地域別による演奏スタイルの違いなど
アイルランドの民族音楽で使われるバイオリンの演奏法の特色について
(Regional Styles in Irish Fiddle Playing)
アイリッシュフィドルは、地域によって演奏法や演奏している曲に違いがあります。
日本にもそれぞれの地方に「○○民謡」など、特定の地域で伝統的に歌われている歌があるように、アイルランドのフィドル奏法も地方によって様々なスタイルがあります。
アイルランドでは地方特有の演奏法のことを「リージョナル・スタイル」とよんでいます。
以下は代表的なスタイルです。
ド二ゴール(ドネゴール)はアイルランドで最も北に位置する州(カウンティー)です。世界的に有名な歌手エンヤはこの州の出身です。
ドネゴールは歴史的にスコットランドとの関係が深く、ド二ゴールの音楽はスコットランドの音楽の影響を受けた部分があります。
ジョニー・ドハーティ(Johnny
Doherty)やジェームズ・バーン(James
Byrne)などがこのスタイルの代表的な演奏家です。
ド二ゴール奏法を代表する「ジョニー・ドハーティ」
ジョニー・ドハーティの演奏
スライゴーはド二ゴールの下に位置する州です。
ノーベル文学賞を受賞した詩人イエーツが少年時代を過ごした地で、イエーツの詩にはスライゴーの描写が多く登場するそうです。
スライゴ・スタイルはフィドルの神様とも呼ばれるマイケル・コールマンの影響もあり、アイリッシュ・フィドルのお手本ともいえるスタイルとして知られています。
代表的な演奏家にはマイケル・コールマン(Michael Coleman)、ジェームズ・モリソン(James Morrison)、パディ・キローラン(Paddy Killoran)などが知られています。
マイケル・コールマンの演奏
ジェームズ・モリソンの演奏
ご本人による「モリソンズ・ジグ」です。
クレアはアイルランドの中西部に位置する州です。モハーの断崖やバレン高原など有名な景勝地が多くある県です。
クレアのフィドルの奏法は、他の地域に比べるとややゆったりとしたテンポで演奏されます。また調(キー)を下げて*弾くことも多くあります。
この地域の代表的な演奏家にはジュニア・クリハン(Junior Crehan)、ボビー・ケイシー(Bobby Casey)、ジョー・ライアン(Joe Ryan)などが居ます。
*アイリッシュ音楽の楽曲は『D(ニ長調)』、『G(ト長調)』で演奏されることが多いですが、クレアでは『C(ト長調)』や『Bフラット(変ロ長調)』、『F(ヘ長調)』などでも演奏されています。
ジョー・ライアンの演奏
シュリーブルークラ(シュリーヴ・ルークラ)はアイルランド南部のコーク州、ケリー州、リムリック州に跨るエリアです。
この地域では、ポルカやスライドというタイプのダンス曲がよく演奏されています。
ポードリック・オキーフ(Pádraig O'Keefe)、デニス・マーフィー(Denis Murphy)、ジュリア・クリフォード(Julia Clifford)、パディ・クローナン(Paddy Croninなどがこの奏法を代表する演奏家です。
ポードリック・オキーフの演奏
パディ・クローナンの演奏
アイルランドにはここに挙げた以外にも、様々な演奏法を存在します。
以下のページでは、アイリッシュ音楽を代表する100名以上のフィドル奏者を地域別に紹介しています。
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