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Mullaghmeen261m
[コンサーティーナ奏者「ウイリアム・マラリー」の生誕地。州都『マリンガー』を散歩
Mullaghmeenの最寄り町にはフィネア(Finnea)やグラナード(Granard)などいくつかの町があります。
ウェストミーズ州都のマリンガー(Mullingar)からのアクセスも良いです。
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MullaghmeenはCoillte*が管理する植林地帯の一角を利用した森林公園の中にあります。
*coillteはアイルランドの植林された樹林を管理している公営機関です。
coillteとはアイルランド語で森を意味します。
森林公園として開放されているエリアは遊歩道が整備されているので歩きやすいです。
Mullaghmeen Forest Recreation Area (Mullaghmeen森林レクリエーションエレア)の案内版。
森の中の遊歩道。針葉樹と広葉樹のどちらもあります。
アイルランドの地図を見ると、使われている凡例の違いで、森に生えている木の種類を知ることができます。
下の地図はMullaghmeen周辺の詳細地図です。
凡例の通りこの辺りは針葉樹、広葉樹どちらも生えています。
針葉樹、広葉樹のどちらも植わっているMullaghmeenの森
Mullaghmeenの最高地点は丘の上の稜線上にあって、稜線にはほとんど木が生えていません。
Mullaghmeenの丘の上に出ました。この先は道らしい道はないので草をかきわけながら頂上を目指します。
ここがMullaghmeenの最高地点。ウェストミーズ州の最高地点です。
ここまでの道のり
スタート地点からここまでの距離は2.59㎞、所要時間35分でした。
現在時刻は夜の8時45分ですが、アイルランドの夏は夜10時くらいまで明るいです。
頂上からの眺め。前に見える湖はシーリン湖(Lough Sheelin)という湖です。
頂上で記念撮影
「マリンガー」という町がウェストミーズ州の州都です。
マリンガーは列車でダブリンからスライゴに行くときに通る町です。
世界最大のアイリッシュ/アイルランド音楽の祭典である「フラー(Fleadh Cheoil na hÉireann)」の第一回目はこのマリンガーの町で1951年に開催されました。
2020年のフラー・キョールもこの町で開催される予定です。
マリンガーのメインストリート
マリンガーのマーケットハウス
マーケットハウスの前にはこの町出身の有名な歌手の像が立っています。
ジョー・ドラン(またはドーラン)(Joe Dolan)という歌手です。
といっても日本だと知らない人が多いと思います。
アイルランドの「歌手」といっても色々な歌手がいます。
伝統音楽の歌手もいればロックやポップスの歌手もいます。
ジョー・ドランは日本で言うところの演歌とかムード歌謡(死語?)の歌手みたいな感じで、アイルランドでは主に中年以上の女性から支持されていたような・・
私が初めてアイルランドでホームステイした時のホストマザーがジョー・ドゥーランの大ファンで、よくCDを聞かされたものでした。
ジョー・ドランの歌は所謂「アイルランド」とか「ケルト」って感じのしない、日本の演歌に近いような感じなので、日本ではウケなさそうな気がします。
ジョー・ドランのヒット曲「Make Me An Island」
像の台座のプレートにジョー・ドランの功績について綴られています。
これはマリンガーの町はずれにある橋です。
ジョー・ドランを功績を称えて名付けられたジョー・ドラン・メモリアル・ブリッジ(The Joe Dolan Memorial Bridge)という橋です。
マリンガーの郊外にある建物で、セント・ロマンズ病院(St. Loman's Hospital)という病院だった建物です。
セント・ロマンズ病院は私立の精神病院で、精神病院という性質上色々と悪い噂のある病院だったのですが、現在は閉鎖されています。
外から見てもちょっと不気味な感じのする建物ですが、精神病院時代の悪行の噂もあって、近寄るのが怖い建物です。
地図を見ていたらマリンガーのすぐ近くに面白い名前の村を発見しました。
マリンガーの北東にクレージーコーナー(Crazy Coner)という名前の村が!!
どんな村か気になったので行ってみました。
クレージーコーナー村のメインストリート(?)
クレージーコーナー村は村のメインの通りに3軒ほどの家が建っているだけで、お店もパブもない小さな村でした。
村への入り口を示すものも小さな石の道標があるだけで、よほど注意して見渡さないと見過ごしてしまいます。
村外れの角(コーナー)で見つけた、クレージーコーナー村への入り口を示す道標。
こんなところにあったんじゃ簡単には見つけられません。
クレージーコーナー村の景色。
ごくごく平凡なアイルランドの田舎の村の景色です。
クレージーコーナー村は全然クレージーな村ではありませんでした。
マリンガーにはダブリンとスライゴを結ぶ鉄道路線が通っていますが、かつてはゴールウェイに向かう路線も通っていました。
ゴールウェイに向かう路線は現在は廃線となっていますが、線路や駅舎はまだ残ったままとなっています。
アイルランドにもかつては至る所に鉄道路線が張り巡らされていたのですが、モータリゼーションの発達に伴い多くの路線が廃線となりました。
場所によっては廃線となった線路跡がウォーキングコースやサイクリングロードとして利用されたり、一部の区間だけに観光用の列車を走らせたりしていますが、中には手つかずのまま廃墟状態になっているところもあります。
地図上で「Disused Railyway (使われなくなった鉄道)」と書いてある線がマリンガーとゴールウェイを結んだ路線跡です。
この路線は廃線になった後も線路や駅舎は残されたままとなっています。
一部の駅舎は人家として利用されていて普通に人が住んでいます。
マリンガーとゴールウェイを結んだ線路
電車が通ることはないので、踏み切りは線路側に下ろされたままになっています。
線路脇の家。廃線になる前からあったのか廃線になってから出来た家なのか分かりませんが、人は住んでいるようでした。
線路のすぐ脇がごみ溜めになっていて、これでは電車が通れません。(どうせ通らないのですが・・)
馬まで居たりして、きっとトラベラーちっくな人が住んでいるんだと思います。
マリンガーとゴールウェイを結んだ路線の最初の駅があった町「モート
(Moate)」で見つけた「P.Egan」パブ。
マリンガーの北側、N4沿いに広がるオーウェル湖(Lough Owel)。
正面に見えるのは飛び込み台です。アイルランドでは湖や海に飛び込み台があることは珍しいことではありません。
こちらはダブリンの海の一部をせき止めて作ったプールに設けられた飛び込み台。
水は海水?
おまけ
ウエストミーズといえば、アイルランド伝統音楽好きであれば、ウィリアム・マラリーを忘れるわけにはいきません。
ウィリアム・マラリー(William Mullaly)はコンサーティーナで初めてアイルランド音楽のレコード吹き込みを行った演奏家です。
ウィリアム・マラリーはウェストミーズ州のミルタウンで1884年に生まれました。1910年にアメリカに移民し1920年代半ばにアイルランド音楽界初のコンサーティーナの演奏によるレコードを発表しました。
当時はマイケル・コールマンなどと並び人気のある奏者だったようです。
1927年にビクターから発売されたウィリアム・マラリーにレコード。
Within A Mile of Dublin (ダブリンまであと1マイル) とウエストミーズ・ハントの2曲が収められています。
初期のコンサーティーナによるリールの演奏としては、名演奏といえると思います。
アイルランド音楽におけるコンサーティーナの歴史のことなどについて知ることのできるブックレット付きのCDです。
アイリッシュフィドルの神様とも言えるマイケル・コールマンの復刻版CDを手掛けたHarry Bradshawが監修しています。