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Slieve na Calliagh 276m
[ケルズ、世界遺産ニューグレンジ、スレイン城、ボイン川 etc]
Slieve na Calliaghはミーズ県*(Co. Meath)の最高地点がある丘です。
Loughcrewという遺跡の中にあり、丘の上にはPassage Tomb*があります。
*ミース県とも
*passage tomb = 石器時代に作られたお墓。日本の古墳に似ています。
Slieve na Calliaghとは英語だと「the hag's mountain」という意味になるそうです。hagとは魔女?の一種みたいなものらしいです。
Slieve na Calliagh遠景
北西のオールドキャッスル(Oldcastle)が最寄り町になります。(下の地図には載っていません) 東側のケルズ(Kells)からのアクセスも良いです。
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Slieve na Calliaghは遺跡の中の古墳の上に登るだけなので、簡単に登れます。Slieve na Calliaghの上まで行くだけであれば1㎞くらいです。
Louchcrewの遺跡内にはスタンディングストーンやストーンサークルなどのあるので、あれこれ見て回ってもいいと思います。
Loughcrew遺跡の案内板
スタート地点からの眺め。遺跡入り口の駐車場は標高200メートルのところにあります。
短冊というかおみくじというか、こよった紙が枝に結ばれている木がありました。
アイルランドではよく見かけるものです。何か意味があったと思うのですが忘れてしまいました・・
丘の上の古墳。この古墳の上がミーズ州の最高地点です。
本日の道のり。
スタート地点(駐車場)からここまでの距離は954メートル。所要時間15分でした。
ミーズ州の最高地点の上で記念撮影。
ミーズ州の最高地点からの眺め。
Slieve na Calliaghの最寄り町であるケルズ(Kells)の町中にはラウンドタワーとハイクロスがあります。
ラウンドタワーはヴァイキング襲撃が絶えなかった10世紀から13世紀にかけてアイルランド全域に建てられた鉛筆のような細長い塔です。
ラウンド・タワーは、見張り台や警鐘を鳴らす場所、教会の宝物の隠し場所や人々の避難場所を兼ねた塔として使われていたそうです。
入り口が異様に高い場所にあるのがラウンドタワーの大きな特徴の一つです。2mくらいの高さに入り口があるものが多いです。
はしごを使って入り口にまで登り、はしごごと中に入っていたそうです。
こうすれば敵が攻めてきても簡単には攻撃されません。
ハイクロス(high cross)は名前の通り高い十字架で、低いもので2メートルくらい、高いものになると8メートル以上と2階建ての家よりも高いものもあります。
豪華な装飾が施されているものが多く、文字のなかった時代にキリスト教の教義を民衆に教えるために描かれたそうです。
ケルズのラウンドタワー。上の方は折れてしまったのか、なくなってしまっているのですが、町のメインストリートに面して建っているので目立ちます。
間近から見上げたケルズのラウンドタワー。高さは26メートルもあります。
ケルズには4基のハイクロスがあるのですが、もっとも有名なのがこのマーケットクロスに立っているハイクロスです。
もとからここにあったわけでなく、これまでに何度も移転されているようで、現在はケルズの裁判所の前のマーケットクロスに立っています。
高さは2メートルほどですが、貴重な装飾が施されているようでアイルランドでは有名なハイクロスの一つです。
こんな装飾が施されています。
ちなみにアイルランドの有名な聖書の手写本「ケルズの書(Book of Kells)」のケルズはこの町の名前から来ています。
ケルズの書が書かれた所は、上のラウンドタワーが立っているケルズの修道院(Abbey of Kells)では言われています。
美しいケルト模様が特徴のケルズの書。(の絵葉書)
ケルズのメインストリートのお肉屋さん。
ここのお肉屋さん、ブラックプディングとホワイトプディング作りでアイルランドで一位になったそうです。
アイルランド各地に点在するラウンドタワーとハイクロスですが、とりわけミーズ州にはアイルランドの歴史的観点から見てもとても貴重なラウンドタワーやハイクロスが多く残っているように思います。
ミーズ州ではないですが、有名なモナスターボイスのラウンドタワーとハイクロスもこのケルズから遠くないところにあります。
ちょうどケルズとモナスターボイスの中間のスレーンというところにも古いハイクロスが残っています。
スレーンの丘の教会
スレーン(スレイン)の丘の古い教会の跡地。所謂普通の墓標としての十字架との見分けが付かないのですが、一等古そうな十字架はハイクロスっぽい装飾が施されています。
スレインにはスレーン(スレイン)城という大きなお城があります。
ここはアイルランドを代表する世界的なロックバンドU2がコンサート会場として使うことで有名です。
U2以外にもマドンナやボンジョビなどもコンサートをやったことがあるそうです。
ミーズ州は遺跡の多い州ですが、世界遺産に登録されているニューグレンジは特に有名です。
ニューグレンジ。ミーズ州の最高地点があるSlieve na Calliagh古墳のどでかいバージョンです。
この日は珍しく雪が降ったこともあって、
こんなのを描いて遊んでいる人がいたり
こんなのもありました。
ニューグレンジからの眺め
ニューグレンジのすぐ北側にはボイン川の戦いの古戦場があります。
ボイン川の戦いとは、1690年にこの地を流れるボイン川の河畔で行われたイングランド軍とアイルランド軍による戦いです。
戦いはイングランド軍が勝利し、アイルランドにおけるイングランド王位の保持を決定的なものにしました。
ボイン川の戦いの古戦場
古戦場跡には歴史博物館が立っています。
歴史博物館にあったボイン川の戦いの様子を描いた絵。
ボイン川の戦いで用いられた当時の武器のレプリカもありました。
古戦場の脇を流れるボイン川。
この日のボイン川は凍り付いてしまって流れていませんでした。
ちなみにボイン川のボインは"Boyne"と綴ります。
日本語(?)の"ボイン"とは無関係です。
アイルランドでは「ボイン」はハチミツのブランド名としても有名です。
アイルランドでお馴染みのボイン谷のハチミツ。つまりボインの谷間のハチミツってことですね。日本で売ったらけっこう売れそう?
他にこの辺りにはボインバレーブリッジという橋もあります。
ボインの谷間に橋が架かっています。(笑)
美しい形のボインの谷に架かるボインバレーブリッジです。
正式名称はメアリー・マカリース・ボイン・バレー・ブリッジ(Mary McAleese Boyne Valley Bridge)といいます。
メアリー・マカリースはアイルランドの大統領の名前です。
とまあ、この辺はボインの付くところだらけです。
"ボインの眺め(Boyne View)"なんていう住宅街もあります。
ここからボインがよく見えるらしいです(笑)
ミーズ州の遺跡といえばタラの丘も有名です。
タラの丘はニューグレンジの南西にある丘陵地帯です。アイルランドの伝説上の王たちの国が存在した地として知られています。
ケルト人がアイルランドに居た時代に聖地として用いられていたと言われています。
古代ケルト人の聖地だったタラの丘はアイルランドを代表するパワースポットとしても知られています。
タラの丘から望む夕日
おまけ
ミーズ通(?)ならぜひとも行っておくべき所があります。
それはミーズ州の州都ナヴァン(Navan)の町にあります。
ナヴァンのタウンセンターにあるマクドナルドです。
何の変哲もない普通のマクドナルドなのですが、
このマクドナルド、なんと郵便局だった建物に入っているんです。
詳しい経緯はよく分かりませんが、建物自体は1908年に建てられた歴史のある建物だそうです。
マクドナルド自体は随分と前からここで営業しているようで、今ではナヴァンの隠れた(?)ランドマークとして知られています。