このページではアイルランド伝統音楽(アイリッシュ/ケルト)のお勧めCDを紹介しています。
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フィドル(ヴァイオリン)のお勧めCDはこちらのページを、
バンジョーのお勧めCDはこちらのページをご覧ください。
パッツィ・トゥーヒーはゴールウェイ州のロクレイ(Loughrea)出身のイリアン・パイパーです。
レコードが発明されて間もない頃にイリアン・パイプスの録音を残した奏者として知られています。
とても高度な技術を持った演奏家で、現代の演奏家と比べても遜色ない演奏です。
Patsy Touheyの参考音源
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アイルランド音楽の「バイブル」と称される「オニールズ1001」を著したフランシス・オニールはパッツィ・トゥーヒーと親交があったようで、オニールズ1001にはパッツィ・トゥーヒーの写真が載っています。
オニールズ1001に載っているパッツィ・トゥーヒーの写真
出身地のロクレイにあるパッツィ・トゥーヒーの像
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ゴールウェイ州のロクレイ(Loughrea)は著名な奏者を数多く輩出している土地で、フルートのヴィンセント・ブロデリックや、パディ・カーティー、アコーディオンのジョー・バーク、フィドルのコナー・タリーなどが知られています。
ロクレイの広場にあるヴィンセント・ブロデリックのプレート
パッツィ・トゥーヒーの演奏は「The Francis O'Neill Cylinders」というCDでも聞くことができます。
「The Francis O'Neill Cylinders」は「アイルランド音楽のバイブル」と呼ばれる「オニールズ1001」を著した「フランシス・オニール」が個人的に収集したシリンダーレコードをCD化したものと言われています。
このCDではパッツィ・トゥーヒーと共にジョン・マクファデン(John McFadden)やジェームズ・アーリー(James Early)などフランシス・オニールと交友のあった19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍した演奏家の演奏を聞くことができます。
オニールズ1001に載っているジェームズ・アーリーとジョン・マクファデンの写真。オニールズに掲載されている「Sergeant Early’s Dream」や「McFaden's Handsome Daughter」はこの2人にちなむそうです。
シリンダー式のレコード。円盤式になる以前のレコードはこのような形をしていたそうです。
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オニールズを著したフランシス・オニールは1905年に楽曲の収集のために私の住むフィークルを訪れています。
フィークルでは私の住むアイルロッジの母屋である「アイルハウス」に滞在したそうです。
その時に収集した曲なのかどうか分かりませんが、オニールズ1001には私の大家さんの家の名を冠した「The Humours of Ayle House」という曲が載っています。
フランシス・オニールが滞在した「Ayle House(左)」。Ayle Houseの門番小屋(私「Taka」が住んでいる家)(右)。
オニールズ1001に掲載されている「The Humors of Ayle House」
「The Wheels of the World Vol.1」は戦前にアメリカで活躍したアイリッシュの演奏家の演奏を収めたコンピレーションCDです。
戦前の録音というとマイケル・コールマンなどが有名ですが、このCDでは様々な楽器の奏者を聞くことができます。
The Wheels of the World Vol1の参考音源
「The Wheels of the World Vol.1」の第2弾です。
「Milestone at the Garden」は戦前から戦後間もない頃にかけてリリースされた「78's時代」のフィドルの録音を収録したコンピレーションCDです。
The Wheels of the World Vol1 & Vol2はアメリカに移民した奏者に限定していますが、こちらではアイルランドの奏者も収録されています。
マイケル・コールマンやジェームズ・モリソンなどの「定番」に加え、パディ・クロナンやショーン・ライアン、パディ・カニー、キャスリーン・ハリントンなどの若い頃の演奏を聞くことができます。
作曲家として有名なエド・リーヴィー(Ed Reavy)自身の演奏も収録されています。
ジョン・マッケナはリートリム州出身のフルート奏者です。1920年代から1930年代にかけて移民先のニューヨークでアイリッシュフルートのレコードを多く吹き込みました。
ジョン・マッケナの参考音源
ウィリアム・マラリーはウエストミース州出身のコンサーティーナ奏者です。マイケル・世界初のコンサーティーナのレコードの吹き込みを行った奏者として知られています。
現在のコンサーティーナの演奏法と比べると「時代遅れ感」は否めないそうですが、コンサーティーナの盛んなクレア州ではウイリアム・マラリーとほぼ同じ演奏法を用いて弾く奏者が1970年まで居たそうです。
古きよき時代のコンサーティーナ奏法を知れる貴重なレコーディングです。
フラナガン・ブラザーズはウォーターフォード州にルーツを持つアコーディオン奏者のジョー・フラナガンとバンジョー奏者のマイク・フラナガンによる兄弟ユニットです。
マイケル・コールマンやジェームズ・モリソン、ジョン・マッケンナなどと同時期にニューヨークで活躍しました。
商業的なセールスではマイケル・コールマンやジェームズ・モリソンを凌ぐ人気ぶりだったようです。
アコーディオンとバンジョーによる独特のグルーヴ感は多くの演奏家に影響を与えました。
フラナガン・ブラザーズの影響を受けた奏者には、アコーディオンのジョー・クーリーやフィドル奏者のフランキー・ギャヴィンなどが知られています。
フランキー・ギャビンはデ・ダナンでフラナガン・ブラザーズの代表曲「My Irish Molly O」を取り上げています。
ジョー・クーリーは彼のアルバムにおいてフラナガン・ブラザーズについて語っています。
マーティン・ヘイズの父親のP.Joeヘイズもフラナガン・ブラザーズの大ファンで、家にはマイケル・コールマンやジェームズ・モリソンの「78s」もあったそうですが、好んで聞いていたのはフラナガン・ブラザーズだったようです。
フラナガン・ブラザーズによる「The Old Blackthorn - The Connemara Stockings」の演奏。
フラナガン・ブラザーズによる「My Irish Molly-O」
同じ曲のデ・ダナンのカバーバージョン
ジョー・クーリーによるThe Old Blackthornの演奏
演奏の前にフラナガン・ブラザーズについて語っています。
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ジョニー・ドーランはシェイマス・エニスやウィリー・クランシーなどアイルランドを代表する多くのイリアン・パイパーたちに影響を与えた奏者として知られています。
ジョニー・ドーランはトラベラーでしたので、特定の場所に定住することなくアイルランド各地を回りました。
アイルランドで「トラベラー」というのは旅行者という意味ではありません。トラベラーとはアイルランド版のジプシーのことで、旅から旅へ各地を行商して回る人達のことでアイルランドには現在でもトラベラーが居ます。
現在のアイルランドでは「トラベラー」はあまり好ましい存在とは思われていません。
アイルランド伝統音楽の奏者の中にはトラベラー出身という演奏家も多くいます。
パディ・キーナンやヒューレイズ、ビョーガ(Beoga)の二ーヴ・ダン(Niamh Dunne)などはトラベラー出身の演奏家の代表格です。
ジョニー・ドーランの参考音源
トラベラー(アイルランドのジプシー)とアイルランド音楽について書かれた本
トラベラーのミュージシャン、トラベリング・ファミリーをバックグラウンドに持つ演奏家が多数紹介されています。ジョニー・ドーランの息子のインタビューなども載っていてトラベラーとアイルランド音楽との関係について詳しく知ることができます。
ウイリー・クランシーといえば、アイルランド音楽の世界でその名を知らぬものは居ないと言っても過言ではない、とても有名な奏者です。
毎年7月に開催されるウイリー・クランシーの名を冠した「ウイリー・クランシー・サマー・スクール」はアイルランドでアイルランドの音楽を演奏する者で、参加したことのない人の方が少ないであろう、アイルランド音楽界最大のサマースクールです。
ウイリー・クランシー・サマー・スクールのパンフレット
シェイマス・エニスもウイリー・クランシーと並んでアイルランド音楽界ではとても有名な演奏家です。
レオ・ロウサムは優れたイリアン・パイプスの奏者として、またイリアン・パイプスの製作家としても有名です。
代々イリアン・パイプスの奏者/製作家として続く家系の出身で、その伝統は孫のKevin Rowsomeによって受け継がれています。
リアム・オフリンはキルデア州出身のイリアン・パイプスの奏者です。
上で紹介したレオ・ロウサムから演奏を学んだそうです。
1970年代から80年代にかけてドーナル・ラニーやクリスティ・ムーアと共に「プランクシティ」というバンドの一員として活躍しました。
パディ・キーナンは上で紹介したリアム・オフリンと並び1970年代以降のコンテンポラリーなアイルランド音楽シーンの立役者となった演奏家の一人です。
プランクシティのメンバーでもあったドーナル・ラニーなどと共にボシー・バンドのメンバーの一人として活躍しました。
パディ・キーナンの参考音源
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Donncha Ó Briain(英語名: Denis O'Brien)はダブリン出身のティンホイッスル奏者です。
幼少の頃より筋ジストロフィーに冒され生涯を車椅子で過ごした奏者でした。
障害を持ちながらも高度な演奏技術を持った奏者で、演奏家として指導者として活躍しました。
彼が編纂した楽譜集「The Golden Eagle」は学習者向けの定番曲集として人気があります。
アイルランドを代表するパイパー「ミック・オブライエン (Mick O'Brien)」はDonnchaの兄弟です。
車椅子でティンホイッスルを吹くDonncha Ó Briain。
隣のパイパーは兄弟のミック・オブライエン(Mick O'Brien)。
Donncha Ó Briainが著した曲集The Golden Eagle
Donncha Ó Briainの参考音源
メアリー・バーギン*はゴールウェイ在住のティンホイッスルの奏者です。*実際の発音"バーガン"に近いです
アイリッシュ音楽最高峰のティンホイッスル奏者の一人です。
とても高度な技術を持った演奏家で、それまで学習者向けというイメージのあったティンホイッスルのイメージを払拭させた奏者と言われています。
ティンホイッスルの教則本も出版しています。
メアリー・バーギンの参考音源
マイコ・ラッセルはクレアのドゥーリン出身のティンホイッスル/フルート奏者です。
高度な演奏テクニックを用いる奏者ではありませんが、長年に渡りクレアの演奏家の鏡のような存在として皆から愛されてきた奏者でした。
今でもマイコ・ラッセルから影響を受けた奏者は多くいます。
ショーン・ライアンは日本ではお馴染みのティンホイッスルの奏者です。
ほぼ毎年来日公演をしているのではないでしょうか。
超絶技巧といっていいのかどうか分かりませんが、卓越した技術を持った奏者であることは間違いありません。
マット・モロイはロスコモン州出身のフルート奏者です。
グラミー賞を受賞したアイルランド音楽のバンド「チーフタンズ」のメンバーです。
現在のアイリッシュフルートシーンでマット・モロイの影響を受けていない者はいないのではないかと言えるほど、多くの演奏家に影響を与えたアイリッシュフルートの最高峰の奏者の一人です。
ジョジー・マクダーモットはロスコモン州出身のフルート/ホイッスル奏者です。
作曲家としても有名で「The Trip To Birmingham」や「The Baltimore Salute」などはジョジー・マクダモットの代表曲としてよく知られています。
このアルバムでもジョジー自身作曲の曲を聞くことができます。
ジョジー・マクダーモットはサックスの腕前も長けていたそうです。
ヴィンセント・ブロデリックはゴールウェイのロクレイ(Loughrea)出身のフルート奏者です。
このページの最初に紹介したパッツィ・トゥーヒーと同じ町の出身です。
ロクレイの広場にはパッツィ・トゥーヒーの像と一緒にヴィンセント・ブロデリックのプレートが飾られています。
彼の演奏は「Traditional Irish Flute Solos - The Turoe Stone Collection」という楽譜に付属するCDで聞くことができます。
この楽譜はヴィンセント・ブロデリックが作曲した曲を収録した曲集です。
ヴィンセント・ブロデリックはフルートの奏者としてだけでなく、作曲でも有名で彼の曲はセッションでもよく弾かれています。
ロクレイの広場に飾られているヴィンセント・ブロデリックのプレート
ジョニー・マッデン*はニューヨーク出身のフルート/ティンホイッスル奏者です。(*ジョアニー・マッデンとも)
両親はアイルランド出身で父親はこのページの始めに紹介したパッツィ・トゥーヒーと同じ東ゴールウェイの出身です。
ジョニー・マッデンはメンバー全員が女性の「チェリッシュ・ザ・レディース」というバンドのリーダーとして活躍しています。
彼女はアイリッシュのフルート奏者としては珍しく金属製の所謂"普通のフルート"を使っています。
彼女は日本の「ミヤザワ」というメーカーのフルートを愛用しているそうです。
ミヤザワフルートのジョニー・マッデンのページ
アイリッシュ音楽ではサックスも使われています。
現在はメジャーな楽器ではありませんが、戦前のダンスバンド(現在のケーリーバンドのような存在)ではよく用いられたそうです。
サックスは運指がフルートやティンホイッスルとほぼ一緒なのでフルート/ティンホイッスル奏者の持ち替え楽器として演奏されます。
このCDでサックスを演奏しているシェイマス・オドネルもフルート奏者としても良く知られています。(Colm O'Donnellの弟)
At the Racketはバンジョー/フィドル奏者のジョン・カーティー、バンジョー/ピアノのブライアン・マグラー、サックス/フルートのシェイマス・オドネル、マンドチェロのGarry O'Briainの4人編成のバンドで、1920年代のダンスホール時代のアイリッシュ音楽の再現をテーマにして結成されました。
ノエル・ヒルはアイルランド音楽界最高峰のコンサーティーナ奏者の一人です。
現在のコンサーティーナ奏者で彼の影響を受けていない奏者はほとんどいないと言っても過言ではないと思います。
アイリッシュ音楽のコンサーティーナのお勧めCDをたった一枚だけ選ぶとしたら、このアルバム以外に考えられないと思います。
コンサーティーナの魅力を余すことなく伝えてくれる名盤中の名盤です。
エリザベス・クロッティはクレア州出身のコンサーティーナ奏者です。
アイルランドでコンサーティーナといえばクレア州が圧倒的に盛んです。
特に女性の奏者が多く、以前はコンサーティーナといえば女性の楽器と言われるほど、クレアには多くの女性コンサーティーナ奏者が多く居ます。
エリザベス・クロッティはクレア出身の女性コンサーティーナの代表格と言えるでしょう。
このCDには1950~1960年代に録音された演奏が収められています。アイルランドを代表するフィドル奏者デニス・マーフーやパディ・カニーと一緒に弾いている曲も収録されています。
コンサーティーナに限らずクレアスタイルを学ぶのであればぜひ聞いておきたい一枚です。
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「Concertina Music from West Clare」は現在廃盤となっているようです。
アイルランド音楽家協会よりリリースされている「Concertina Players Of Co. Clare」というコンピレーションCDでエリザベス・クロッティの演奏を聞くことができるようです。
クリス・ドローニーはクレア州出身のコンサーティーナ奏者です。
1924年にクレア州北西のBell Harbourで生まれました。
アイルランド伝統音楽のコンクール"フラー"のコンサーティーナ部門で9回も優勝したことのある、アイルランドを代表するコンサーティーナ奏者の一人です。
現在(平成)の天皇陛下は、皇太子だった1985年にアイルランドを訪問しクレアを訪れているのですが、その際にクリス・ドローニーは皇太子の前で演奏したそうです。
それから20年後の2005年に天皇陛下が再びクレア州を訪れた際にも再びクリス・ドローニーが天皇陛下の前で演奏したそうです。
クリス・ドローニーの演奏はノエル・ヒルなどと比べると高度なテクニックを駆使した演奏ではありませんが、古き良き時代のクレアのテイストを持った奏法はクレアスタイルを学ぶ上でとても参考になります。
メアリー・マクナマラはクレア州の「タラ(Tulla)」出身のコンサーティーナ奏者です。
これまで紹介したコンサーティーナ奏者は全員クレアの西側の出身でしたが、メアリーはクレアの東側の出身です。
クレアの西側のウエスト・クレア・スタイルに対し、クレアの東側の「イースト・クレア・スタイル」はクレアの西側の演奏スタイルとはやや趣が異なります。
アイルランドを代表するフィドル奏者のマーティン・ヘイズはメアリー・マクナマラの幼馴染で、このアルバムに父親のP.J.ヘイズと共に参加しています。
左からメアリー・マクナマラ、P.J.ヘイズ、マーティン・ヘイズ
アイルランドの音楽の歴史の中でアコーディオンは比較的に新しい部類の楽器ですが、現在では伝統的なイリアンパイプスよりも演奏家の数が多く、アイルランドの伝統音楽で欠かせない楽器となりました。
ジョー・バークはアイルランドでアコーディオンをポピュラーな楽器にした立役者の一人です。
ジョー・バークはゴールウェイのこのページの一番始めに紹介したパッツィ・トゥーヒーと同じロクレイのすぐ近くの村出身です。
アメリカに住んでいたこともあり、アメリカではかのマイケル・コールマンの生徒だったアンディ・マガン(Andy McGan)などとよく一緒に弾いていたようで、ピアノのフィリックス・ドーラン(Felix Dolan)と共に2枚のアルバムをリリースしています。
ジョー・クーリーはゴールウェイ出身のアコーディオン奏者です。
上のジョー・バークは「BC*」のアコーディオンの奏者ですが、ジョー・クーリーは「C#D」の奏者です。*アイルランドのボタンアコーディオンにはボタンの配列が「BC」のタイプのものと、「C#D」のタイプのものが使われています。
有名なリール「Cooley's」はジョー・クーリーにちなみます。
アイルランド音楽ではハーモニカも演奏されています。
アイルランド音楽の世界ではハーモニカのことを「マウスオルガン」と呼ぶこともあります。
メジャーな楽器ではないのでCDを出している奏者は多くはありません。
もし一枚だけアイリッシュのハーモニカのCDを選ぶとすれば、このPhil、John、Pipのマーフィ兄弟による「Trip to Cullenstown」でしょうか。
Phil、John、Pipはウェックスフォード州出身のハーモニカの奏者です。アイリッシュ音楽におけるハーモニカの奏法のパイオニアと呼ばれています。
Phil, John, Pip Murphy - Trip to Cullenstownの参考音源
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ジョニー・コノリーはコネマラ出身のメロディオンの奏者です。
コネマラといえばシャンノース・ダンスが有名ですが、コネマラのシャンノースダンスには彼の伴奏が欠かせません。
コネマラ独特のあの「リフト感」はメロディオンだから出せるのかもしれません。
コネマラの音楽に興味がある方にぜひお勧めしたい一枚です。
日本では「アコーディオン」言えばこのタイプものが一般的ですが、アイルランドでは他のタイプのアコーディオンと区別するために「ピアノアコーディオン」と呼んでいます。
アラン・ケリーはロスコモン州出身のアイルランドを代表するピアノアコーディオンの奏者です。
ピアノアコーディオンといえばアラン・ケリーというほどアイルランドではメジャーな奏者です。
アイルランド音楽でピアノは伴奏楽器としての側面が強いのですが、ソロ楽器として用いられることもあります。
Padraic O'Reillyはピアノのソロ、伴奏どちらでも活躍しているクレア州出身の演奏家です。
ブズーキ奏者としても知られています。
オールアイルランドで3連覇を果たしたエニス・ケーリー・バンドのリーダーでもあります。
ハープはアイルランドの象徴として使われているアイルランドを代表する楽器なのですが、実はアイルランドの伝統音楽の世界で使われるようになったのはごく最近のことです。
Máire Ní Chathasaigh(英名はMaire Casey)はアイリッシュハープによるジグやリールなどのダンス曲の演奏法の確立させたアイリッシュハープ界のパイオニア的存在といえる奏者です。
コーク州の有名な音楽一家の出身で、プランクシティやドーナル・ラニーのクールフィンなどで活躍したフィドル奏者のNollaig Casey(ノーリック・ケイシー)は彼女の妹です。
Maire Ni Chathasaighはギター奏者のクリス・ニューマンと活動を共にすることが多いですが、妹のノーリック・ケイシー、マレイド・ケイシーと共にケイシー・シスターズとしても活動しています。
ミシェル・モルカヒーは若手ハープ奏者の代表格です。
コンサーティーナやフィドルの奏者としても活躍しています。
指導者として各地で教えているので、彼女の奏法に倣った奏者が多くいます。
父親のミック、姉とルイーズと共にモルカヒー・ファミリーとしても活動しています。
ミシェル・モルカヒーの参考音源
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アイルランド音楽ではソロ演奏やバンド演奏など色々な形態の演奏があります。
2つの異なる楽器によるデュエット演奏も色々な楽器の組み合わせがありますが、フィドルとフルートが「ベストマッチ」な組み合わせと言われています。
「Music of Sligo」はスライゴ出身のピーター・ホランとフレッド・フィンにフルート&フィドルのデュエットアルバムです。
フレッド・フィンののリズミックなスライゴスタイルの弓使いの演奏と、ピーター・ホランのスライゴ流の息遣いによるフルートの掛け合いは、まさに「ベストコンビ」と言えるでしょうか。
フレッド・フィンはセッションでもよく弾かれる「フレッド・フィンズ(Fred Finn's Reel)」を作曲した奏者としても知られています。
このアルバムで作曲した本人による「フレッド・フィンズ」を聞くことができます。
「McGreevy & Cooley」はシカゴ出身/在住のフィドル奏者ジョニー・マグリーヴィとゴールウェイ出身のフルート&バンジョー奏者シェイマス・クーリーによるフィドル&フルートのデュエットアルバムです。
シェイマス・クーリーは「クーリーズ」を世に広めたアコーディオンのジョー・クーリーの弟です。
ジョニー・マグリーヴィーは同じくシカゴ出身のフィドル奏者リズ・キャロルの先生の一人として知られています。
このアルバムではジョニー・マグリーヴィーのスライゴスタイルのフィドル奏法とシェイマス・クーリーの東ゴールウェイスタイルの滑らかなフルート奏法が絶妙にブレンドされた落ち着いたタッチの演奏を聞くことができます。
パディ・カーティーとコナー・タリーはこのページの一番最初に紹介したパッツィ・トゥーヒーと同じゴールウェイ州のロクレイ出身の演奏家です。
パディ・カーティーは東ゴールウェイ・スタイルのフルート奏法の代表格です。
FナチュラルやBフラットを多用する東ゴールウェイ・チューン(East Galway Tune)をフルートで演奏するために「ラドクリフ式」のフルートを使用していたことで知られています。
このアルバムでは正統派の東ゴールウェイ・スタイルのフルートとフィドルのデュエット演奏を聞くことができます。
ラドクリフ式フルート
「Bridging the Gap」はケヴィン・モローニーとショーン・モロニーの叔父&甥っ子コンビによるフィドルとフルートのデュエットアルバムです。
フルートのショーン・モロニーの父親のエディ・モロニーは東ゴールウェイのバリナキル(Ballinakill)の出身で、世界初のケーリーバンド、「The Ballinakill Traditional Players」の一員でした。
このアルバムでフィドルを弾いているショーンの叔父のケヴィン・モロニーも「The Ballinakill Traditional Players」のメンバーの一人でした。
東ゴールウェイスタイルのフィドルとフルートによる息の合った演奏を聞くことのできる東ゴールウェイスタイルファン必聴のアルバムです。
ゴールウェイのバリナキルには「キャラルーハウス」という大きなお屋敷があります。セッションでもよく弾かれる「Carraroe House」の名前はこのお屋敷から来ているそうです。
「Cosa gan Bhróga」はアイルランド東部のラウス州出身のジェリー・オコナーとEithne Ní Uallacháinの夫婦によるフィドルとフルートのデュエットアルバムです。
Eithne Ní Uallacháinは歌手としても有名で、このアルバムでは彼女のシャンノースの歌も聞くことができます。
またこのアルバムにはベルファスト出身のフルート奏者デジ・ウィルキンソン(Desi Wilkinson)も参加しています。
アイルランド北東部のレパートリーやスタイルを知るのにとても参考になるアルバムです。
ジェリー・オコナーとEithne Ní Uallacháinは後に「Lá Lugh」のユニット名で数枚のアルバムをリリースしています。
3枚目のアルバム「Senex Puer」はソニーからリリースされ日本ツアーの話もあったようですが、Eithneの急逝に伴い日本ツアーの話は立ち消えに・・・
「チェリッシュ・ザ・レディース」といえばアメリカを拠点に活動するメンバー全員が女性のグループを思い浮かべると思いますが、こちらは"アイルランド版"のチェリッシュ・ザ・レディースです。
結成はこちらの方が早く「Pure Traditional Music of Ireland」はもともとベルファストの伝統音楽レーベル「Outlet」より1981年にリリースされました。
アイルランド版のチェリッシュ・ザ・レディースはフルートのペグ・マグラー、フィドルのキャスリーン・スミス、ピアノのメアリー・マルホランドの3人編成で、実質的にペグ・マグラーとキャスリーン・スミスによるフルートとフィドルのデュエットアルバムとなっています。
ペグ・マグラーはロスコモン州出身のフルート奏者で、キャサリン・マカヴォイなど多くのフルート奏者が彼女の影響を受けています。
ピアノのメアリー・マルホランドはファーマナ州の出身で、地元のケーリー・バンド「Pride of Erin Ceili Band」のメンバーとして活躍したアイルランド北部を代表するピアノ奏者の一人です。同州出身のピアノ&バンジョー奏者のブライアン・マグラー(Brian McGrath)*はメアリー・マルホランドの影響を受けているそうです。
*ちなみにペグ・マグラ―(Peg McGrath)とブライアン・マグラ―(Brian McGrath)の間には血縁関係はないそうです。「McGrath」はアイルランドでは割と多くある名字の一つのようです。
アントリム州出身のフィドル奏者キャスリン・スミスについては詳しくは分かりませんが、アイルランド北東部の歯切れのよいスタイルを聞かせてくれます。
こちらはアメリカ版のチェリッシュ・ザ・レディース。
アイルランド版のチェリッシュ・ザ・レディースとは関係ありません。
「Ceol Aduaidh」はマレイド・二・ウィニーとフランキー・ケネディーの夫婦デュオによるフィドル&フルートのデュエットアルバムです。
「マレイド・二・ウィニー」と聞いてピンと来た方も多いと思いますが、あのアルタンのマレイド・二・ウィニーがアルタンを結成する前に出したアルバムです。
このアルバムではマレイドの出身地のドネゴールのレパートリーを中心に、フィドルのマレイドとフルートのフランキーの息の合った演奏を聞くことができます。
シンセサイザーの伴奏で加わっている「Eithne Ní Bhraonáin」は後に「エンヤ」として活躍することになります。
「Banks of Shannon」はアイルランドを代表するアコーディオン奏者にして作曲家のパディ・オブライエンとフィドル奏者のシェイマス・コノリーによるアコーディオン&フィドルのデュエットアルバムです。
ピアノの伴奏をフィドルの奏者&作曲家としても有名なチャーリー・レノンが務めています。
フィドルとアコーディオンデュエットの大名盤と言われているアルバムで、メロディックスタイルのアコーディオン奏法の祖と言われるパディ・オブライエンのソロ演奏を聞ける貴重なアルバムです。
「The Branch Line」はジャック・コーエンとチャーリー・コーエンの兄弟によるフルート&コンサーティーナのデュエットアルバムです。
コーエン兄弟は東ゴールウェイのウッドフォード(Woodford)の出身です。東ゴールウェイ・スタイルの滑らかななタッチの演奏が特徴です。
二人ともニューヨークに移民しチャーリー・コーエンは神父となりファーザー・チャーリー・コーエンと呼ばれました。
ジャック・コーエンはニューヨーク郊外のブロンクスに住み、アイリッシュフルートの演奏家/指導者として活躍しました。
チェリッシュ・ザ・レディースのジョアニー・マッデンは彼の教えを受けた奏者の一人です。
The South West Windはダブリン出身のイリアン・パイプ奏者ローナン・ブラウンとクレア州出身のフルート&フィドル奏者ピーター・オロコリン(またはパダ・オロコリンとも)によるパイプ&フルート/フィドルのデュエットアルバムです。
ウィリー・クランシーなどウエストクレアを代表する演奏家のレパートリーを中心に構成されたパイプ&フルート/フィドルの大名盤です。
ピーター・オロコリンはクレアを代表する2大ケーリー・バンド、キルフェノーラ・ケーリー・バンドとタラ・ケーリー・バンドの両方のバンドのメンバーで、1950年代にはマーティン・ヘイズの叔父のパディ・カニー、マーティン・ヘイズの父親のP.J.ヘイズと共に伝説的なアルバム「All Ireland Champions」にも参加しています。
ピーターはフルートで2回オール・アイルランドのタイトルを獲得しているクレアを代表するフルート奏者の一人です。
The South West Windの参考音源
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