アイルランドの音楽の演奏は、人に聞かせることだけを目的としたライブ形式での演奏だけでなく、友人同士で互いの家や、アイリッシュパブなどに集まって一緒に演奏を楽しむ「セッション」も盛んに行われています。
フィークルのセッション with マーティン・ヘイズ
アイリッシュパブでのセッション
アイルランドでアイルランド音楽の生演奏といえば「セッション」の方が多く、演奏家が舞台上で弾くコンサート形式の演奏は頻繁にはありません。
ウィキペディアによるとセッションとは、
「本格的な準備や、予め用意しておいたアレンジを使うことなしに、ミュージシャン達が集まって即興的に演奏すること。」
と書いてあるとおり、基本的にはとてもカジュアルなものです。
演奏のレベル、弾ける曲の数に関わらず誰でも参加できるものです。
以下にアイルランド音楽のセッションのセッションの基本的なことをまとめてみましたので、セッションに参加してみたい方はぜひ参考にしてみてください。
アイリッシュパブでのセッション
セッションを
「本格的な準備や、予め用意しておいたアレンジを使うことなしに、ミュージシャン達が集まって即興的に演奏すること。」
だとすれば、どこででもセッションをすることができます。
事実アイルランドでも夏のフェスティバルの期間中などは、路上や公園など様々な場所でセッションをしている光景を目にします。
色々な場所でのセッション
ケヴィン・バークとのセッション
場所は大学の中庭に建てられたマーキー(テント)の中。
サマースクール期間中に学校の体育館で行われた大セッション。
著名なフィドル奏者パディ・クローナンとのセッション。
演奏している場所は船の中です。
普通アイルランドで「セッション」というと「パブ」でやっていることが多いです。
色々なアイリッシュパブ
地元フィークルのペパーズ
ティペラリーのパブ
アイルランドのタリーズ
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セッションの始まる時間は、基本的に夜が多いです。
私の住むクレアのフィークル周辺だと、だいたい夜10時に始まることが多いです。
日曜日だと昼間や夕方の早い時間に始まるセッションもあります。
セッションをやっている時間はだいたい2時間くらいでしょうか。
夜10時に始まって12時くらいで終わるところが多いです。
場所によっては明け方まで延々とやっているところもあります。
アイルランド音楽では色々な楽器が使われていますが、セッションでも色々な楽器が使われます。
アイルランド音楽で使われている楽器についてはこちらをご覧ください。
多いのはフィドルやフルート、ボタンアコーディオンやコンサーティーナなどのメロディ楽器です。
演奏するときは全ての楽器がまったく同じ旋律を弾きます。
ジャズのセッションのように、楽器ごとにソロでアドリブを弾くことはしません。
セッションで使われている色々な楽器
若い子(中高生)たちのセッション
アイリッシュハープが参加しているセッション
セッションはライブと違ってマイクを立てたり、アンプを通して音を出すことはしないので、音の小さな楽器だと他の楽器にかき消されてしまってあまり楽しめないかもしれません。
ギターやブズーキなどの伴奏楽器が入ることもありますが、アイルランド音楽は基本的にまず何よりも「旋律」ありきな音楽なので、伴奏での参加は注意が必要です。
セッションの雰囲気を盛り上げてくれる伴奏ならいいのですが、旋律を台無しにしてしまうような伴奏はNGです。
これはバウロンなどの打楽器にも同じことが言えます。
アイルランドの伝統曲には色々な種類の曲がありますが、セッションでも色々な曲が演奏されています。
アイルランドで演奏されている曲についてはこちらをご覧ください。
色々な曲があるのですが、一番多く演奏されているのは「リール」や「ジグ」などのダンス曲です。
リールが圧倒的に多く、その次にジグ、ホーンパイプなどと続きます。
アイルランドのセッションでは実にたくさんの曲が演奏されています。
一晩のセッションでも、かなりの数の曲が出てくるので、セッションに参加するには曲をたくさん知っておかないといけません。
しかもアイルランドの音楽は楽譜を見ながら演奏することがないので、曲は全て覚えておかないといけません。
セッションに参加するにあたって、一応マナーというのもあります。
やっている場所によって違いもあったりするのですが、一般的には以下のようなことをするのはあまり良くないと言われています。
・ セッションの独り占め。
曲を勝手にどんどん弾きだしたり、セットを延々と続けたりするのはNGでしょう。
・ホストを差し置いての演奏。
セッションによっては、セッションのリーダー役が決められている場合があります。セッションのリーダー役のことをホストと呼び、ホストが居るセッションでは、演奏する曲はホストが決めてホストから演奏を開始します。ホストが弾きはじめた曲を知っていれば一緒に弾いてもいいし、曲を知らなければその曲についてはお休みになります。自分から曲を弾きだしたくてもホストから「何か弾いてください」と声が掛からない限り勝手に弾きだすのはNGと言われています。
ちなみにアイルランドのセッションだと、ホストから声をかけられて自分から曲を弾き出す時の選曲は自由です。
あえて皆で弾けるコモンチューン曲である必要はなく、難しい曲やどマイナーなチューンを出してもぜんぜん構いません。
ただマイナーなチューンは、一人で弾かなければいけない可能性が大なので、ソロで弾く自信がないときは、コモンチューンを出したほうが無難でしょう。
このホームページを作っている私「Taka」も定期的にセッションをやっています。
私がやっているセッションも基本的に誰でも参加できる「オープンセッション」です。
演奏レベルや経験年数は問いませんので、興味ある方はぜひご参加ください。
よく「私みたいな初心者でも参加していいですか?」とか「どんな曲を弾いているのですか?」と聞かれることがあるのですが、セッションってわざわざ断って行くようなものではないと思います。
私がアイルランドに住み始めたばかりの頃は、周りに一切知り合いが居なかったので、「私みたいな初心者でもセッションに参加していいですか?」と聞く相手すら居ませんでした。
セッションに行って曲や曲の弾き方を学んだものです。
もちろん初めて行ったセッションでいきなり弾けることはありません。最初の数か月はぜんぜん曲が分からず、参加するといっても実際はほとんど聞いているだけでしたが、それでもセッションの輪の中に加わって曲を聞いているのと、セッションの外から盗み聞きしてしているのではぜんぜん違います。
けっこうセッションの輪には加わらず外から盗み見、盗み聞きしている人もいるようですが、本当セッションで弾けるようになりたいのであれば最初からセッションの輪に加わって先輩ミュージシャンから色々なことを教わりながらレパートリーを増やしていった方が上達のスピードが速いと思います。
私がやっているセッションの開催日や開催場所については、こちらのページでご覧ください。
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