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Sliabh Beagh Co. Monaghan 373m
[南北アイルランド国境、ハリウッド公園、ハイクロス&ラウンドタワー]
スリーヴ・ベイ山地*はモナハン州とティロン州に跨って広がる山地です。
スリーヴ・ベイ山地の最高峰である標高373メートルのスリーヴベイ山はティロン州に位置します。
モナハン州の最高地点はこの山地内にあるのですが、地図上ではここがモナハンの最高地点だとはっきりとは示されていません。
シュリーヴ・ベイ山地はなだらかな丘で、ひとたび丘の上に出ると起伏の少ない平坦な泥炭地が続くので、ここが一番高いというポイントを見つけるのはほぼ不可能に近いです。(*シュリーヴ・ベイとも)
スコッツタウンという町がシュリーヴベイへの最寄り町となります。
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歩き始めはこんな砂利道の上を歩きます。
車をこのすぐ近くまで入って来れます。
駐車場はとくにありませんが、普段人が来るような所ではないので空いているところに好きに停めてしまって大丈夫です。
歩き始めてしばらくはシュリーヴ・ベイ・ウェイというウォーキングコースと同じルートを歩くのでしばらくはシュリーヴベイウェイの道しるべに沿って歩きます。
少し歩くと「Lough Antrawer」という湖が見えてきます。
Lough Antrawerはなんとくダムっぽい(変な日本語)湖で、生活用水か農業用水の取水が行われているのか、ちょっと普通の湖とは違う感じのする湖でした。
Lough Antrawerの湖面に突き出した橋(?)みたいな物体。桟橋でもないし、どこかに渡れる橋でもないのですが、何に使うんでしょうね?
Lough Antrawerを過ぎたあたりで道らしい道はなくなり、湿地帯の中を上へ上へと歩いていきます。
途中の斜面の上にたくさんの綿花が風にゆれていて綺麗でした。
斜面を登りきって丘の上に出たら、モナハン州の最高地点を探して歩き始めます。
シュリーヴベイの最高地点は370メートルですが、370メートルの地点はティロン州になります。
モナハンの最高地点はアイルランド共和国側のどこかになるのですが、地図上ではっきりと「ここ」とは表示されていません。
地図だと365メートル地点が表示されているので、きっとここがモナハン側の最高地点だろうと思いとりあえず365メートル地点に行ってみました。
地図上で"365メートル"と記されているところに来てみました。
歩き始めからここまでの距離は2.72㎞、移動時間は41分でした。
地図上の365メートル地点からの眺め。
モナハン側の最高地点にだけではもったいないので、スリーヴベイのリアル最高地点にも行ってみました。
頂上にはケルンも三角点もなにもなく、どこが本当の頂上なのか分からないのですが・・
とりあえずGPS上で頂上と表示されているところまで来ました。
GPS上だと標高381メートルと表示されていますが多少の誤差も出るのでご愛嬌として
ここまでの歩行データは、移動距離5.37㎞、所要時間1時間31分でした。
頂上で記念撮影
頂上からの眺め
頂上付近でも携帯は繋がるのですが、ほぼ国境線上ということもあって、北アイルランド(イギリス)とアイルランド共和国のどちらの携帯キャリアの電波も拾ってしまって混線模様に・・
5万分の一の地図だとティロン州とモナハン州に跨るLough Sallaghという湖が載っているので、ついでに行ってみることに。
シュリーヴベイ山頂の東側にある国境線を跨いでいる湖がLough Sallaghです。
これがLough Sallagh。どうってことない山の上の小さな湖ですが・・
ふとGPSを見ると
場所はとりあえずLough Sallaghのモナハン側に居ます。(矢印の位置はずれていますが・・)
標高を見ると376メートルと表示されています。
モナハン側の最高地点は365メートルのはずだったのでは?
いくら誤差が出たとしても10メートルはかなり大きい。
もしかしたらここがモナハンの最高地点かもしれないので、念のため?記念撮影をしておきました。
本日の歩行データ。移動距離10.95㎞、移動時間2時間59分でした。
シュリーヴ・ベイ山の最寄り町スコッツタウンには「ハリウッド公園(Hollywood Park)」という公園があります。
ハリウッドはアメリカのハリウッドと同じ綴りです。
アイルランドには何か所かハリウッドという場所があると思います。
ハリウッド湖という湖を中心に自然を楽しめるようになっているそうです。
けっこう大きな森があったので散策してみたかったのですが、時間がなくて森の中に行けませんでした。
次回はこの辺もじっくりと見て回ってみようと思います。
スコッツタウンのお隣にはベラノード(Bellanode)という町があります。
通り過ぎただけなのであまりよく見てないのですが、メインストリートに気になる家がありました。
アイルランドの田舎でよく見るタイプの家ですが、貼ってあったプレートを読むと
もともとこの家は地元で「ブルガリア大使館」と呼ばれていたそうです。
詳しくは上の説明板に載っています。
緑色のドアが素敵ですね。
クロンズ(Clones)はモナハン州西部のファーマナ州との国境近くに位置する町です。
クロンズには割と保存状態の良いハイクロスと、途中で折れてしまっていますが10世紀に建てられたというラウンドタワーがあります。
クロンズのハイクロス。高さは4.5メートルあります。
十字架の部分と支柱の部分のそれぞれに装飾が施されており、支柱部分の装飾は3つのセクションに分かれていて、上からダニエルとライオンの洞窟、イサクの燔祭、アダムとイヴが刻まれているそうです。
クロンズのハイクロスの支柱に施された装飾。
上からダニエルとライオンの洞窟、イサクの燔祭、アダムとイヴが刻まれています。
クロンズのラウンドタワー。
聖ティアニー・カトリック教会の墓地(St. Tierney Roman Catholic Church Cemetery)の中に立っています。
先端の部分は折れてなくなってしまっていますが、元は23メートルくらいの高さだったそうです。
10世紀頃に建てられた言われています。
入り口は地上から2.12メートルのところに設けられています。
アイルランドに住んで色々なところに行ってみましたが、以外とモナハン行く機会がないものです。
自分の興味のあることに関係した行事だったり事物だったりがモナハンにはないのも一つの理由でしょうか。
アイルランドの全ての県の最高地点に登るという目標を立てたことで、初めてモナハンを訪れましたが、事前にモナハン周辺の地図を見て思ったのが、
アイルランド全土で見ると
モナハンって州の半分以上は北アイルランドに囲まれているんですね。
アイルランド伝統音楽的観点(?)から見るとファーマナ、ティロン、アーマー、キャバン、ラウズ、ミーズ州と接しているモナハンは色々な地域の影響を受けられそうで、実は伝統音楽を学ぶのに一番最適な場所のような気もしてきます。
実際にモナハン出身の優れた奏者は多いですし、ミス・モナハンやモナハンジグなど曲名にも反映されていたりするので、伝統音楽の素地の整ったところだと思うのですが、それでもなぜかマイナーな場所のような気がするのは私の気のせい?
またモナハンに行く機会があったら、今度はもっとモナハンのことをよく知るために色々なところに行ってみようと思います。
日本でも南アルプスの天然水とか、奥大山の天然水とか、富士山の〇〇ウォーターとか、地名が付くミネラルウォーターが出てますが、アイルランドでもミネラルウォーターには地名が付いたものが多いです。
全国的に知られているものだと「バリーガワン(Ballygowan)」というブランドが有名です。
バリーガワンはリムリック州の地名で、その名の通りバリーガワンで採水されています。
アイルランド各地のミネラルウォーター。
左からケリースプリング(ケリー州)、ティップ*(ティペラリー州)、バリーガワン(リムリック州)、クレアスプリング(クレア州)、ゴールウェイ(ゴールウェイ州)。
*ティップ=ティペラリー州の愛称。
こちらがモナハンのローカルミネラルウォーター、その名も"Only Our Rivers Run Free"。
日本語にすると「私たちの川だけが自由に流れている」という意味になります。
何とかなく意味深な感じの商品名なのは、北アイルランドに囲まれたモナハンの土地柄を表しているのでしょうか。
ちなみにアイルランドの歌で全く同じ名前の歌があります。
採水地はキャリックマクロスというところだそうです。
アイルランドの人気歌手「クリスティ・ムーア」が歌う「Only Our Rivers Run Free」。