アイルランド音楽 = フィドルやイリアン・パイプス、ハープを使った音楽ばかりではありません。
アイルランドにもロックバンドもあればアイドルグループもいます。
このページではアイリッシュ音楽(伝統音楽)以外のアイルランド人アーティストを紹介しています。
ノーランズはダブリン出身の5人姉妹によるユニットです。
「ダンシングシスター」という曲でよく知られています。
日本のヒット曲に英語詞を付けてカバーする「逆カバー」に挑戦し、日本レコード大賞を受賞したこともあります。
日本の音楽番組に出演した時の模様。
ダンシングシスターの日本語カバーバージョン
ダンシングシスターは吹奏楽部の定番曲にもなっているようです。
ノーランズが歌う「世界でいちばん熱い夏」のカバー
アズランはダブリン出身のクリスティ・ディグナム*(Christy Dignam)を中心に1982年に結成された5人組のバンドです。* (ダイグナムとも)
1986年にメジャーデビューし同年のアイルランドの音楽誌「ホットプレス」が選出する「Most Promising New Band Award (最も期待されるバンド賞)」に選ばれています。
デビューアルバムはアイルランドのヒットチャートで1位となり、アイルランドの音楽業界では「U2」を超える存在になるのではと言われていたそうですが、ボーカルのクリスティ・ディグナムのドラッグ問題などで活動を休止、その後長らく表舞台から遠ざかることになります。
1993年より再び活動を開始し、同年にリリースしたシングル「クレイジーワールド(Creazy World)」がヒット。再びアイルランドを代表するバンドへと返り咲きました。
代表曲の「ティス・イズ (This is)」はU2もカバーしています。
アズランのデビューシングル「ディスイズ (This is)」のオリジナルPV
「ディスイズ」のライブ編。
「ディス・イズ」のU2バージョン
アズランの代表曲「クレイジー・ワールド」。
「In Tua Nua」は1980年代前半にダブリンで結成されました。
「In Tua Nua」はアイルランド語で「新しい部族」という意味だそうです。
フィドル(ヴァイオリン)やイリアン・パイプス(アイルランドのバグパイプ)をフィーチャーしたサウンドが特徴です。
イリアン・パイプスを担当していたヴィニー・キルダフ(Vinnie Kilduff)はティンホイッスル奏者としても有名で、教則ビデオをリリースしています。
フィドルを担当していたスティーヴ・ウィックハン(Steve Wickham)はシャロン・シャノンも在籍したウォーターボーイズにも在籍しています。
「In Tua Nua」はメンバーを替えながらも現在も活動を続けています。
In Tua Nuaの代表曲「All I Wanted」
「In Tua Nua」でイリアン・パイプスを担当したヴィニー・キルダフのティンホイッスルの演奏。
ヴィニー・キルダフが講師役を務めるティンホイッスルの教則DVD
「In Tua Nua」でフィドルを務めたスティーヴ・ウィックハンが在籍する「ウォーターボーイズ」とシャロン・シャノンの共演。(シャロン・シャノン自身もメンバーだった)
クランベリーズはアイルランド西部のリムリックで結成されたバンドです。
かなりメジャーなバンドなので、詳しく説明する必要もないと思いますが、クランベリーズといえば映画「ユー・ガット・メール」の主題歌の「ドリームス」という曲がよく知られています。
2019年に新しいアルバムをリリースする予定でしたが、2018年1月にボーカルの「ドロレス・オリオーダン」が急死してしまい、今後の動向がどうなるのか不明です。
「ボーイゾーン」はアイルランドのアイドルグループの代表格といえるグループです。
リーダー格の「ローナン・キーティング」はアイルランドを代表するのイケメン・シンガーとして多くの女性ファンから人気を集めています。
ボーイゾーンの「A Picture of You」。
ローナン・キーティングはボーイゾーンの大半の楽曲でリードボーカルを務める、ボーイゾーンの顔ともいうべきシンガーです。
ボーイゾーンの活動と並行してソロシンガーとしても活動しています。
アメリカのブルーグラス歌手アリソン・クラウスが歌った「When You Say Nothing At All」のカバーし大ヒット。
同曲は映画『ノッティングヒルの恋人』のサウンドトラックに使われました。
ローナンは自身の母を乳癌で亡くしたことから、乳癌と闘う女性を支援する「Marie Keating Foundation」というチャリティ基金を創設し、チャリティ活動にも取り組んでいます。
ローナン・キーティングの代表曲「When You Say Nothing At All」
私が参加したキルデア開催されたサイクリングイベントの主催者がローナン・キーティングが設立した「Marie Keating Foundation」でした。イベントの参加費がチャリティとして使われるそうです。
ピンクリボンデーの頃に出回る「Ballygowan (アイルランドで一番有名なミネラルウォーター(多分・・)」のピンクリボンデー・バージョン。ここにも「Marie Keating Foundation」のマークが。
「ビー・ウィッチド」はダブリン出身のエディル・リンチとキーヴィ・リンチの双子の姉妹を中心に結成されたグループです。
エディルとキーヴィの兄のシェーン・リンチはアイルランドを代表するトップアイドルグループ「ボーイゾーン」のメンバーの一人です。
1998年にデビューしデビューシングルの「セ・ラ・ヴィ」(C'est La Vie)が大ヒット。アイルランドおよびイギリスで大ブレークしました。
2002年に解散しメンバーそれぞれがソロ活動や音楽以外の活動に専念していましたが、2012年に再結成し2018年現在も活動中です。
ビー・ウィッチドの代表曲「セ・ラ・ヴィ」
デビューした頃(1998年)の映像
同じ曲の2013年バージョン。さすがに老けたけど、体系があまり変わっていないのがすごいかも。(アイルランド人としては) アイリッシュダンスっぽいタップを踏むところ(2分5秒付近)も健在です。
私の住むフィークル村にある伝説の魔女「ビディ・アーリー」が住んだという家の廃墟跡を探検した時に撮った動画です。「魔女」にかけてビー・ウィッチドの曲をBGMに使ってみました。
スライゴとダブリン出身の5人からなる「ウエストライフ」はボーイゾーンと並ぶ人気を誇るアイルランドのアイドルグループです。
メンバーの一人の「ニッキー・バーン」は1997年から2008年までアイルランドの首相(ティーショク)を務めた「バーティ・アハーン」の娘と結婚しました。
クロークパーク(アイルランドの国技と呼ばれる「ハーリング」や「ゲーリックフットボール」の試合会場として使われるアイルランドの「国技館」ともいえるようなスタジアム)で行われたウエストライフのライブの模様です。
『スノウパトロール』はダンディー大学に在学する北アイルランドとスコットランド出身の学生たちによって結成されたバンドです。
リードボーカルを務めるギャリー・ライトボディを筆頭に5人のメンバーのうち4人は北アイルランドの出身です。
アイルランドとの繋がりも深くバンド結成後初めてのギグはベルファストのパブだったそうです。
U2のオープニングアクトとして彼らのツアーに帯同したこともあります。
スノウパトロールの楽曲の中で個人的に気に入っている「You're All I Have」
スノウパトロールといえばこの曲を名曲に挙げる人が多い。
エド・シーランもカバーしている「Chasing Cars」
スノウパトロールが初ギグをやったベルファストのパブDuke of York
パブの壁には「スノウパトロールはここで初めてギグをやりました」と書いたプレートが埋め込まれてあります。
ブライアン・ケネディはベルファスト出身のシンガーソングライターです。
同じベルファスト出身でアイルランドを代表するシンガーである「ヴァン・モリソン」のバックボーカルとしてキャリアをスタートさせ、90年代よりソロのシンガーとして活躍。アイルランド全土で高い人気を誇っています。
2001年にリリースした「ユー・レイズ・ミー・アップ」はその後多くのアーティストにカバーされ、特にケルティックウーマンによってカバーされたバージョンはフィギアスケートの荒川静香選手がオリンピックで使用し日本でも人気が出ました。
2006年にはユーロビジョンソングコンテストにアイルランド代表して出場しています。
ブライアン・ケネディが歌う「ユー・レイズ・ミー・アップ」
ダミアン・ライスはダブリン出身(キルデア育ち)のシンガーソングライターです。
90年代にジュニパー(Juniper)というロックバンドのメンバーとして、デビューを果たしますが、シングル2作をリリース後に脱退。
その後2002年にリリースしたソロデビューアルバム「O」がアイルランド国内でヒット。後にイギリスやアメリカでもチャート入りを果たします。
このアルバムには現在はソロで活躍するアイルランド人女性シンガーソングライター「リサ・ハニガン」が参加しています。
トリニティカレッジの学生だった2001年にシンガーソングライターの「ダミアン・ライス」のバックバンドの一員としてミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせます。
2007年よりソロに転向し、2008年に初のソロアルバム「Sea Sew」をリリース。
2016年までに3枚のアルバムをリリースしています。
2012年には日本公演も果たしています。
リサ・ハニガンの「I don't know」のPV。
私「Taka」のPV(?)。ゴールウェイ州の最高峰「Benbaun山」に登った時に撮った動画です。BGMにリサ・ハニガンの「I don't know」を使ってみました。
キルデア州のニューブリッジであったリサ・ハニガンのコンサートのポスター。
リサ・ハニガンのポスターの隣にはなにげにアイルランドを代表するフィドル奏者「トミー・ピープルズ」とハープの「リーシャ・ケリー」、それとブレンダン・ベグリーのツアーのポスターが貼ってありました。
ニューブリッジのコンサートでのリサ・ハニガン
キャシー・デイヴィーはダブリン出身のシンガーソングライターです。
父親のショウン・デイヴィー(Shaun Davey)は映画やテレビのサウンドトラックを手掛けるアイルランドを代表する作曲家で、当サイトでも紹介しているドキュメンタリー映画「Brendan Voyage」のサウンドトラックも手掛けています。
キャシー・デイヴィーの父親のショウン・デイヴィーが作曲した「Brendan Voyage」。「Brendan Voyage」はコロンブスよりも前にアメリカに到達したと言われる「聖ブレンダン」の航海を再現したドキュメンタリー映画です。聖ブレンダンのアメリカ航海についてはこちらのページをご覧ください。
キャシー・デイヴィーは2007にアイルランド版のグラミー賞と呼ばれる「Meteor Music Awards」を受賞した他、アイルランド版の日本レコード大賞(?)ともいえる「Choice Music Prize」にもノミネートされています。
キャシー・デイヴィーの代表曲「Reuben」。
ダブリンのイケアに買い物に行った時の模様をまとめた動画です。
BGMにCathy DaveyのLittle Redを使ってみました。
コアーズはアイルランド東部ラウズ州(Co. Louth)のダンドーク(Dundalk)出身の兄妹ユニットです。
日本を含め世界中で人気を博したアイルランド発のスーパーグループの一つです。
アイルランドの伝統音楽の要素を取り入れたのが特徴で、実際に伝統曲も演奏しています。
ただし伝統曲の演奏に関しては、「なんちゃって」の域を出ていませんので、アイルランドの伝統音楽をちゃんと学ぼうという人には全然参考にならないと思います。
とはいっても、コアーズがきっかけでアイリッシュ音楽に興味を持った人は多いと思います。
コアーズの代表曲「What Can I Do」
大ヒットした「So Young」
コアーズによるアイルランドの伝統曲「トス・ザ・フェザーズ(Toss the Feathers)」の演奏。「伝統音楽」の演奏としては、とても「良い演奏」とは言えない演奏です。
これは「アイルランド感」を出すための「演出」の一つだそうで、本人たちも「なんちゃって」だと分かって演奏しているそうです。
パディ・ケイシーはダブリン出身のシンガーソングライターです。
2003年にアイルランドのグラミー賞とも言える「Meteor Music Awards」を受賞。翌2004年も同賞を受賞しアイルランドでの人気を不動のものとしました。
その後も数年おきに新作をリリースし、コンスタントに活動を続けているアイルランドを代表するシンガーソングライターの一人です。
パディ・ケイシーの代表曲「Addicted to Company」のPV
同じ曲のスタジオライブバージョン
私の住むフィークル村のお隣「スカリフ(Scariff)」であったサマーフェスティバルにパディ・ケイシーが登場しました。なんとただでパディ・ケイシーのステージを見れてしまいました。
「ザ・スクリプト (The Script)」はダブリン出身のスリーピースバンドです。
デビューアルバムがアイルランドとイギリスのチャートで一位を獲得し、アメリカでもデビューを果たします。デビュー翌年には日本ツアーも行っています。
ザ・スクリプトの「For the First Time」
アラナ・ヘンダーソンは北アイルランドはタイローン州(ティロン州)のダンガノン出身のシンガーソングライターです。
チェロで弾き語りをするのが特徴です。
アイルランド(だけではないのかもしれませんが・・)では最近チェロで弾き語りをするシンガーソングライターが増えてきているような気がします。
ゴールウェイ出身「ナオミ・ベリル(Naomi Berrill)」というシンガーもチェロを弾きながら歌います。
チェロでコードを刻みながら歌うアラナ・ヘンダーソン。
彼の歌う音楽のジャンルは基本的に「カントリー音楽」になるそうです。
アイルランドには「アイリッシュ・カントリー」と呼ばれるアイルランド独自のカントリー音楽があるそうです。
私はこの手はジャンルには疎いのですが、アイルランドでは一定の人気があるようで、特にダニエル・オドネルはアイルランドのマダム層(?)の間で人気があるようです。
私がアイルランドでホームステイした家のホストマザーがダニエル・オドネルの大ファンでした。
ダニエル・オドネルの代表曲「Mary from Dungloe」
「シェイマス・ブレット」はスライゴ出身のピアノ奏者/作曲家です。
日本のいうところの久石譲のような感じの存在でしょうか。
色々なテレビや舞台のために作品を書き下ろしたり、有名アーティストのサポートメンバーとしてレコーディングやツアーに参加しています。
1998年にリリースした自身のソロアルバム「Celtic Rhapsody」に収められている「A Fond Farewell」という曲は、東日本大震災の復興支援ソングとしてよく知られている「花は咲く」の原曲になった曲と言われています。
アイルランドのバンドではないのですが、ついでにここで紹介してしまうのが、イギリスの「フィーダー(Feeder)」というバンドです。
「Takaさん」という日本出身のベーシストがリーダーを務める3ピースバンドで、25年以上に渡って活動を続けているベテラングループです。
イギリス&アイルランドで開催される野音ではお馴染みとなっているバンドの一つです。
アイルランド最大の音楽フェスティバル「Oxegen」にも出演したことがあるほか、単独でアイルランド公演を行ったこともあります。
フィーダーの代表曲「Buck Rogers」
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