」という大きなお屋敷があって、アイルロッジはそのお屋敷に出入りする人達を監視する門番が置かれていた門番小屋だったわけですが、私がアイルロッジに入居した時点では「大きなお屋敷」はありませんでした。
門の先の道です。奥に見えている家は私が入居した時点で大家さんが住んでいた家です。
大家さんの家を過ぎると砂利道に変わります。
砂利道を進んでいくと、かつては大きなお屋敷だった「アイルハウス」があります。
中はこんな感じになっています。
浴室だったところと思われる部屋です。右側がシャワー室でしょうか。
ただの蛇口なんですが、歴史を感じさせます
立派な造りの門がありました。
砂利道をさらに先に進むと、またまた廃墟が
砂利道の終点にはこんな建物がありました。こちらの農家の家によくある建物です。
中には干し草ロールがありました。
こんな所もありましたが、何をする所なのかいまいちよく分かりません。
砂利道の終点の先には川が流れていました。
アイル川(Ayle River)という川です。
アイル川の先は草原が広がっていました。
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かつては大きなお屋敷だった"オールド"アイルハウスの隣には新しい家「新アイルハウス」が建てられています。
建てている途中の家の中の様子
新アイルハウスから見たオールド・アイルハウス。
上の写真から数か月後には、大分出来上がってきていました。
それから更に数か月経ちついに完成!
新しアイルハウスのキッチンです。銀色の扉が付いている所は冷蔵庫です。業務用か?ってほどでかい冷蔵庫です。
ダイニングルームからもリビングルームからもあたれる最新型のファイヤプレイス(fire place)。ただの薪ストーブでもなければ、普通の暖炉とも違う暖房装置です。
リビングルーム側から見た最先端のfire place。一つの暖炉で2部屋を同時に温められるようになっています。
これは子供部屋。大家さんには4人の子供が居ます。ハローキティの椅子があります。大家さんの子供たちは、私がちょくちょくジブリのDVDをあげているので、最近けっこう日本通になってきています。
廃墟になる前の「オールド・アイルハウス」はこんな感じだったそうです。
オールド・アイルハウスが廃墟になったのは、先代だか先々代の時代に生活が苦しくなった時期があって、お金を作るために家を取り壊して家の石を売ってお金を作ったのだそうです。
今の大家さんは、自分の代のうちにアイルハウスを復活させてたいと思い、少しづつ自分で建てていったそうです。
自分でこんな立派な家を建ててしまうなんてすごい人ですよね。
新アイルハウスが完成した頃には、廃墟だったオールド・アイルハウスを直し始めていました。
高台から見た新アイルハウス。
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「オニールズ1001」というアイルランドの音楽の楽譜集があります。アイルランドの音楽家の間では「バイブル」と呼ばれている超有名な楽譜集です。
オニールズ1001の中に「The Humors of Ayle House」というジグが載っています。
この曲の曲名は私の大家さんの住む「アイルハウス」から取ったそうです。
アイルランドの音楽家の間でバイブルと呼ばれているオニールズ1001
「アイルハウス」にはオニールズ1001を編纂したフランシス・オニールが滞在したことがあったそうです。
フランシス・オニールは1905年にフィークルを訪れているのですが、その時の滞在先がアイルハウスだったそうです。
滞在の詳しい経緯は分かりませんが、フランシス・オニールの奥さんはフィークルの出身だそうです。
オニールズ1001に載っているThe Humours of Ayle House
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アイルロッジとその周辺にやってくるゲストを紹介します。
バーニー(Barney)とロージー(Rosie)。大家さんが飼っている犬です。アイルロッジにもよく遊びにきます。
おい起きろよ!もう朝だぞと言わんばかりに「モーモー」鳴いていました。
朝のアイルロッジの前の通りの様子。典型的なアイルランドの田舎の朝の光景です。
アイルロッジの前は牧場になっているので、家の前にはいつも牛がいます。
家の外にバードフィーダーをぶら下げておいたので、色々な鳥がついばみに来ていました。
まるまる太ったロビン(コマドリ)。冬によく見る鳥です。
こちらのクリスマスカードによく描かれている鳥です。
庭の物陰に潜んでいたイタチ。ちっ見つかっちまったぜって顔してます。
この後の狼狽えぶりが面白かった。動画で撮っておけばよかった・・
アイルロッジのお隣には、ヴィンセント・グリフィンさんというアイルランドを代表するフィドル奏者が住んでいます。御年80になる大御所中の大御所の演奏家です。有難いことにたまにアイルロッジに来てフィドルを弾いてくれることがあります。
お隣のフィドル奏者ヴィンセント・グリフィンについてはこちらのページでもご覧いただけます。
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アイルランドの田舎の四季
アイルランドにも四季があります。
写真は移り行く季節を感じられるアイルロッジ周辺の景色です。
夜のアイルロッジ
こちらのページではアイルロッジのあるフィークル村の中心部をご覧いただけます。村のメインストリートにあるパブやパブで繰り広げられる伝統音楽のセッション、毎年夏に開催される音楽フェスティバルのことなどを紹介しています。
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