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[アイリッシュ・フルートの神様?の生誕地 etc]
Truskmore SE Cairn Co. Leitrim 631m
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トラスクモアはスライゴ州の最高峰の山ですが、スライゴ州のお隣リートリム州の最高地点もこの山にあります。
アイルランドには一つの山で2つの州の最高峰となる山がいくつかありますが、この山の場合リートリム州の最高地点とスライゴ州の最高地点は異なる所にあります。
山頂に州の境界線が通る他の山と違い、スライゴとリートリムの境界線は山頂から離れたところを通っているのです。
トラスクモアの南東の標高631メートルの地点がリートリム州の最高地点とされています。
最高地点にはケルンが置かれています。
登り方は基本的にトラスクモアと同じですが、リートリム側から登った場合はスライゴ側から登るのとは違った光景が楽しめるかもしれません。
トラスクモア山のリートリム州最高地点。ケルンが目印です。
地図にもケルンが置かれていることが表示されています。
リートリム州最高地点からの眺めです。
スライゴ側山頂も含めた全行程はこんな感じ。黒い線が実際な歩いたルートです。直線になっているところはショートカットしたところです。グレーの線が舗装道路です。道なりに歩くより直線的に一気に山を駆け上がった方が早く登れます。
往復の総距離は5.77km、所要時間は1時間37分でした。
ちなみにリートリム州にある山で、単体で一番高い山は「Tievebaun」という山です。
標高611メートルで山の北東に「イーグルズロック(Eagle's Rock)」と呼ばれている切り通しの崖があってリートリムの名所の一つとして有名です。
単体の山としてリートリム州最高峰の「Tievebaun山」周辺地図
キルティークロアーはリートリム州の北東に位置する北アイルランドとの国境近くの村です。
この村はアイルランド伝統音楽のフィドルの名手、ベン・レノンとその弟のチャーリー・レノンの出身地として知られています。
チャーリー・レノンは作曲家、ピアノの伴奏者としても有名です。
チャーリー・レノンが作曲した曲が収められている「Musical Memories」(左)と、ベン・レノンの音楽人生にスポットを当てた伝記本「The Tailor's Twist」(右)
ベン・レノンと息子のブライアン・レノンによる演奏
この村はアイルランドの歴史において非常に重要な役割を果たした人物の出身地でもあります。
ショーン・マクディアマダはアイルランドの歴史の中で非常に重要な出来事の一つである「イースター蜂起*」で中心となった人物の一人です。
*1916年の復活祭(イースター)の日にアイルランドで起きた武装蜂起。イギリスからの植民地支配を終わらせ、アイルランド共和国を樹立する目的でアイルランド共和主義者たちが引き起こした武装決起。1798年の反乱以降にアイルランドで起きた最大の反乱であった。
村の外れにはショーン・マクディアマダの生家があります。
ショーン・マクディアマダの生家
ショーン・マクディアマダの生家からの眺め
ショーン・マクディアマダの肖像。(ダブリンのキルメイナム刑務所*に展示されていたもの)
*イースター蜂起の首謀者達が投獄され処刑された刑務所。
リートリム州はチャーリー・レノンなどアイルランド伝統音楽の優れた奏者を多く輩出している州です。
戦前に活躍したアイリッシュフルート奏者「ジョン・マケンナ*(John McKennna)」もリートリム州の出身です。*ジョン・マケナとも。
彼の出身地であるアレン湖のほとりのドラムケアラン*(Drumkeeran)には彼の像が建てられています。*ドラムキアレンとも。
ドラムケアラン(ドラムキアレン)では毎年ジョン・マケンナ(マケナ)の名を冠した伝統音楽のフェスティバルを開催しています。
フェスティバルを主催しているジョン・マケンナ(マケナ)・ソサイエティではジョン・マケンナ(マケナ)が戦前にリリースしたレコードをデジタル化し、当時のアイルランド音楽について詳しく知ることの出来る小冊子を付けて、2枚組のCDとして販売しています。
ジョン・マッケンナ(マケナ)のCD。
演奏法の解説も載っていてためになります。
ジョン・マケンナ(マケナ)の使用していたフルートも載っています。
このCDはアイリッシュフルートの奏者やフルートに興味がある人だけでなく、ティンホイッスルの奏者やその他の楽器の奏者にもお勧めです。
"モリソンズ・ジグ"を世に広めたジェームズ・モリソンとのデュエット演奏も収録されていますので、フィドル奏者にもお勧めなCDです。
ドラムケアランの近くにはドラムシャンボーという村もあります。
ここもアイルランド伝統音楽で有名な村で、毎年夏に大きな音楽サマースクールを開催しています。
アレン湖の桟橋(ドラムシャンボーの水の駅)