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アイリッシュ音楽を弾けるようなるまでには、どれだけの時間がかかるでしょうか?
楽器や音楽の経験が全くなく、ゼロから始めるとなった場合、以下のことが出来るようにならないと、アイリッシュ音楽を弾けるようにはなりません。
① 音楽の基本的なことについて学ぶ
② 楽器の基本的なことを学ぶ
③ アイリッシュの基礎について学ぶ
アイリッシュ音楽を弾くためには、これら3つの基本をバランスよく学んでいかないと弾けるようになりません。
①は音楽の基礎の基礎の部分です。
アイリッシュ音楽は基本的に西洋音楽です。
アイリッシュ音楽でもドはドだし、レはレです。シャープはシャープだし、フラットはフラットです。2分音符は2分音符だし4分音符は4分音符です。ニ長調はニ長調だし、ホ短調はホ短調なのです。
アイルランド音楽の演奏を学ぶ上でごく一般的な音楽の知識はあった方が良いと思います。
②は楽器の基礎の基礎の部分です。
フィドルでアイリッシュ音楽を演奏するためには、最低限「音の出し方」と、「音の場所」を覚えないといけません。
世界的なピアノの奏者であっても一度もフィドルを触ったことがなければ、その人がどれだけ優れた音楽性を持っていたとしても、いきなり音を出せるということはありません。 (ピアノは音楽のことを何も分かっていない素人でも音を出せますが・・)
フィドルを弾くためには、曲を弾く以前に「フィドルという道具」の使い方を学ばなければいけないのです。
フィドルはピアノと違って鍵盤を押せば誰にでも音を出せる楽器ではありません。音の場所も鍵盤のように固定されていません。
音の場所を覚えるといっても一か所だけ覚えればいいというわけではありません。色々な高さの音の場所を覚えなくてはいけません。
音の出し方を覚えると言っても、ただ音を出せばいいのではなく、長い音や短い音、強い音や弱い音と、色々な音を出せるようにしなくてはいけません。
そういった意味ではフィドルは音を出せるようになるまで、ピアノなど他の楽器と比べると遥かに時間がかかります。
③はアイリッシュ音楽ならではの音楽性です。
4分の4拍子だとか8分の6拍子だとか、ニ長調とかト長調だかいったことは、音楽共通の概念ですが、
それだけ知っていればアイルランド音楽も弾けるかといえば、そうではありません。
もしそうだとすれば世のクラシック・バイオリンの奏者が皆フィドルも弾けることになってしまいます。
しかし実際はそうはいかないのです。
フィドルを弾けるようになるためにはアイリッシュ音楽特有の音楽性についても学ばないといけません。
「リール」とか「ジグ」といったアイルランド音楽特有のリズム感や、ロールやカットやトリプレットなどのアイルランド音楽特有の装飾音の使い方なども基礎からしっかりと学ぶ必要があります。
アイルランド音楽では普通の「ドレミファソラシド」以外の音階も使われているので、アイルランド音楽ならではの特色のある音階についても学ばないといけません。
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当然ですがここまで述べたことを、一朝一夕にできるようにはなりません。
しっかりとした練習計画を立てて、効率よく進めていかないと、なかなか上達出来ないと思います。
以下はアイリッシュ音楽で弾かれているリズムの種類です。
(1)リール、(2)ダブルジグ、(3)シングルジグ、(4)スリップジグ、(5)スライド、(6)ホーンパイプ、(7)ポルカ、(8)マズルカ、(9)マーチ、(10)クランマーチ、(11)セットダンス、(12)ハイランド、(13)バーンダンス、(14)フリング、(15)ショティッシュ、(16)ワルツ、(17)スローエア
アイリッシュ・フィドルの演奏試験「SCT Exam」の課題曲 です。
ほぼ全てのリズムの曲を弾かされます
次はアイリッシュ音楽で使われる装飾音の種類です。
(1)カット、(2)グレースノーツ、 (3)ロングロール、(4)ショートロール、(5)トリプレット、 (6)トレブリング
装飾音はフィドルの演奏でとても重要な技術の一つです
もしレッスンが1か月に1回だったとして、1回のレッスンで1種類のリズムを習うとなると、リズムを覚えるだけで1年5ヵ月かかります。装飾音も1回のレッスンで1種類ずつ習ったとして6ヵ月かかります、これだけで1年11か月かかります*。
* 逆な話でもし毎日レッスンに通って毎回のレッスンでそれぞれのリズムや装飾音について正しく学べるとすれば、23日間でアイリッシュ音楽をマスターできることになります。
これに弓のパターンも加わります。フィドルは、こういう時は弓を上げて弾く、こういう所は弓を下げて弾くといった弓の使い方も学ばないといけません。
弓の使い方には多くの種類がありますので、全部覚えるにはけっこう時間がかかる思います。
アイリッシュ・フィドルのボウイングはけっこう複雑です
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・アイルランドの音楽でどのようなリズムの曲が弾かれているかは、以下のページをご覧ください。
・ アイルランドの音楽で用いられている装飾音については以下のページをご覧ください。
・アイルランド音楽で使われている音階についてはこちらをご覧ください。
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① 曲を覚える。(アイルランドの曲を沢山聞く) - アイルランド音楽の基礎力をつける)
アイルランド音楽は楽譜を見ながら弾く音楽ではないので、曲を覚えないことには先に進めません。 役者さんがセリフを覚えるのと同じです。台本片手にお芝居はできません。
【やること】
実際に演奏されたものをよく聞くことに限ります。
日常的にアイルランドの音楽を聞きましょう。
聞くのであれば、現地で高い評価を受けているアイルランドの人なら誰もが知っている現地の有名奏者の演奏がお勧めです。YouTubeはアイルランド人以外の人が弾いた間違った演奏も多く載っているのであまりお勧めできません。
こちらのページでYouTubeのどこがいけないのか説明しています。
■ アイルランド音楽の学び方 - YouTubeには要注意 ■
Breandán Breathnachという著名な奏者は自身の著で「伝統音楽の奏者になるためのたった一つの方法がある。それは伝統的な流儀で演奏された本物の演奏を聞くことである」と書いています。
ブランダン・ブラナックが著した「アイルランドの民族音楽とダンス」
右が訳本、左は原書です。(クリックで拡大可)
有名奏者たちのCD
名奏者の名演奏を聞くのはとてもためになります
曲を聞くときにリズムも意識しましょう。 今聞いている曲は、「ジグ」というリズムの曲なのか、「リール」というリズムの曲なのか、「ホーンパイプ」というリズムの曲なのか・・etc といったことにも意識しながら曲を聞けると良いと思います。
自然と曲を口ずさめるようになるくらい、よく聞きましょう。
「曲を口ずさめる」=「曲を覚えられる」ということですから、楽器でも弾けるようになるはずです。
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現地で高い評価を受けている奏者が誰だか分からない、誰を聞いていいか分からないという時は以下のページを参考にしてみてください。
こちらのページでアイルランドを代表する総勢100名以上のフィドル奏者を紹介しています。
■ フィドルのお勧めCD ■
こちらのページではアイルランドのフィドル奏者のCDを紹介しています。(これだけはぜひ聞いておきたいと思えるCDを10枚選んでみました。)
■ アイルランド音楽のお勧めCD ■
フィドル以外の楽器のお勧めのCDを紹介しています。
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ドはド、レはレ、ミはミ・・ 、4分音符は4分音符、8分音符は8分音符 etc アイルランド音楽でもこの辺りは共通です。
語学に例えるとアルファベット、ひらがな、カタカナを覚えるのと同じです。
英語を学ぶのに最低限アルファベットが分からないと、読み書きできません。アイルランドで話されているアイルランド語でもアルファベットが使われています。
【やること】
曲を覚える時に「ドレミ」で歌うようにしましょう。
もしアイルランドに行って現地で音楽を学ぶのであれば、「ABC」で歌えるようにするのも良いと思います。
アイルランド音楽でよく用いられている『ABC譜』については以下のページをご覧ください。
アイリッシュ音楽をアイルランドで学んでみようという方は、『アイルランド音楽留学』のページが参考になるかもしれません。
どこを押さえたら、何の音が出るのか、この音を弾くときはどこを押さえるのか、といったことを覚えておかないとたどたどしい演奏になってしまいます。
パソコンのキーボードの配列を覚えるのと一緒です。Aはどこにあるか、Bはどこにあるかを覚えないとすらすらタイピングできません。
アルファベットは26文字もありますが、音はドレミファソラシの7音しかありませんので、アルファベットを覚えるより簡単です。
【やること】
覚えた曲を「ドレミ」で歌いながら弾くようにしましょう。
多少は音階練習などもやってみてもいいと思います。
音階=音楽における文法のようなものなので・・
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フィドルの音の出し方や、音の場所の覚え方はこちらのページをご覧ください。
■ フィドルの基本の基本 ■
悪い癖をつけないためにもぜひレッスンへ
最初のうちはなるべくレッスンに通って(レッスンでなくても身近に見てくれる人がいればいいですが・・)、「正しく練習出来ているかどうか」、「間違ったやり方をしていないかどうか」チェックしてもらった方がいいと思います。
あまりにも適当すぎるやり方で練習していると悪い癖が付いてしまうこともあります。
一度悪い癖が付くと直すのが大変なので、ちゃんと分かる人に見てもらったほうが上達が早いです。
レッスンに通う=お医者さんに診てもらうのと同じことと思ってください。
悪いところをほったらかしにして、手の施しようもないほど酷くする前に、定期的に専門家に見てもらうのが無難でしょう。
早期発見、早期治療が大事です。
ただしやぶ医者もいるので、できることならちゃんとした資格を持った先生に診てもらうのが良いと思います。
資格を持った講師のレッスンについては以下をご覧ください。
■ アイリッシュ・フィドルのレッスン ■
悪い癖がついていないかどうか、ちゃんと出来ているかが気になるような時は試験を受けてみるのも手だと思います。
レッスンに通う = お医者さんに診てもらう
だとすれば
試験を受ける = 健康診断を受ける、がん検診を受ける
ことと同じことだと思います。
つまり、
試験に受かる = 悪いところがない
ということになります。
アイリッシュフィドルの演奏技能検定「SCT Exam」のシラバス(概要書)
試験を受験することで、自分自身の演奏を客観的に見ることができます。
試験に合格する = ちゃんと弾けるということの証明なので、自信にも繋がります。
アイリッシュ音楽の試験については以下のページをご覧ください。
■ フィドルの試験のススメ ■
■ フィドルの演奏試験を受験してみた ■
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