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[日本庭園、珍名キルの町、モナスタラヴァンの水道橋 etc】
キューピッズタウンヒル遠景
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キルデア州の州都であるネース(Naas)という町がキューピッズタウンヒルの最寄り町になります。
キューピッズタウンヒルへはネースからキルティールという村を経由していくと分かりやすいです。
キューピッズタウンヒルはキルティールの村からすぐです。
キルティールはパブが1軒だけある小さな村なので、買い物などはネースの町かキルの町で済ませておいた方が無難です。
キルティールに一軒だけあるパブ - The Kilteel Inn
ちなみにこのお店にはビーミッシュの看板がかかっていました。
ビーミッシュはギネス、マーフィーズに並ぶアイルランドの人気スタウトビールのブランドです。
キューピッズタウンヒルの最高地点への行き方には色々なルートが考えられると思います。
上の地図でみてもキューピッズタウンヒルの名前の由来となった西側のキューピッズタウンからも行けそうですし、北側のクロムウェルズタウンヒルからも行けそうです。
私が登ったときは地図の印のところ、山の南側から歩いてみました。
南側のスタート地点
南側からのルートはいたって簡単です。
この門の脇から入って500メートルほど歩くと電波塔が見えてきます。
電波塔のすぐ先にキューピッズタウンヒルの頂上を示す三角点が置かれています。
上の道の先にある電波塔。
奥にキューピッズタウンヒルの三角点が見えています。
ここまでの道のり。道の上を真っ直ぐに歩いただけですが・・(笑)
ここまでの歩行データ。移動距離568メートル。移動時間は9分29秒・・
ほとんど運動になっていません・・
一応頂上で記念撮影。
頂上からの眺め
キューピッズタウンヒルの最寄りの町キルティールのお隣には「キル」という名前の村があります。
キル村の入り口。「kill」ってスペルが英語の「殺す」って単語と同じなので、初めてこの村を通りがかったときは一瞬「えっ!?」っとなりました。
「キル」は村の名前がちょっと怖い以外は、特に何もない小さな村です。
他に特色というとアイルランドの伝統音楽が好きな人ならピンとくるかもしれませんが、有名なイーリアン・パイパー「リアム・オフリン」はこの町の出身です。
今もここに住んでいるかどうかは分かりませんが・・・
ようこそキル村へ!
キルは整った町。別の意味にも捉えられそうな・・
ちなみにアイルランドには「キル〇〇」とキル(KillまたはKil)で始まる地名が沢山あります。
このキルの村があるキルデア州(Kildare)もそうですし、キルのお隣のキルティール(Killteen)もそうです。
良く知られている地名だと、ケリーのキラーニー(Killarney)やキルケニー(Kilkenny)、クレアのキルラッシュ(Kilrush)やキルキー(Kilkee)、スライゴのキラヴィル(Killavil)などがあります。
そもそも「キル」とはアイルランド語で「教会」という意味だそうで、キルで始まる地名は「〇〇教会が収める地」という意味になるそうです。
例えばキルケニー(Kilkenny)であればケニー(Kenny)の教会(Kil)が収める土地、キルコンネル(Kilconnell)であればコンネル(Connell=O'Connell)(オコンネルのO'の付かないバージョン)の教会(Kil)が収める土地という意味なのだそうです。
ちなみにアイルランド語だと「Kill」は「Cill」と綴るようです。
当然キル(村)にもキル(教会)があるんだろうなと思って探していたら。
ありました(笑)
これがキルのキルです。
キル村の教会は「St.John's Kill」という名前でした。
「セイント・ジョンズ・チャーチ(St. John's Church)」ではなくKillを使うのは村の地名を意識してのことなのでしょうか。
ちなみにプロテスタントの教会です。
キルデアと言えば日本庭園(Japanese Garden)も見どころの一つです。
キルデアの日本庭園はタッサ・イイダ(Tassa Eida=飯田三郎)とその息子のミノル(Minoru=飯田実)の親子によって1906年から1910年にかけて作られた日本庭園です。
人の一生をテーマにした庭園だそうです。
この通りは人生の道だそうです。
池と橋
これは茶室でしょうか。
茶室(?)の内部。
植木の切り方がどことなくワイルドな感じ。
もみじの葉。風情があっていい感じです。
日本庭園に落ちていた栗。
キルデアの日本庭園のお隣には、アイルランド国立の競走馬(サラブレッド)の生産牧場「ナショナルスタッド」があります。
もともとは個人経営の牧場だったそうですが、後に英国政府に寄贈され1916年から1943年までは英国のナショナルスタッドだったそうです。アイルランドがイギリスから独立した後はアイルランド政府の所有となり、現在はアイルランド国立の競走馬(サラブレッド)の生産牧場となっています。
未来の名馬(?)
大きな厩舎
馬のごはん? 干し草ロールが沢山置いてありました。
中には博物館があり競走馬の歴史や、競馬の歴史について触れることができます。
ナショナルスタッドの博物館内。
日本庭園とナショナルスタッドにはお土産屋さんとカフェが併設しています。上はカフェで食べたケーキ。味はコーヒー風味。
キルデアの日本庭園&ナショナルスタッドの近くには、「キルデア・ヴィレッジ」というアウトレットショッピングモールがあります。
キルデア・ヴィレッジのショッピングモール。日本のアウトレットにも感じが似ています。
平日の昼間でも結構混んでいました。休日はすごい混むんでしょうね。
キルデア・ヴィレッジのスタバ。アイルランドのスタバはダブリンとコーク空港とキルデア・ヴィレッジ以外にはないので、クレアに住んでいる私にはとても新鮮に見えます。
キルデア・ヴィレッジのティファールショップ。アイルランドスペシャルのフライパンがありました。
キルデア・ヴィレッジのお店ですが、アウトレットといっても値段は結構高めというか、特に安いということはないです。
アシックスとかナイキ、ノースフェイスのアウトレット店も入っていたのですが、こちらは型遅れの品が多くサイズも揃っていなくてちょっと残念な品揃えでした。
アイルランドやイギリスでお馴染みの「Superdry-極度乾燥しなさい」のお店。意味不明の日本語が書かれた服を売っていることで有名。
こちらでは着ている人をよく見ますが、自分でも着てみようとは思わないですかね。
極度乾燥しなさいの店内。
キルデアのお隣にモナスタラヴァン(Monastervin)という村があります。
グーグルマップだと「モナスタレビン」と表示されているのですが、正しい発音はどうなのか微妙です。
とりあえずここでは「モナスタラヴァン」と表記させていただきます。
この村にはちょっと変わった橋があります。
それがこの下の「モナスタラヴァンの水道橋」です。
aqueductとは水路、水道、高架式水道、水道橋を意味するそうで、この場所に相応しいのは高架式水道、水道橋だと思います。
何処が変わっているかというと、前に川が写っていると思いますが、この川はグランド・カナル*(Grand Canal)という運河です。
運河なので水が流れているのは当然なのですが、下の写真を見ると、
*グランド・カナルはオファリー州のシャノンハーバーからダブリンのグランドカナルドックに注ぐ全長132km運河でアイルランドではロイヤル・カナル(Royal Canal)とならんでアイルランドの舟運を支えてきた2大運河の一つです。
運河の下に別の水の流れがあります。
下を流れているのはバロー川というアイルランドで2番目に長い川です。
バロー川についてはよかったらこちらの記事をご覧になってみてください。
つまりここは川と川が交差する地点だったのです。
しかもどちらかの川が一方の川の流れに合流するのではなく、それぞれの川の水の流れは交わることなく橋で交差させているのです。
この手の橋は運河ではよく見られるそうで、アイルランドだとロイヤルカナル沿いにも水道橋(アクアダクト)があるそうです。
水道橋(高架水道)の両脇は歩道になっていて、普通に橋を渡るように歩いて通ることができます。
ちなみにこの高架水道の隣には鉄道用の橋も架かっていて、頻繁に列車が通るのを見ることができます。
見ると幸せになれる!?アイルランド版ドクターイエロー(整備用車両)。
モナスターヴィンからバロー川沿いに南下したところに、アティ(Athy)という町があります。
アティのメインストリート。
アティは小さな町ですが活気があって、街並みも小ぎれいな感じで個人的にはけっこうポイントの高い町だと思います。
アティの町の中を流れるバロー川と川のほとりのホワイト城(White's Castle)。
ホワイト城は1417年の築城だそうです。
この建物は昔裁判所として使われた建物だそうです。(Athy Court House)
こちらはアティ駅。ダブリンとウォーターフォードを結ぶ路線を走る列車が停まります。
アティにはダブリンとウォーターフォードを結ぶ路線以外の路線も通っています。これはバロー川に架かるウルフヒル支線(Wolfhill Branch)の鉄道橋です。
ウルフヒル支線はアティとアティのウルフヒルというところにある炭鉱を結んだ貨物用の路線でした。炭鉱が閉じられた後も貨物用の路線として利用され2005年までセメントを運ぶ貨物車が走っていたそうです。
これは先ほどモナスターヴィンの高架水道のところで登場した運河、グランド・カナルです。グランド・カナルはアティも通っています。
運河沿いに歩くと運河で使われている色々な施設、仕掛けを見ることが出来ます。
バロー川との合流地点に設けられている水門です。閘門とも呼ぶそうです。運河側の水量を一定にするための装置だそうです。
上の水門を逆から見たところ
これは跳ね橋ですね。可動橋とも呼ぶそうです。普段は開いていて、人が川を渡る時だけ橋を下ろす仕組みです。
手動で橋を下ろすようになっています。
アティのメインストリートにはこの年アイルランドの伝統的な美人コンテスト「ローズ・オブ・トラリー」で優勝したClare Kambamettuさんを祝う横断幕が掲げられていました。
この年のローズ・オブ・トラリーになったClare Kambamettuさんは実はロンドンで勉強していたこともありローズ・オブ・トラリーのコンテストにはロンドン・ローズとして出場していましたが、出身はアティだそうです。
「Kambamettu」というアイリッシュにしては一風変わった苗字ですが、お父さんがインド出身だそうです。
なかなかの美人さんですね。
キルデアからクレアに戻る際に通った有名なリールと同じ名前の町