アイルランドでフィドル(バイオリン)を習っています。
先日アイリッシュコーヒーの故郷、リムリック県の「フォインズ」という町を訪ねてみました。
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アイリッシュ・コーヒーはアイリッシュ・ウイスキーとコーヒーを混ぜて、砂糖で甘くして、上にクリームを載せたホットカクテルです。
寒い時期に飲まれることが多いと思います。
アイリッシュ・コーヒーはリムリック県のフォインズ」という町で誕生したと言われています。
フォインズにあった国際空港のレストランのシェフが考案したそうです。
フォインズはアイルランド共和国第3の都市「リムリック」の西側に位置する、アイルランド最長の河川であるシャノン川沿いの町です。
フォインズの辺りのシャノン川は川といっても、河口に近いので川というよりもほぼ海といった感じでしょうか。
フォインズの港の波止場
フォインズの港に停泊する大型船舶
河口付近のシャノン川は水深が深いので、大型タンカーも通れるそうです。
港の近くに公共のプールがありました。
川をせき止めて作ったのでしょうか。
中の水は川の水をそのまま引いたような感じでした。
アイルランドにはこんな感じのプールがけっこうあります。
公共のプールの近くにあった「マイルストーン」
アイルランド版の一里塚といったところ。
現在フォインズに鉄道は通っていませんが、かつては鉄道が通っていたようで、今も駅舎や線路が残っています。
フォインズ駅の駅舎です。
フォインズ駅のプラットホームです
旅客用の列車は1963年で廃止されたようですが、貨物列車は2002年まで運行されていたそうです。そのせいか線路はわりと綺麗な感じで保たれています。
戦前フォインズには国際空港(水上飛行場)がありました。
かつて国際空港だった場所が博物館になっています。
博物館はフライング・ボート・ミュージアム(飛行艇博物館)という名前の博物館です。
博物館の建物は当時の空港のターミナルがあったところに建てられているそうです。
館内に入るとアイルランド出身の有名女優「モーリン・オハラ」の大きな写真パネルが飾られています。彼女は博物館の"名誉館長"みたいなものに就いているらしいです。
中の様子はこんな感じです。なんとなく空港のターミナルっぽいです。
当時のままなのか、建て替えたものなのかは分かりません・・
当時の空港の様子が写っている絵葉書が、館内のお土産屋さんにありました。
1930年代にフォインズにあった国際空港はこんな感じだったようです。
この当時は水上で離着陸をする「飛行艇」が旅客機の主流だったそうです。
これも館内のお土産さんに置いてあった絵葉書です。
1930年代はこんな感じの飛行機で空の旅をしていたそうです。
博物館の建物の横には実物大の飛行艇があります。
現代のジェット旅客機と比べるとわりと小ぶりな感じです
機内に入ることができます。
操縦席です。
こちらは食堂だそうです。戦前の旅客機には食堂があったようです。
当時の機内の食事風景だそうです。今の旅客機よりも広々しているように見えます。
寝台車・・ならぬ、寝台室です。1940年頃はアイルランドからニューヨークまでのフライトに25時間もかかったそうです。
飛行艇が飛んでいた時代の寝台室の写真です。
1930~40年代頃のCAの制服だそうです。
アイルランドを代表するカクテル「アイリッシュ・コーヒー」はフォインズにあった空港のレストランのシェフが考案したそうです。
飛行艇博物館の中にあったアイリッシュ・コーヒーについての説明版。「invented at Foynes (フォインズで発明された)」と書いてあります。
空港のレストランのシェフだった「ジョー・シェリダン(Joe Sheridan)」。この人がアイリッシュ・コーヒーを考案したそうです。
飛行艇全盛期の頃の空の旅は、とても寒かったそうで、これから長旅へと向かう人、長旅を経てフォインズに降り立った人たちに温まってもらおうと考案したのが、アイリッシュ・コーヒーなんだそうです。
飛行艇博物館ではアイリッシュ・コーヒーの作り方講座もやっています。
ここの講座では「パワーズ(Powers)」というウイスキーを使ってアイリッシュコーヒーを淹れていました。
博物館内にあるお土産屋さんで売られていた、アイリッシュコーヒーのギフトセット。グラスとウイスキーがセットになっています。セットになっているウイスキーは作り方講座で使われていたのと同じ「パワーズ」です。
パワーズはアイルランドだと普通のスーパーマーケットでも買えるのですが、日本だとどうなのでしょうか・・・
飛行艇博物館のお土産さんに、アイリッシュコーヒーの作り方が書いてある絵葉書が売られていました。
これによると、アイリッシュコーヒーは以下のように作るそうです。
① グラスにティースプーンを入れ、沸騰したお湯を 5 秒間注ぎます。
② あらかじめ温めておいたグラスに、ティースプーン1 杯分のブラウン シュガーと適量のアイリッシュ ウイスキーを入れます。
③ グラスの縁から1cmまで、熱く濃いブラック コーヒーを注ぎます。 よくかき混ぜて砂糖を溶かします。
④ ホイップしたクリームをスプーンの背からコーヒーの上に軽く浮くようにそっと注ぎます。
⑤ クリームを通してホットコーヒーとアイリッシュウィスキーを飲むことで本当の風味が得られるので、クリームを加えた後はかき混ぜないでください。
だそうです。
飛行艇博物館の向かいにレストランがあったので入ってみました。
なかなかいい感じのレストランです。
ザ・シャノン・ハウス(The Shannon House)というレストランで、お店の壁にはフォインズ港と飛行艇が描かれています。
中はこんな感じです。
店内には飛行艇が飛んでいた頃のフォインズの昔の写真が沢山飾られていました。
これがアイリッシュコーヒー生誕の地で飲んだアイリッシュ・コーヒーです。
フォインズには飛行艇全盛期の時代に国際空港(水上飛行場)がありました。
今現在、アイルランドの西部で国際空港といえば、シャノン空港が有名です。
フォインズもシャノン空港もシャノン川の河口に面しています。
そう、フォインズのお向かい(正確には"ほぼ"お向かい)には、シャノン空港があります。
フォインズとシャノン空港の位置関係はこんな感じです。
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